NHK札幌放送局

山とスキーと粉雪と web 0755DDチャンネル

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2021年6月26日(土)午前8時00分 更新

リフトもコースもない手付かずの雪山をスキーで滑走する、それが「バックカントリースキー」です。何時間もかけて自らの足で雪山を登り、滑る —。 そこにはどんな魅力があるのか。一流のアルパインスキーヤーの山行に同行して、その魅力を紹介します。  
初回放送:2021年6月26日


エキスパートが惚れ込むJAPOW

私たちが取材したのは、世界を舞台に活躍するアルパインスキーヤーの狩野恭一さん。山岳ガイドとしても活動、冬の間には、100日間も雪山に入っているそうです。

その狩野さんが、「最高のフィールドのひとつ」として選んだのが、十勝岳周辺。厳しい寒さの中、降るパウダースノーは、JAPOW=Japan Powder Snowとして、最高の雪質として知られています。


登りを楽しむ!

「シール」と呼ばれる滑り止めをスキーの滑走面に貼り、ブーツの踵があがる仕組みの板を使うことで、スキーを履いたまま斜面を登ることができます。板のおかげで、深い雪でも埋まらないし、急な斜面でもへっちゃらです。

Q狩野さん、登りは辛くないですか?

「いえいえ、川のせせらぎや野鳥の声に耳を研ぎすませ、動物の足跡に思いを馳せます。雪に覆われた木の枝には、まだ固いつぼみが見え隠れしています。黙々と登るのではなく、大自然の恩恵を五感で楽しんでいます」

数時間かけて登っても、スキーで滑る時間はほんのわずか。“渾身の一本”を滑るためにコースや雪質をイメージしながら、標高をあげていきました。

胸パウ&雪風呂!?

目標地点にたどり着いたところで、いよいよ滑走開始です。取材した時は、数日前から降り積もったパウダースノーのおかげで、フカフカ状態です。絶好のパウダー日和!
バックカントリースキー愛好家の間では、パウダーを滑る時、胸まで雪に埋もれる状態を「胸パウ」、舞い上がった雪で身体がほとんど見えない状態を「雪風呂」と言うそうです。ファインダーごしの狩野さんは首の上まで「雪風呂」を浴びていました!

「まるで雲の中を滑っているような感覚です」

狩野さんは、パウダースノー特有の浮遊感を味わっていました。

もっと「浮遊感」!

今回の取材で、エキスパートならではの“極上の技”を撮影できました。それは「内足ターン」です。ゲレンデスキーでは、外足(谷側の足)に重心をおく「外足ターン」が一般的ですが、“極上の技”「内足ターン」はこちら。

向かって右側の「外足」は浮き上がっていますよね?重心は「内足」(左側の足)にかかっています。体をできる限り山側に倒し込む滑り方です。
パウダースノーの浮力を最大限に感じ、粉雪を浴びるように進む、上級者向けの滑り方なのだそうです。

技術と経験が問われる世界

バックカントリースキーは自然と向き合うアクティビティです。大自然を体感できますが、常に危険と隣り合わせです。楽しむためには、冬山登山の知識と装備が不可欠です。

取材を通して、凍傷対策や雪崩予知など事故を防ぐための対策、万が一事故に合ってしまった時の対処法などを学びました。
狩野さんと行動を共にしたことで、今まで気づかなかった大自然の怖さやバックカントリースキーの新たな魅力を発見することができた数日間でした。

撮影・文:三田 裕明 札幌放送局技術部カメラマン
バックカントリースキー歴4年(駆け出しです)

2021年6月26日

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