
番組づくりを総合的にサポート
■入局何年目ですか?
角尾:2019年入局で、2年目です。札幌放送局が初任地です。
■「編成管理」とはどんなお仕事ですか?
角尾:番組ごとの予算を管理したり、取材に必要なものを揃えたり。番組制作を支えるのが仕事です。
■番組ができるまで、どのようにサポートしていくのですか?
角尾:編成管理の職員には、それぞれ担当番組が割り振られています。担当番組の次回作がどんな構成になりそうか、まずはディレクターが書いた提案資料に目を通します。その上で、取材や収録で何が必要か、制作チームと一緒に洗い出し、必要なものがあれば私が手配します。私にできることは私が担い、皆さんには番組制作に集中してもらえる環境を整えたいと思っています。
また、番組予算全体の運用を決めるのも私の仕事です。個別の番組予算を番組プロデューサーと相談しながら決め、予算内で適切に運用されているかどうかも日々チェックしています。
■制作チームとの密な連携が求められますね。
角尾:ディレクターがどんな番組を作りたいのか、常に情報を仕入れておく必要があります。私は些細なことでも、ディレクターと直接話すよう心掛けています。こちらが積極的に話しかけることで、皆が気軽に相談してくれるようになったらいいなと……。気軽に相談してもらえる関係を築けると、私がサポートできる幅も広がると思うので。
■最近角尾さんが調達した中で、何か変わった物はありましたか?
角尾:最近では、メガネ型のカメラですかね。見た目は普通のメガネなのですが、カメラが内蔵されていて、掛けている人の目線の映像を撮ることができます。6月12日(金)に放送した「北海道道」で、新型コロナ治療に対応している北海道医療センターの実情を特集しましたが、医師に眼鏡をかけて頂き、医師目線の映像を交えて放送しました。取材スタッフの感染リスク管理という観点でもありましたが、医師目線での映像を視聴者の方々にご覧いただくことで、よりリアルな状況をお伝えできたのではないかと思います。
「ゆく年くる年」の中継で富良野へ
■道内でつくられる全番組のサポートをされているとのことですが、編成管理の職員何人で対応されているのですか?
角尾:管理職1人、若手職員3人の計4人で全番組のほか、放送部全体を担当しています。私が昨年この部署に配属された時、15年ぶりの新人だったそうです(笑)もともとベテランの先輩しかいなかったので、編成管理の新人はどういうものなのか周りにあまり相談出来ず、どのような立ち振る舞いをしたら良いのか最初は分かりませんでした。入局からおよそ1年が経ち、徐々に慣れてきた気がします。
■編成管理として、制作現場にいくこともあるのですか?
角尾:自然災害が発生した場合、またオリンピックをはじめとした大型イベントなどは、中継先で働くスタッフの宿の確保など、現場に同行してサポートすることもあります。
■最近はどんな番組で現場にいきましたか?
角尾:昨年末に「ゆく年くる年」の中継で富良野にいきました。普段やり取りしている制作チームの活躍を現場で見られたり、直にお手伝いできるのは貴重な経験でした。皆さんには良い番組を届けることに専念してもらいたいと思っていたので、無事放送を終えられた時、一緒に達成感を感じている自分がいました。今までで最も印象に残っている仕事です。
「地域職員制度」があったから
■そもそも、角尾さんはなぜNHKに入局しようと思ったのですか?
角尾:実はかつて看護学校に通っていたのですが、自分のやりたいことと違うと感じ、1年で辞めてしまいました。その後、経理や簿記を学ぶ専門学校に入り直しました。同学年の子たちよりも就職活動が1年遅れている状況に焦りつつも、自分が将来やりたい仕事は何だろう?と考える日々でした。色々な会社を見る中でNHKの募集を見つけ、「放送事業のマネジメント」という職種があることを知りました。やりたいことを1つに絞ることができなかった私にとっては、まさに求めていた仕事だ!と思いましたね。
■もしかしたら看護師になっていたかもしれないのですね!
角尾:看護師が患者さんをサポートするように、編成管理は制作現場をサポートする……もしかしたら通ずるものがあるかもしれません(笑)あと、NHKに決めたのは「地域職員」制度があったからというのも理由の1つです。
■「地域職員」制度?どんな制度ですか?
角尾:主な勤務地となる道府県を特定した採用制度です。私も地域職員として採用されているので、主な勤務地は今後も北海道です。住み慣れた街で、土地勘を活かしながら、自分の地域のために働けるというメリットがあります。
■なぜ地域職員での入局を希望したんですか?
角尾:東京や大阪など、他ブロックの放送局に行けば仕事の幅も広がるかなと、正直迷った時もありました。でも自分と向き合い考えるうちに、地元のために働きたいし地元をもっと好きになりたいと思えたので、地域職員を選びました。
NHK北海道は、札幌局を含む7つの放送局で構成されています。私は今後この7局を中心に異動するので、札幌局勤務で得た知識や人脈を活かして道内各局に貢献するとともに、北海道の地域の皆さんのために働きたいと思っています。そして、道内各地の魅力を知り、私自身さらに北海道を好きになりたいです。札幌に長年住んでいると、北海道出身なのに札幌以外の魅力を全然知らず、恥ずかしいなと……。
■今後、どんなお仕事をしていきたいですか?
角尾:今は編成管理として、制作現場を支える経理&総務のような役割を担っています。よく言えばマルチスキルが求められるとも言えますが、経理について経理の人より知らないし、総務についても総務の人より知らない。制作現場のことも現場の人より知らないという、悪く言えば中途半端だとも思っています。それは勿体ないですし悔しいので、自分に足りない知識やスキルを得ていきたいと思っています。もっと経理や総務のことを勉強したいし、現場の人の仕事についても知りたい、その上でいつかもう一度この編成管理の仕事に取り組んでみたいと思っています。
【角尾 和紗 プロフィール】
■局歴:2019年入局
札幌拠点放送局 放送部
■出身:北海道伊達市生まれ、札幌市育ち
■趣味:テレビゲーム(休日は1日中ゲームに熱中してしまうことも…)
■学生時代頑張ったこと:生徒会執行部の活動
