NHK札幌放送局

#知床と清里にほれこむ件

番組スタッフ

2020年10月27日(火)午前10時42分 更新

知床を中心にネイチャーガイドとして活動する2組のローカルフレンズから「今だからこそ道内の人に来てほしい!」と熱烈なお誘いを受けて、知床とお隣の清里へ。そこで出会ったのは、圧倒的な大自然の中で、心豊かに生きる人たちでした。

知床の森をピエ散歩

最初のフレンズは、見た目は大人、心は少年のネイチャーガイド、ピエさんこと三浦隆浩さん。「ピエールっぽい」と周りから言われ、「ピエさん」と呼ばれるようになったそう。

ピエさん 小さい頃からとにかく外遊び好きなんですよ。釣りしたり虫とったり山駆け回ったり川駆け回ったり。大人になってもずっと外が好きで

ピエさんが用意してくれたのは、たった一日で知床を満喫できちゃう特別ツアー。

まずは、8月にはガイドなしでも回れる知床入門編の場所、知床五湖へ。するとさっそく・・・。

足跡、爪痕、フン・・・いたるところにヒグマの痕跡が!さすが、世界有数のヒグマ生息地です。
ミズバショウの根を食べた跡も発見。肉は積極的に食べず、植物や虫をたくさん食べるそう。ヒグマのちょっと意外な、かわいらしい側面も知りました。

さらに進むと、木に穴が。キツツキの仲間、アカゲラの巣穴です。

ピエさん  僕が感動するのは入り口の作り。下に向かってななめにカットしてある。あれ、中に雨が入らないように作ってる
せたちゅー ええ!?すごいな

面白いのは、動物だけじゃないんです。
のぞくと空が見える、中がぽっかり空いた木。枯れちゃってるのかと思ったら…なんと、樹皮だけで生きてるそう!すごい生命力。

国立公園で、人の手を加えることが制限されているから、命が満ちあふれたありのままの自然が見られるんですね。

ピエさん  倒れた木は放置する。放置した木には何年かたつとコケが生えてくる。コケが生えたところに種が落ちるとまた新しい芽が出てくる。それが「倒木更新」―倒れた木の上で新しい木が育つ、森のすごく大事なリサイクルなんだよね
せたちゅー 自然の循環ですね

実は家具職人だったこともあるピエさん、木のことを語り出すと止まりません…。

そして森を抜けた先には、ピエさんが見せたかった、絶景スポットが。

せたちゅー、ピエさんに教えてもらいながら散歩すると、「こういうところに目を向けると発見があるんだ!」と気がつかされました。

ピエさん 普段の生活ではなかなか足下の小さいものなんて気にして歩かず、次の目的地、次の目的地って行っちゃうけど、こういうところは立ち止まってこそいろんなことに気づけて楽しい

お昼までのたった3時間で、すてきな命の営みに出会えました。

海から見る知床に感動…

ピエさんのガイドツアー、午後は「海から知床を体験してほしい」とのこと。
陸路では行けない知床半島の先を目指して、クルーズの旅に出発!

岸にぎりぎりまで近づける小型観光船。目の前に断崖絶壁が迫ります。目をこらすと、小さな滝が。知床の自然は、この豊富な水が支えているんですね。

さらに進むと、イシイルカやオジロワシ、ケイマフリなどなど、たくさんの生き物たちが出迎えてくれ、せたちゅーも興奮。

そして・・・。

ヒグマの親子が姿を見せてくれました!手つかずの自然が残されているからこそ、出会えたんですね。
一日のツアーなのに、知床の森と海、ここまで奥深いなんて。

せたちゅー 今日来てみて分かったのは、来ないと分からない感じってやっぱりあるんだなっていうこと。言葉では十分説明できないし、写真だけでも多分伝え切れないし
ピエさん  道内の人って意外と北海道の観光地回らないじゃないですか。こういう時期に足元を見たらすごく感動すると思うんですよね、北海道やっぱりすごかったんだなと。だからぜひ来てもらいたい

夜のキーワードは“コネクトピープル”!?

夜、せたちゅーが向かったのは、一軒の居酒屋。
温かい雰囲気の木のカウンターの中にいたのは…ピエさん!昼間はガイドをし、夜は地元の食材を楽しめる飲食店を開いているそう。

「暇なのが嫌なんだよね」と笑うピエさん、いつ寝てるんですか…。

せたちゅーがいただいたのは、ピエさんが生地から作る、マルゲリータ。生地は斜里町産の小麦を使っているそう。

美味しい食べ物、そしてピエさんの面白い人柄にひかれ、観光客に加えて地元の人も夜な夜な集う、いこいの場になっている様子。

この日来ていたのは、漁師のりょうさん、近くのホテルで働く村上さん、そして旅人のユウタさん。

こうした出会いの中、今年、新たな取り組みが始まりました。
それは、海岸の清掃活動。村上さんたち観光業の人が提案し、漁師たちも加わりました。そして、みるみる海岸はきれいになったんです。

りょうさん 何年ぶり、何十年ぶりにいいことしたなと
村上さん  ここまで一緒に何かをしようとなったのはりょうさんが初めて
ピエさん  狭い町なんだけど意外と漁師さんは漁のこと、ガイドはガイド、観光は観光と、あまりつながってない部分もあるんですよね。思いを持っている人はいっぱいいるけど、つながらない。この場所があることで、役に立てれば

人と人とを、つなぐ場所。そんな話を聞いて、旅人のユウタさんがなにやら思いついたみたいです。

ユウタさん 今住んでいるところもあまりつながりがないから、そういう場所があったらいいなって。自分も何かそういうのやりたいな。ここはコネクトピープル、人がつながるバーなんだね

清里で自転車旅

この日せたちゅーが自転車を持ってやってきたのは、知床からはずいぶん離れた、摩周湖。

ネイチャーガイドの陽気な夫婦、若ちゃん&愛ちゃん(若月識さん&愛さん)が、2組目のフレンズです。マイナーだけどかなりいけてるスポットに連れていってくれるそう!
摩周湖を一望する展望台を出発点に旅するのは、清里町です。

せたちゅー おー気持ちいい!
若ちゃん  なかなかないですよ、斜里岳が目の前に見えて
せたちゅー すごい、斜里岳かっこいい!

走り出してみると、この道、ほとんどこぐ必要がないことに気付きます。ここが、最初のオススメスポット。10キロ以上続く、「清里ダウンヒル」!

実は若ちゃん、北の大地に魅せられてやってきた移住者。
埼玉でサラリーマンをしていた時に自転車で回った北海道の景色にひかれ、19年前に移り住みました。

その後、大阪から移住してきた愛ちゃんと出会い、今では夫婦でガイドをやっているんだそう。

都会と田舎のいいとこどり

一行は清里の町へ。ちょっとのども渇いてきたところに、ベリー農園を発見。
若ちゃん、実はここに会わせたい人がいるそうなんです。

農園に入っていくと、収穫のお手伝いをしている人が。5年前に移住した貝塚優子さん
ちょうどハスカップが収穫の時期を迎えているとのことで味見させてもらいました。

貝塚さん  ぽろんととれますから
せたちゅー こんなにやわらかいんだ、ハスカップって。あ、甘い!もっと酸っぱいものだと思ってました

でも、実は貝塚さん、これが本業じゃないんです。
真の姿はなんと、売れっ子の設計士
清里の自宅のパソコンで、ビルの手すりなどの図面を作成し、関東のクライアントに送っています。

貝塚さん 摘み取りしてるときに電話かかってきて、「もしもし」とここで話して、「戻ったら図面直して送りまーす」という感じでやり取りしてます(笑)

まさに都会と田舎のいいとこどり…憧れる働き方に出会いました。
つみたてのハスカップジュースでのどを潤し、次の目的地へ向かいます。

白紙の道に名前をつける

坂道を上った先に現れたのは…
まっすぐ14キロ、オホーツク海に向かって続く、一本の道です。

ここで若ちゃんが紹介してくれたのは、近くでロッジを営む山下健吾さん
この道を広めたくて、すてきな名前を考え中なんだとか。

山下さん せっかくのロケーションなので、もっといい名前をつけられればいいかなと。いい名前ないですか?

せたちゅーがネーミング!?美しい景色の中を走りながら考えましたが、良い名前が思いつかず…。
ひとまず、山下さんのロッジへ向かいます。

ロッジには斜里岳を眺められる大きな窓が。
実は山下さん、19年前に清里町にほれこんで移住してきました。
住んでみると、“あまり知られていないけれど素敵な場所”を次々と発見したそうです。

山下さん 知床斜里はすごい観光地で人がいっぱい来ていて、摩周湖や屈斜路湖も、観光資源は超一流。超一流と超一流の間にあって、ここは超一流の空白地帯だったんです。見つけたぜ、ここだ!と。暑苦しいですよね(笑)

可能性いっぱいのこの地を一緒に盛り上げる仲間を増やしたい。その思いにふれたせたちゅー、道の名前を思いついたようです。

せたちゅー 「宙の道」なんてどうでしょう?自転車で走っていると、空の広さと近さを感じるから
山下さん  今のはいいですよ
せたちゅー やった!

白紙の道に、名前をつける。新しいローカルの楽しみ方を教えてもらいました。

自然にも人にもほれこむ件

翌日向かったのは、知床半島。若ちゃん愛ちゃんとっておきの場所に案内してもらいます。

愛ちゃん 今日は森を案内したいんですけど、遊歩道ではないところをガサガサと、森の動物の気分で行きます

ガイドがいないと絶対入らないような獣道を進んでいくと…。
なんと、コエゾゼミが羽化しようとする、まさにその瞬間に遭遇!

愛ちゃん  すごい、おしり出てきた!
せたちゅー おーおめでとう!まさか昆虫でこんなに感動するとは…なんかいいですね、知床の森

深い森を歩くこと1時間。目の前に広がったのは、オホーツクの海です。
ここは、若ちゃん愛ちゃんにとっても特別な場所。プライベートでも訪れるといいます。

せたちゅー めちゃくちゃ贅沢ですね
愛ちゃん  今年5月とかはお客さんが来れない時期があって、そういう時こそ自分たちの住んでる森をゆっくり楽しもうかなと思って、だんなと二人で来てここでぼーっとしてたりとか。感じたものをじっくり味わう時間がとれるといいなと思って

心の中に、それぞれの知床を刻み、ほれこんでほしい。せたちゅーも、大自然に身をゆだねました。

せたちゅー いやあ、気持ちいいなあ。忘れてた感覚が呼び起こされる感じですよね。知床満喫。でも満足はしてない感じがします。また行きたい
若ちゃん&愛ちゃん ぜひぜひ

ローカルフレンズたちが体感させてくれた、知床と清里のディープな魅力。
そこにほれこんだ人たちは、みんな、この地で心豊かに生きていました。

旅のしおり

ピエさんのガイド
ローカルフレンズのピエさんは、知床五湖をはじめ、羅臼湖や知床の森を散策するツアーを開いています。

北海道アウトドアガイド Mother Nature's Son
ピエさんが営む居酒屋はこちら。
知床酒場 ピリカデリック
〒099-4355 斜里町ウトロ東220 営業時間:19:00~03:00

若ちゃん&愛ちゃんのガイド
ローカルフレンズの若ちゃん&愛ちゃんは、道東でオーダーメイドのツアーを案内しています。

知床のガイド屋pikki(ピッキ)
〒099-4351 斜里郡斜里町ウトロ香川123-8

清里町の自転車旅
清里町では自転車の貸出サービスやサイクリングツアーの受付をおこなっています。
きよさと観光協会 電話:0152-25-4111

ベリーの森工房
ハスカップジュースを頂いたベリー畑です。
〒099-4404 斜里郡清里町江南67番地

ロッジ「風景画」
山下健吾さんが営んでいるロッジです。
〒099-4403斜里郡清里町向陽785-6

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