NHK札幌放送局

FMシアター「クジラの歌を聴かせてあげる」制作・放送のお知らせ

デジタル戦略チーム

2023年2月22日(水)午後5時13分 更新

NHK札幌放送局では、3月4日(土)に、山﨑夢羽さん(BEYOOOOONDS)、瀧内公美さんを迎えたオーディオドラマ FMシアター「クジラの歌を聴かせてあげる」を放送いたします。

FMシアター「クジラの歌を聴かせてあげる」
放送予定:2023年3月4日(土)22:00~22:50 <NHK-FM 全国放送>
■制作者記事もあわせてお読みください
死んだクジラの声を聞く ~FMシアター「クジラの歌を聴かせてあげる」モデルとなった研究室の現場から~

【脚本】
桜田ゆう菜(北海道出身)
【出演者】
山﨑 夢羽(BEYOOOOONDS)、瀧内 公美、
立川 佳吾、嶋瀬 晴、磯貝 圭子、山野 久治、下田 悠惺

【制作】
(札幌放送局制作)
制作統括:堀口 航平 技術:鷲津 寛厚・横山 達夫 音響効果:三村 俊之 演出:堀越 未生
(ストランディング調査指導)
松田 純佳、黒田 実加

【ドラマのあらすじ】※北海道にある実在の研究室をモデルにした物語です。
幼い頃から「いつか、クジラと会話したい!」そんな思いを旨に、全国的にもクジラ研究がさかんな函館海洋大学に入学した、主人公の結城春香(20)。先輩でポスドクの目黒佐智(34)に、研究のイロハを教わりながら、その面白さにのめり込んでいく。浜辺に打ち上がって死んだクジラを解剖する「ストランディング調査」は、その体を切り裂き、強烈な臭いを浴びながら体内に入っていく過酷な調査。それでも「自分の研究は、いずれ未来の役に立つ」と、将来に渡って研究を仕事にしていく決意をする。
しかし現実は上手くいかない。家庭の事情により、母からは、大学院には進まず、堅実な道を歩むよう諭されてしまう。着実に成果を上げる先輩の目黒が、いつしか妬ましく思えるように。
一方、順調そうに見える目黒も、実は不安定な「ポスドク」=「期限付きの研究者」という立場。大学や教授の意向に左右される中、純粋に研究を楽しむ春香が羨ましく思えてくる。
そんな折、「破裂寸前の大きなクジラが打ち上がった!」という一本の電話が。春香と目黒の運命を変える調査が、いま始まった―。
精神的にも肉体的にも、経済面でも厳しい、知られざるマイナー研究者の現実。しかし夢を自ら切り開いていく姿を描くことで、日常に疲れた人の心に、ひとかけらの勇気を灯す、そんなヒューマン・ドラマです。


【出演者について】

結城 春香 役:山﨑 夢羽(BEYOOOOONDS)

<プロフィール>
2019年 ハロー!プロジェクト「BEYOOOOONDS」のメンバーとしてデビュー。同年、日本レコード大賞最優秀新人賞を獲得。
アイドルの枠にとどまらず、舞台公演にも数多く出演。TVドラマ「八月は夜のバッティングセンターで」に出演。今回はオーディオドラマに初出演となる。

<出演にあたって>
私が演じる結城は、クジラがとにかく大好きな女性です。この脚本を読んだ時に、クジラにここまで熱中できるのは素敵だなと思いました。私も歌など、好きなことに熱中してしまうところは似ています。好きなことを話すとき、早口になってしまうんですよね。そういうところも今回意識しながら、演じました。

<オーディオドラマ初出演について>
はじめてオーディオドラマに出演させていただきましたが、難しいです。声だけで表現しなくてはいけないので、演技が大げさすぎても、聞いている方に違和感を与えてしまいますし、自然にしすぎても、マイクを通すと平坦な印象になってしまうんです。もう1つ大変だったのは、台本のページをめくる音がノイズとして出てしまうことでした。今回共演した瀧内さん(目黒役)には、収録中に、そのノイズが出ないようにする、特別な本のめくり方を教えてもらい、頼もしい先輩だなと思いました。おかげで、苦戦しながらも、楽しく収録することができました。そして、クジラ研究の専門用語も多く出てくるのですが、皆さんに伝わるよう、言葉一つ一つを大切にしながら、セリフに想いを乗せました


目黒 佐智 役:瀧内 公美

<プロフィール>
2012 年、本格的に女優としての活動を開始。2017 年、「彼女の人生は間違いじゃない」で第 27 回日本映画プロフェッショナル大賞新人女優賞受賞。2019年「火口のふたり」で第93回キネマ旬報主演女優賞受賞。2022年、「由宇子の天秤」で第20回ラス・パルマス国際映画祭(スペイン)最優秀女優賞、第31回日本映画批評家大賞主演女優賞、第31回日本映画プロフェッショナル大賞主演女優賞などを受賞する。NHK「岸辺露伴は動かない」「ゾンビが来たから人生見つめ直した件」、現在も「リバーサルオーケストラ」などTVドラマでも活躍している。

<出演にあたって>
ストランディング(クジラなどの海洋生物が、浅瀬で座礁したり、海岸に打ち上げられる現象)だったり、ポスドクという仕事があることをまず知らなかったので、資料を見たりして勉強しました。ポスドクという仕事は、不安定な職業ではあるけど、後世や未来のために研究を続ける。けど、それは自分を犠牲にしているわけではないとも感じたんです。研究をし続けることが、私はすごいと思っていて。研究し続けている方がいるからこそ、自分たちも生きているかもしれないし、未来があるかもしれないですよね。
そういう人や、研究していることが、日々のトップニュースで出ることは限りなく少ないと思いますので、そうやって頑張っている方の想いを、ちゃんとこのドラマを通して届けたいなと思いました。

<今回の作品について>
北海道ならではの作品でもあり、北海道で収録できたことがとても嬉しいです。今回の内容は専門的な分野でもありますので、このドラマにもクジラ研究の専門家の方が入ってくださっています。裏方で支えてくれる方がいなければ、この作品も出来上がっていないと思いますので、ポスドクはじめ、そういう方々の存在を今回はアピールして、伝えていきたいです。

【脚本について】
作:桜田ゆう菜(北海道出身)

<プロフィール>
2021年、オリジナル作品「礼文バージンロード」で「第16回 北のシナリオ大賞」受賞
2022年、NHK札幌で制作・放送した上記作品でデビュー(出演・宇梶剛士、伊藤万理華)
→NHK「オーディオドラマ奨励賞」で入選。2022年の全国若手ディレクター演出作の中で最優秀作品に輝く。
※今回は桜田さんと、同じディレクターの2作目のタッグです。

<執筆にあたって>
知りたい、謎を解きたい、解明せずにはいられない。興味を持った対象に情熱を傾け、研究に明け暮れる研究者達。このドラマは、鯨類の生態を調査・研究する人達をモデルに書かせていただきました。
実は研究者になるには5年間も大学院にいき、修了後もポスドクという不安定な雇用問題が立ちはだかっていて、多くの人が険しい道を歩いています。熱意はあるのに、心に叶った道になかなか進めない。そんな葛藤を抱えつつも、自分の手で道を切り開いていこうとする、研究者達の熱意、逞しさを感じ取っていただけたら幸いです。


【演出について】
演出:堀越未生(NHK札幌放送局 ディレクター)
<コメント>
キューッ、キューッと、深い海の中から聴こえてくる、クジラの“歌”。
その神秘的で美しい響きに導かれ、研究者を目指した主人公が、気づいたら、強烈な臭いの中、バリバリバリッと音を立てながら、死んだクジラの皮を剥ぐことになる……。題材的にも音像的にも、いままでにないオーディオドラマです。
調査の様子をリアルに再現するために、モデルとなった北海道大学の研究者の松田純佳さんと黒田実加さんに、実際の解剖の現場を見せていただきました。取材中、思わず目も鼻もそむけたくなってしまうような、ハードでストイックな解剖調査。それにもかかわらず、真剣な表情で取り組む皆さんの中に、どこかワクワクした雰囲気が満ちていたことが印象に残っています。
すぐに何かが判明して人類の役に立つ、わけではないクジラの研究。松田さん、黒田さんから “「好き」だから「知りたい」だけなんだ”というピュアでまっすぐな気持ちをたくさん受け取って、山﨑さん、瀧内さんにイメージぴったりに演じていただきました。
あっちに興味が!で、これは最近なかなか……なんて言い訳しながら、ついふらふら妥協してしまう私自身も、背筋がピンと伸びて、やる気が湧いてくるような、そんな作品になりました。ぜひみなさんも、自分の大好きなものを思い浮かべながら、聴いていただければ嬉しいです。

FMシアター「クジラの歌を聴かせてあげる」
放送予定:2023年3月4日(土)22:00~22:50 <NHK-FM 全国放送>
■制作者記事もあわせてお読みください
死んだクジラの声を聞く ~FMシアター「クジラの歌を聴かせてあげる」モデルとなった研究室の現場から~


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