NHK札幌放送局

Music In The Best Position 蔦谷好位置×札幌交響楽団

札幌局広報・事業

2022年4月28日(木)午後3時30分 更新

NHK札幌拠点放送局と札幌交響楽団が主催し、札幌出身の人気音楽プロデューサー・蔦谷好位置 が企画・構成を手がけたコンサート「MUSIC IN THE BEST POSITION(ミュージック・イン・ ザ・ベストポジション)」の公開収録が1日、札幌コンサートホールKitaraで行われた。milet、 Awesome City Club、角野隼斗といった豪華アーティスト、北海道ゆかりの新進気鋭のシンガーら が、札響のフルオーケストラとともに一夜限りのパフォーマンスを魅せ、会場を感動の渦に巻き 込んだ。

【再放送 決定!!】

NHK総合(北海道ローカル)で 5月5日 午前 8:15


「音楽は好きなんだけれど、クラシック音楽やオーケストラに触れる機会が少なくて…」。コンサートは、そんな若い人たちにオーケストラに接してもらい、親しみを感じてもらうのが目的。故郷・札幌交響楽団(通称・札響)のコンサートを初プロデュースする蔦谷は、日本の音楽シーンのトップで活躍するヒットメイカーであると同時に、クラシック音楽の豊富な知識と深い情熱を持つ。今回は、「ジャンルを超えて音楽をつなぐ」ことをコンセプトとし、蔦谷が信頼を寄せるmiletとAwesome City Club、「一番好きなスーパーピアニスト」と呼ぶ角野、さらに、注目する地元アーティスト3人をゲストに招き、刺激的な音楽体験を届けるユニークな試みとなった。

会場となった大ホールには、クラシック音楽ファンのほか、親子連れや若者の姿も。登壇した蔦谷は「Kitaraでこんな素晴らしいコンサートをプロデュースさせてもらえることは夢のよう。北海道内テレビ6局合同キャンペーンで、なかにし礼先生と曲を作らせていただいた4年前、バトンを受けた気がして、北海道への思いが強くなりました」と郷土愛をにじませ、「オーケストラファンにはポップスの魅力を、ポップスファンには生のオーケストラの迫力を、参加アーティスト
には『自分たちの楽曲がこんな素敵な曲に生まれ変わるんだ!』と感じてもらえれば」と期待を寄せた。そして、自身の名前(好位置)の英語読みが由来となったコンサート名「BEST POSITION」に触れ、「自意識過剰と思われますよね(笑)。でも、その名に恥じないコンサートを保証します!」と力強く宣言した。

前半は、クラシックの名曲と道産子シンガーのオリジナル曲など6曲を組み合わせたセットリスト。ビゼー作曲「カルメン前奏曲」で華やかに幕開けすると、颯爽と登場した角野が、ラフマニノフ作曲「パガニーニの主題による狂詩曲 作品43」でピアノコンチェルトを展開。優雅な音色で観客を一気に惹きつけた。と思えば、今度は札幌出身のヒューマンビートボクサー・SHOW‐GOが登場し、自身の曲「Like Falling Stars」を角野、札響とともに軽やかに披露。ビートボック
ス×ピアノ×オーケストラという異色のコラボに、思わず身を乗り出して見入る客もいた。


続いて、「ソウルフルな歌声で、曲がいい!」と蔦谷が絶賛する小樽出身のシンガー・Furui Rihoが、自身が作詞・作曲した「嫌い」「I’m free」の2曲をキュートに熱唱。さらに、「テレビで歌声を聴き、SNSでメッセージを送った」という蔦谷が熱視線を送る札幌出身のシンガー・駒津柚希が、蔦谷が編曲したZedd and Alessia Caraの「STAY」、Superflyの「愛をこめて花束を」の2曲をパワフルに歌い上げた。「オーケストラと一緒のステージに立つのは初めて」とは思えないふたりの堂々とした歌いぶりに、会場からは惜しみない拍手が送られた。


ここでいったん休憩となるも、ステージには角野とSHOW‐GOが再び登壇。「特別なハーフタイムショー」として蔦谷が提案した、即興の共演に挑戦することに。異様な緊張感の中、ふたりは息の合った見事なパフォーマンスを見せ、幕間を大いに盛り上げた。


いよいよ後半、miletが登場すると、会場はヒートアップ。メジャーデビュー曲「inside you」、蔦谷が作曲に加わった新曲「Flare」を圧巻のパフォーマンスで歌唱したmiletは、「オーケストラとの共演が夢だったので、とても嬉しい。生の音の迫力が伝わってきて幸せです」と笑顔が弾けた。3曲目はNHKウィンタースポーツテーマ曲「Fly High」。なじみ深いメロディーが角野のピアノと札響サウンドと融合し、より壮大なエールソングに生まれ変わると、客席からひときわ大
きな拍手が沸いた。


続いて、昨年紅白歌合戦に初出場を果たしたAwesome City Clubが、ラブソング「ceremony」と、蔦谷が編曲したNHKパラスポーツアニメのテーマ曲「On Your Mark」を2曲続けて熱唱。
アコースティックギターを用いた繊細なアレンジと、札響のフルオーケストラによる雄大な雰囲気が絶妙に溶け込む中、ボーカル・PORINの優しい歌声がホールに響き渡った。最後は、映画のインスパイアソングとして大ヒットした曲「勿忘」を、角野のピアノも加わった特別バージョンで披露。ここでしか見ることのできないドラマティックなコラボ演奏に、聴衆の熱気は最高潮に達した。曲に合わせ、カラフルにライトアップされた巨大パイプオルガンも、スケール感のある
空間を演出した。


コンサートのラストは、ラフマニノフの代表曲「ピアノ協奏曲第2番 ハ短調作品18第3楽章」。角野のピアノと札響が織りなす美しさと迫力に満ちたハーモニーは、会場を一体にした。

すべてのパフォーマンスを終え、順番に登壇したゲストたちは「楽しくて、自分の出番以外もずっと聴き入っていました」(milet)「新しい音楽の扉が開いた気がします」(Awesome City Club・atagi)「歌いながら感動して泣きそうになりました」(Furui Riho)「ビートボックスで素晴らしい方々と共演でき、新鮮な体験でした」(SHOW‐GO)「舞台に立っていることが信じられませんでした」(駒津柚希)などとコメント。蔦谷は「今は大変な世の中ですが、音楽は救いのひとつになる。クラシックやポップスだけではない、ジャンルを超えた音楽の可能性を感じていただければ幸せです」と呼び掛け、締めくくった。


終演後、蔦谷は「いつかこんなコンサートができたらという思いがあったので、お話をいただいた時は本当に嬉しく、何としても成功させたかった」と、このコンサートに懸けた意気込みを明かし、「この状況で皆が集まり、最高のパフォーマンスをしてくれた。大成功です」と満足そうな表情を浮かべた。
一方、角野は「クラシック以外は聴かないという方でも、たとえばSHOW‐GOさんのビートボックスを『格好いい』と思ったはず! 僕自身は『勿忘』の3分後にラフマニノフを演奏することはまずないので(笑)、ちょっと厳しかったですが、蔦谷さんだからこそ実現したコンサートに携われて楽しかった」と、自身の活動とも通底するコンサートの趣旨に深く共感した様子。

Awesome City ClubのPORINも「多幸感をお客様と共有できた夢のようなひとときで、もうワンセットやりたい(笑)。こんな特別な空間に立ち会えたのも、蔦谷さんとのご縁があってこそ」と感謝を口にすると、感極まった蔦谷が「泣きそうだ…」と目頭を押さえる瞬間もあった。
昨年は母校である札幌市内の小学校に100周年記念楽曲を贈るなど、音楽を通した「北海道への恩返し」にも精力的な蔦谷。コンサート冒頭のあいさつで、「実は今、出身高校(札幌西高校)の応援歌を作っています」と新プロジェクトを明かし、「機会があれば、これからも音楽を通してできることをしたい」と決意を新たにしていた。



コンサートの模様はNHK総合(北海道ローカル)で5月5日 午前8:15から放送される。


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