9月4日(日)午前9時から、NHK-FMで、道北・オホーツク地方向けに、「NHK全国学校音楽コンクール道北地区大会」を放送します。番組をよりお楽しみいただくために、審査員のみなさんに番組の聴きどころ・全体講評を聞きました。

(上段左から 堀井友徳さん、上田哲さん、下段左から 石田久大さん、富田とき子さん、中村隆夫さん)
石田久大さん(声楽家・合唱指揮者)
小学校の部は2つの学校が参加してくれましたが、難しい課題曲をどちらの学校も見事に歌いこなしていたことが印象的でした。素直な力のある声で、大きな表現をしていることが良かったと思います。
中学校の部は人数の多少にかかわらず、レヴェルの高い合唱団ばかりでした。どの合唱団も充分に練習して本番にのぞまれたことがうかがえます。
高等学校の部は、少人数でもスケールの大きな演奏が出来ること、そして、大人数でもきめ細かな・緻密な表現ができることに感心しました。どの学校もそれぞれの個性がとても輝いていました。
上田哲さん(指揮者・声楽家)
皆さん素晴らしい演奏をありがとうございました。
様々な選曲、工夫、個性を楽しませていただきました。
マスクに関しては昨年よりだいぶ改善されていて言葉がはっきり聞こえました。その分全ての言葉が聞こえすぎるで言葉によっての濃淡がもっとあっても良いのかと思います。来年への課題ですね。
課題曲と自由曲の歌い分け(特に発声)は苦労されたと思いますが、とても良く工夫されていたと思います。
音楽はやっぱりいいなと思わせてくださってありがとうございました。
また来年みなさんの演奏を聴けることを楽しみにしています。
富田とき子さん(声楽家)
未だ2年半にも及ぶコロナ禍において 不自由な練習、そしてマスク着用等々窮屈なステージでの演奏を強いられる中 道北大会では小中高共にレヴェルの高い演奏を披露してくれました。小学生たちのリズムにのった楽しい演奏、ハツラツとした声とハーモニーを聞かせてくれた中学生。素晴らしいハーモニーと共に大人の音楽をも聞かせてくれた高校生。十分に会場を楽しませてくれました。難しいリズムへの挑戦、言葉の多さの克服、そして美しいハーモニー、心動かされる音楽を是非聞いていただきたいと思います。
中村隆夫さん(指揮者)
【小学校の部】
参加した2校とも、よく通る声で伸び伸びと歌っていたのが印象的でした。
音楽的な完成度が高く、歌う喜びが十分に伝わってきました。
【中学校の部】
どの学校も、日ごろの成果を十二分に発揮した素晴らしい演奏ばかりでした。
出場した学校すべてが受賞したのもその表れだと思います。
【高等学校の部】
派手さはないが基本を大切にした演奏、豊かな声量で聴く人を圧倒する演奏など、
参加4校それぞれが、他校とは違う特色を発揮する多彩な展開となりました。
それぞれの演奏を楽しませていただきました。
堀井友徳さん(作曲家)
今回のNコン2022道北地区大会は全体的にレベルが高く、審査も僅差が多かったほどでした。
「小学校の部」は課題曲の難易度の高さが事前の話題になりましたが、変拍子やハンドクラップのリズムなど、どの学校の見事に歌い上げていたのには感心しました。
「中学校の部」も課題曲はポップスならではのリズムの難しさがありましたが、現代っ子の中学生の皆さんは難なくこなしていたように思われます。自由曲も各々の合唱団の特質にあった選曲だったと思います。
「高等学校の部」はややクールで大人びた課題曲をしっかりした発声でホールをよく響かせていただのが印象的でした。ただ「ホールによって響きがまるで変わる」ことも合唱の難しさであることだと、審査の席上で問題として交わされていました。
上位入賞した学校の方々は現状に満足することなく、さらに全国レベルでの完全度を目指して、よりスケールアップした演奏をされることを期待してやみません。
放送は、ラジオNHK-FMで9月4日(日)午前9時から。ぜひお聴きください。
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当日の模様はこちらから。