NHK札幌放送局

私は“キョクチョウ”です

衆院北海道2区補選

2021年4月23日(金)午前11時30分 更新

私、藤井は“キョクチョウ”です。ただし、そんなに“えらい”わけではありません。 私は選挙事務局長。NHK札幌放送局でさまざまな選挙の準備にあたる記者です。(※ふだんは道庁で取材活動をしています) 今回の衆議院北海道2区補欠選挙。“局長”として初めての国政選挙で緊張の日々を送っています。そんな私がNHKの選挙報道の舞台裏をご紹介します。 

“局長”の仕事です

“局長”の役割は、ひとことでいえば、「正確・的確な選挙報道をさまざまな面で支える」ことです。
私たちは日々、テレビやラジオ、それにインターネットでさまざまなニュースを出し続けています。(※これまでのニュースは衆院補選タイムラインをご覧ください)
この報道のためには、まずは候補者の情報を“広く”“深く”“正確に”集めて整理しなければなりません。各候補者の担当記者には日々の動きをウオッチしてもらい、集めた情報をとりまとめて報道につなげています。

その山場は13日の告示日でした。
道選挙管理委員会に立候補届け出の状況を確認し、テレビのニュースで使うため、顔写真が届け出順に並んだ画面を準備しました。候補者の名前や年齢、政党の公認・推薦など間違いがあってはいけません。確認に確認を重ね、昼のニュースを無事に放送し終えたときは安どしたのを覚えています。また、告示日の夜には、取材情報を整理して選挙戦を展望する記者解説をお伝えしました。

一方、25日の投票日に向けての準備も大変です。
出口調査については、後輩の浅井記者が準備を進めていますが、(※詳細は浅井記者のコラム「『出口調査』を知ってますか?」をご覧ください)出口調査以外はすべて私が準備を取りしきっています。ただし、上司のデスクの厳しい監督のもとですが…。
選挙管理委員会には、開票状況をどのように取材できるか、同僚の記者とともに検討を重ねました。こうした積み重ねが投票日夜、「当選確実」の速報につながります。「当選確実」を的確に打ち出すためさまざまな準備を進めること、私のいまの最大のミッションです。また、その夜に総合テレビで放送する「開票速報」にも関わっています。具体的な放送内容や演出については番組制作のベテランたちが検討・準備を進めていますが、私は日々刻々と変わる情報をとりまとめて、正確・的確な「開票速報」を支えています。

私が“局長”を務めるのは初めてです。
秋までに行われる衆議院選挙に向け、勉強を重ねて少しずつ準備を進めるつもりでしたが、突然の選挙。しかも補欠選挙とはいえ国政選挙です。私の甘い“計画”は崩れ去りました。

現場に出ての取材と違って、“局長”は選挙報道のいわば裏方の仕事。細かい数字の確認も多く綿密さが問われる一方、さまざまなセクションとの調整能力も問われています。
まだまだ慣れない仕事ですが、貴重な1票を投じる有権者の方々に納得してもらえる選挙報道に少しでも貢献したいと思っています。

先輩に聞きました

NHKは選挙報道に力を入れています。
このため、若手から中堅まで、全国各地の放送局に私のような選挙事務局長がいます。その経験者は道内でも少なくありません。
そこで、記者の先輩に“局長”の心構えを聞いてみました。
現在は、函館放送局で道南地方のニュース発信を取りしきるTデスクはかつて、大阪放送局で選挙事務局長を務めました。
ときは2008年、Tデスクは橋下徹氏が初当選した大阪府知事選挙の準備にあたりました。その情勢把握はかなり大変だったそうです。政党や各種団体といった、いわゆる“選挙のプロ(事情通)”への取材だけではなかなか実態がつかめず、さらに大阪は府内各地で“地域色”も異なります。そこで、若手からベテランまで記者を動員し、有権者に直接話を聞く取材を徹底したそうです。まさに足で稼ぐ取材です。
一方、自治体数も多いことから、投票日夜に行う開票状況の取材準備はかなり大変だったそうです。各自治体に直接、問い合わせなければならず、とくに時間と手間がかかったそうです。また、各自治体で発表される開票状況をとりまとめて放送につなげなければなりません。その準備、とくに開票作業が行われる「開票所」に派遣するスタッフや、集めたデータをシステムに入力するスタッフに業務内容を1つ1つ丁寧に説明するのが大変だったそうです。
当時、私はまだ中学生。政治や選挙にそれほど関心があったわけではありませんが、テレビ番組に数多く出演していた橋下氏の選挙だけに、私の記憶にも残っています。そんな選挙の舞台裏でこのような綿密な準備があったことに感銘を受けました。

規模は違えど、北海道も自治体数の多さは共通しています。
今回の補欠選挙では、開票作業が行われる「開票所」は札幌市北区と東区の2か所しかありませんが、きたる衆議院選挙は188か所(※札幌市は10区それぞれで開票作業が行われます)にもなります。
Tデスクは、「数が多いからといって、自治体への確認作業で手を抜くことはできない」と力説していました。
1つの“ほころび”が選挙報道を大きく揺るがすこともありえます。
Tデスクの教えを胸に、今回の補欠選挙、そして次の衆議院選挙の準備にあたりたいと思います。

選挙報道の華“トウカク”

さて、最後に「当選確実」について紹介したいと思います。この「当選確実」。よく耳にされると思いますが、わたしたちはこうやって判断しています。

「当選確実」は、選挙管理委員会の発表とは別に、NHKが独自に判断して放送するものです。その根拠にするのは、①事前の情勢取材、②投票日当日の出口調査、③開票状況の取材です。こうした取材や調査の結果を総合的に分析して、「当選確実」を判断しています。
このため、選挙管理委員会の公式発表がない段階や開票作業が始まったばかりの開票率が低い段階でも、優勢と見極めがつく場合には「当選確実」と判断します。
また、開票作業が始まる前であっても、分析の結果、大差をつけて当選することが確実だと判断できれば「当選確実」と判断します。
わたしたちは、少しでも疑義があれば「当選確実」とは判断しません。「当選確実」は、その候補者が当選すると100%の確信を持てた段階で判断しています。
“局長”として、私の仕事が結実する瞬間です。

いよいよ25日は投票日です。
わたしたちは今回も、正確性を最も大切にしながら、「当選確実」を判断します。
ぜひ、「開票速報」をご覧ください。

選挙の準備にあたる記者たち

(報告 NHK札幌 藤井凱大)  

2021年4月23日

チョイス北海道 衆院北海道2区補欠選挙 トップへ


関連情報

衆院北海道2区補欠選挙 NHKアンケート 各候補者の訴えは

衆院北海道2区補選

2021年4月18日(日)午前11時31分 更新

衆院北海道2区補欠選挙 期日前投票 前回衆院選の半数程度

衆院北海道2区補選

2021年4月24日(土)午後4時00分 更新

衆院北海道2区補欠選挙 ひとくちメモ4「選挙費用」

衆院北海道2区補選

2021年4月19日(月)午前10時20分 更新

上に戻る