NHK札幌放送局

シラベルカ#7 『バター品薄のなぜ?』

シラベルカ

2020年5月25日(月)午後6時32分 更新

みなさんの疑問を調べるシラベルカ! 第7回は、「バター品薄のなぜ」がテーマです。

牛乳チャレンジの記事に反響

4月28日のほっとニュース北海道で、「新型コロナウイルスの影響で生乳が余るおそれがあるので、道が中心になってたくさん牛乳を飲みましょうと呼びかけている」とお伝えしました。そのweb記事を「コロナが招いた酪農の危機」と題して公開、つぶやいたところ・・・

  • 「バターがない」
  • 「売ってなくて困っています」
  • 「なぜバター作りに回せないか説明してほしい」

といった声がありました。

そこで、販売の現場では、そして乳業メーカーでは、バターを巡っていま何が起きているのか。札幌放送局の経済担当、小林紀博記者が調べました。

札幌市内のスーパーでは

バターは売り場にないのでしょうか。札幌市のスーパーを訪ねました。
店長の案内で売り場を見てみると、バターは並んではいて、まったくないというわけではありません。
それでもたしかに棚には空きが目立ちます。使いやすいように切れた状態の製品など、一部には入荷できない商品も出ているということです。

コープさっぽろ・しんことに店の大塚高弘店長によると…

「普通の商品に関してはしっかり埋まっている状態なんですが、どうしても生産されていなくて入ってこない商品もありますので、ある商品で売り場がなるべく空かないように埋めるようにはしています」

寄せられた声の通り、「バターがない」という現象が、実際に起きているということがわかりました。

牛乳は余っているのに?なぜバターが…

なぜ、生乳は余っているはずなのにバターが品薄になっているのか。生産者団体や乳業メーカーに取材したところ、あることが分かりました。

実は品薄になっているのは、バターはバターでも『家庭用』バターだということです。バターには「家庭用」と「業務用」の2種類あって、このうち家庭用の需要が急に増えたからです。業務用を含めたバター全体は、むしろふだんよりたくさん作っていて、供給は増えています。
生産者団体のホクレンが乳業メーカーに販売した生乳の量は、バター向けは3月には前年同月比で15%アップ、4月はもっと増える見込みです。

新型コロナウイルスで牛乳の消費が落ちている分、保存が利くバターや脱脂粉乳に回っていることが大きな要因です。

ふだんは需要が少ない家庭用バター

でも、ふだんは家庭用よりも業務用のほうが圧倒的に需要が多く、家庭用の3〜4倍もあります。
メーカーは、ふだん需要が少ない家庭用バターは、そんなにたくさん作れない。そうした中で、先月になって家庭用の需要が急に伸びました。先月の全国のスーパーの販売量は去年より30〜40%ほども増加していました。

その理由について、取材した大塚店長は

「家庭でお菓子を作る方が増えている印象で、顕著だったのは大型連休の前ぐらいから。よくおうちでお料理される方が増えているのかバターを買われる方がすごく多くなった」

つまり、メーカーの生産能力が限られている家庭用バターが、巣ごもり需要で急に伸び、供給が追いつかなくなったというのが実態だと分かりました。

生乳余りの状況に変わりはない

ややこしいのは、これはあくまで限られた品目での需要と供給のミスマッチだという点です。牛乳や乳製品の需要は全体としては新型コロナウイルスの影響で減って、生乳が余ってしまっている状況は変わりはありません
このため、ホクレンは「バター以外の牛乳やヨーグルト、チーズのような乳製品は、たくさん消費してほしい」と引き続き訴えています。
牛乳や乳製品の需要と供給の関係は、とても難しい。取材を通じてそのことを痛感しました。

小林紀博
入局8年目 東京都出身
札幌局→室蘭局→札幌局と道民生活8年目
経済担当
好物:「ご飯にバターと明太子」


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