NHK札幌放送局

サロマ湖で氷下漁 豊かな自然とおいしい恵みを体感

道北チャンネル

2023年3月7日(火)午前11時51分 更新

流氷が到来したオホーツク海沿岸では漁船の操業が行われず、スーパーに並ぶ鮮魚が寂しくなる季節を迎えていますが、サロマ湖では凍った湖面の下から特産のカキを引き上げる「氷下漁」が盛んに行われています。取材に伺ってみると、一面が真っ白に凍った湖の雄大さと、その湖が育むカキのおいしさに驚かされました。

サロマ湖は日本最大の汽水湖で、流氷が訪れる毎年2月ごろには150平方キロメートル余りの湖面が真っ白に凍りつきます。そのサロマ湖で行われている氷下漁は広大な湖面を移動するため、漁業者たちがスノーモービルを使って行っています。
取材当日は天候が良く気温も高めだったので、氷の上に積もった雪がとけて足場に不安を感じましたが、漁業者がチェーンソーで穴を開けていくと、湖面に張った氷は30センチもの厚さがありました。漁はこの穴から養殖用のロープについたカキを引き上げていきます。1本のロープには15キロほどのカキがびっしりと付いていて、1回の漁でおよそ100キロを水揚げするということです。

漁の合間に穴から湖の中をのぞかせてもらうと、数メートル下に沈んだカキがはっきり見えるほど水が澄んでいました。その光景に感動していると、近くを泳ぐクリオネの姿も見ることができ、サロマ湖の自然の豊かさを実感しました。

氷下漁を行っている湧別町の菊地吾規嗣さん
「寒い場所の仕事だからつらいですが、オジロワシやオオワシを見かけることもありますし、景色も好きなので楽しんで仕事をしています」

漁を終えて加工場に戻ると、漁業者はカキを洗って大きさごとに仕分ける作業に取りかかります。仕分けたカキは専用の水槽で24時間ほど滅菌してから出荷しています。作業中の菊地さんにどんな食べ方がおいしいか聞いてみたところ、「やっぱり生が1番ですよ!」と1つむいてくれました。
私は生ガキ特有の磯臭さが苦手で正直気が進まなかったのですが、一口食べてみると、すっきりとした味わいに驚きました。菊地さんによると、カキは通常2、3年で水揚げすることが多いですが、海と川の水が交わって栄養が豊富なサロマ湖では生育がよく1年で水揚げするため、雑味が少なくうまみが濃縮されたカキが出来るということです。

ふだん何気なく通り過ぎていたサロマ湖でしたが、今では近所を通るたびにカキを買いに立ち寄るほどファンになってしまいました。取材を通して知った自然の豊かさとおいしい恵みをより多くの人に伝えていきたいと改めて感じることができました。

紋別支局 吉田雅士記者

詳しくはこちら👇
“流氷の栄養分たっぷり” サロマ湖で特産カキの氷下漁

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