1月26日の北海道まるごとラジオのテーマは「結果が変わる メンタルの向き合い方」でお送りしました。ゲストは元北海道コンサドーレ札幌でキャプテンも務めた石川直樹さん。引退後、選手時代の経験をもとに、スポーツ選手のメンタルに関する勉強を海外などで積んでいます。今では全国の企業からオファーがあり、働く人のメンタルについても講演活動を精力的に行っています。そんな石川さんにメンタルの大切さについて語っていただきました。

▼サッカー選手のメンタリティはビジネスに通じる!
実はサッカー選手の考え方はビジネスと親和性が高いそうなんです。例えば、サッカーは監督がいますが、試合中は選手たちが自分で考えてプレーしていることが多いそうです。そのメンタリティは、ビジネスにおいてトップダウンではなく、指示を待たなくてもボトムアップで動けるようになるヒントが詰まっているとのこと。
また精神的な疲れを感じにくくするコツも教えてもらいました。石川さんは選手時代、やり切れたと思った練習は、充実感があるのであまり精神的な疲れを感じなかったといいます。一方で、練習をやり切ることができなかったり、やらなければならないことが残っていたりするとメンタル面で疲労感があったそうです。人は仕事をした量ではなく、残っている仕事の量をみて精神的に疲れるものだそうです。
ではどうすればいいのか。
石川さんは、頭だけで整理しようとするからごちゃごちゃするので、To Doリストをしっかり作って、次にやるべきことなど優先順位を常に明確にしたほうがいいと教えてくれました。それが習慣づくとメンタルの疲れが出にくくなるということです!さらに、自分の感情について、なぜそう思うのかシーンごとに考えるクセをつけて、自己理解を進めることを石川さんは自ら実践しています。そうすることで、自分の考えが整理され、やるべきことも明確になり、仕事とプライベートにメリハリが生まれるそうです。1つ1つのことにちゃんと向き合えるから、パフォーマンスが上がることにもつながると話していました。

▼選手時代、身をもって経験したメンタルの大切さ
石川さんがなぜ引退後、メンタルの勉強を海外などで積んで、後進の育成やサラリーマンなどにその大切さを伝えているのか。それには選手時代に経験したことが大きく影響しています。
2019年、Jリーグカップでコンサドーレが決勝進出し、初のタイトルがかかった決勝戦。川崎フロンターレと大会史上屈指の激闘となりました。延長でも3-3で決着がつかずPK戦へ。石川さんはこの時、5人目のキッカーを担当。しかし蹴ったボールはキーパーに止められ、チームは敗れてしまいました。
この時の気持ちについて石川さんは「仲間やサポーターに本当に申し訳なかった。顔を上げられなかった。夢だったらいいのにと何度も思った」と話していました。初のタイトル獲得を逃し、優勝賞金などを含め大きな損失を出してしまったと悔みに悔やんだそうです。
ではその経験をどう乗り越えたのか。
支えになった1つは試合終了直後、応援してくれたサポーターの言葉でした。「決勝まで連れてきてくれて、ありがとう」。石川さんはそれまで自分は夢や希望を与えている側だと思っていたそうですが、初めて、サポーターに支えてもらっている側だったのだと強く実感したといいます。
2つ目がメンタルトレーナーとのセッションでした。落ち込んでいる石川さんを見て、サポーターや仲間はどう思うだろうか、客観視したそうです。自分が落ち込んでいたら周りの人は励ますしかないだろうな、笑顔でまた頑張っている姿を見たいだろうな、と考えを整理しました。落ち込んだ気持ちは表に出さず、まず行動を明るく切り替えたそうです。その行動を続ける中で、自分の落ち込んだ気持ちを引っ張っていったと話していました。
もっともっと石川さんの今後の活動やなどについてお話を伺うつもりでしたが…今回は放送時間が17分になってしまいました。
また新年度に改めてスタジオにお越しいただいて、じっくりお話を伺います!次回、ご期待ください!
※2月2日(木)午後7時まで聞き逃し配信中です
聴き逃し | NHKラジオ らじる★らじる