NHK札幌放送局

小野×鈴井 対談完全版! その①「おかえりなさい小野選手」

ほっとスポーツプラス

2021年3月23日(火)午後6時35分 更新

2月27日に開幕戦を迎えたサッカーJ1リーグ・北海道コンサドーレ札幌。今シーズンの注目は何といっても帰ってきた“天才”小野伸二選手!元日に発表された復帰のニュースは、「ビッグなお年玉」としてサポーターを喜ばせました。

開幕戦前日の「北海道道」では、小野伸二選手と、MC鈴井貴之&多田萌加とのスペシャル対談を放送しました。札幌に帰ってきた理由、あの試合の舞台裏、MC鈴井との共通点まで、およそ1時間にわたってたっぷりお話を伺いました。
そこで、放送に盛り込めなかったトークも含めWEB限定で公開!
数々の記録を持つベテランJリーガーの、貴重な言葉をお楽しみください!

小野伸二
1979年9月27日生まれ。Jリーグをはじめ、オランダ・ドイツ・オーストラリアでもプレー、23年のキャリアを誇る。18歳でのW杯出場は未だ日本人最年少記録。
数多くの代表経験選手からも「天才」と評されており、その魅力は健在。
19年夏まで札幌に在籍し、今年1月復帰。41歳。静岡県出身。

天才・小野伸二が帰ってきた!

チームは開幕前、沖縄を経て熊本でキャンプ中。「ここは札幌!?」と見間違うような雪が舞うことも。練習終わりのおつかれのところ、対談が始まりました。

鈴井 :今回は開幕が目の前に迫っていて「いくぞ!」っていう特集で小野伸二選手にお越しいただきました。サッカーをあまり知らないという人でも、小野伸二選手の存在は知っているという方、多いんじゃないかなと思います。やっぱり、ほんとに、天才と。
多田 :そうなんですよね。
鈴井 :僕は一緒にサッカーをやったことがないから、「お前に何がわかるんだ」って言われてしまうんだけど、某番組でラモス瑠偉さんも「伸二、天才だから」って言ってたんで。
小野 :有り難いです。

多田 :小野さんは、なぜ札幌への復帰を決めたんですか?
小野 :沖縄(FC琉球)を退団するにあたって、どこからも別にお話があったわけでもなく、次のチャレンジが大事なものだって自分のなかでも思っていました。そういう時に野々村さん(コンサドーレ社長)や三上GMとお話させていただいて、サッカーの現役も、現役を退いた後のことも色々話してくれて、そこに自分も共感できて、またこのチームでお世話になりたいなっていう気持ちにすごくなったんです。
鈴井 :もう1度戻ってくるってことは、コンサドーレっていうチームに魅力を感じていらっしゃったと?
小野 :もちろん、自分のプロ生活の中でも一番長く在籍したチームでもありますし、クラブ全体、サポーターも含めて、ほんとに1つになってるなって、ほんとに素晴らしいチームだなって感じてたんで、またそこに戻ってこられるのは非常に嬉しかったです。ただその反面、1年半前にほんとに気持ち良く送っていただいて移籍したので、そういう経緯もありながら、こんなに早く帰ってきていいのかなって、逆に思いながら(苦笑)。
鈴井 :なんか、沖縄に馴染めなかったのかなって・・
小野 :いやいや!めちゃめちゃ馴染んだんですけど!そこはもう、また新たな挑戦をしたいなっていう気持ちは強くありました。
鈴井 :コンサドーレって、かつてもビッグネームの方がベテランの時に来てくださったことはたくさんあるんですけど、こうやってまた戻ってきてくれるのが非常に嬉しいんですよ。
多田 :嬉しいです。
鈴井 :「あ、行かないで、行かないで、○○さーん!」っていうのが非常に多かったチームなんで、戻ってきてくれるのはチームが魅力的で、成長しているのかなって思わせてくれるんで。今回、小野伸二選手が復帰してくれるってことは、非常に嬉しいことですよね。

鈴井 :以前いらっしゃった時とチームの雰囲気というか、戻ってきた時の第一印象は、どうだったんですか?
小野 :どうですかね。まずミシャさん(ミハイロ・ペトロヴィッチ監督。ケガでキャンプへの合流が遅れていた)がまずいないんで。監督がいるのといないのでまた違う雰囲気になるんじゃないかなって思ったりもするので、そこがまず一番最初に違うとこではありますけど、大学卒業した選手達がほんとにのびのびやって、今までいた選手達がいい意味で味を出して、ほんとにいいまとまりをしてるなって感じましたね。ただ、ここにミシャさんがいることで、どういう雰囲気になるかなというのは、すごい楽しみではあります。
鈴井 :やっぱりミシャ監督がいるのといないのとでは、現場のピリっとした感じとか違ったりするんですか?
小野 :じゃないかなと思うんすけどね。

多田 :小野さんの思う北海道の魅力、いいところはどこですか?
小野 :ほんと、人が優しい。そして食べるものが美味しい。野菜は特に、ほんとに美味しいなって、すごく感じますね。
鈴井 :なんか、そういうのが嬉しいですよね。コンサドーレというチーム自体にも非常に魅力はあるだろうけども、そこを支えている北海道という地域そのものにすごく魅力があるんだって理解していただけるとね、より一層、だからこそ北海道、地元のチームを応援したいねっていう気持ちになるんじゃないかなと思いますからね。

チームのために「伝えきる!」

チーム最年長41歳の小野選手。自身の「役割」について、どう捉えているのでしょうか。ピッチでの活躍に加え、若手の育成は?プレーしながら教える難しさは?

多田 :今、チームから求められている役割は何だと思いますか?
小野 :多くあるように見えますけど、僕が(札幌を)出る前と、そんなにやること変わってないかなって、自分のなかで思っているんですけど。ただ、それ以上にやっぱピッチの上で自分が先頭に立って、みんなにいいものをまず見せる、パフォーマンスを選手達の目の前に見せることが非常に大事だと思っているんで。そのためには、自分のコンディションがしっかりしていなければいけないと思いますし、そうすればピッチの上で気になる細かなところをみんなにアドバイスができるんで。いろんな意味で責任を感じています。それでも全てを聞き入れてほしいっていうわけじゃなくて、自分達が必要だなと思えば、自分のものにしていただければいいかなって思いながらやっています。
多田 :若手の選手に教えながら、自分も選手としてプレーすることに難しさを感じたりはしないですか?
小野 :そうですね、30歳を超えたあたりぐらいからそういう気持ちというか、気になることは若い選手達に伝えてきてはいたので、これといって何か難しいことはないです。とにかく、元々いたチームに戻るということは、それなりに自分のなかでも責任や自覚がなければやっていけないと思うので。そういうものは今までいた時よりも責任を感じてっていうことは、自分のなかではあります。
多田 :自分の経験を伝える立場として、目指していることはありますか?
小野 :そうですね、ただ一生懸命伝えても、聞いている側がそれを理解できなければ伝えていることにならないと思うんで、やっぱ相手がちゃんと理解できるように伝えるってことは意識します。かといって、自分自身が全て正しいわけじゃないので、自分が今まで経験した中で感じていることを伝えて、それを選手各々がどう感じるかが大事なことで。ピッチの上で、そういうものが相手に伝わるように、理解できるように伝えるってことですね。
鈴井 :自ら積極的に若手の選手にコーチングというか、教えたりするのか、それとも、聞かれたら色々アドバイスしてあげるのか。タイプとしては、どちらになるんですか?
小野 :どっちもありますね。練習してて、目に見えるものってその場で伝えたほうがやっぱわかりやすいかなと思うので、その時はそこで伝えますし、あとでまた気になることがあって、聞きに来てくれれば、それについて説明したりもします。でも、やっぱり後々だと、お互いがそのシーンをほんとの意味で覚えてないというか、その場で感じたものをお互い話したほうが、解決策としては一番いいのかなと思ってます。
鈴井 :言葉で説明するのが難しいこともあるんじゃないですか?
小野 :そうですね、そしたらやっぱり体を使って、こういうボールの受け方とかっていうものも含めて伝えますけど。
鈴井 :それ、理解できるんですかね?
小野 :や、それはもう、あの、わかりやすく、はい(笑)

鈴井 :だってあの練習風景の動画を見てもね、小野選手のトラップって、どうやってやってんだろうって。なんでそんなピタっと、ロングボールがピタっと止まるの?って・・・
多田 :思いました。
鈴井 :言葉で説明されてもわかんないし、じゃあ、実際にやってみるから、こういう感じだよって言われても・・マジック、魔法的な部分があるんじゃないかなと思うんで。
小野 :いや、どうすかね。僕自身、そんなに他の人と違うってわかってないんで。他の周りの選手達と何が違うのかなって逆に思うぐらいなんで・・そうやって言われることのほうが不思議でしょうがない。
多田 :へえ・・・
鈴井 :いや、それが天才なんすよね・・・ほんとに真の天才は、自分のことを天才だと思ってませんよ。
小野 :いえいえ(笑)

出場していない選手への気配り 小野流コミュニケーション術

鈴井 :選手の中で最年長になるわけですけど、そういう意識はありますか?
小野 :僕はあんまり意識しないですけど、周りはね、みんなすごい意識してくれてるんで。
鈴井 :例えばかつていらっしゃった時とかは、若手選手とちょっとご飯行こうよとか、コミュニケーションよく取っていらっしゃったんですか?
小野 :あ、全然ありますね。僕、やっぱりチームっていうのは全員、出ている人、出ていない人、全てが同じ方向に向いてほしい、特にシーズンが経つにつれて、日が経つにつれて、出ていない選手達のモチベーションがどんどん落ちていくと思うんです。そういう選手達が足を引っ張らないように、応援したいっていう気持ちになれるように、モチベーション落ちてそうだなと思ったら気になって声掛けますし。ご飯行ったり、色んなことを工夫して、チームが常にいい状態であるようには意識して、考えてやってます。
鈴井 :じゃ、けっこう盛り上げる感じの。
小野 :そうですね、はい。
鈴井 :かつて一緒にいらっしゃった、稲本潤一選手が何人かと桃鉄(テレビゲーム)をずっとやってたっていう話を聞きました。
小野 :やってます(笑)
鈴井 :なんか、そういう小野選手独自のコミュニケーションを取る方法って・・
小野 :そうですね、ゲームとかあんまりやらないんで。たまに荒野(拓馬選手)とかがサッカーゲームやってたらそこに交じっちゃうとかしますけど。あとは練習終わった後に話したりとか。トレーニング場、クラブハウスで話したりはしますけど、あの、みんなと一緒に桃鉄やったりとかっていうのは、あんましないすね(笑)

本当の意味でサッカーが楽しい

多田 :指導する立場と、選手としてピッチに立ちたいっていう気持ちでジレンマはありますか?
小野 :ピッチに立ちたいっていう気持ちをまず持ってなかったら、教えることもあまり集中できないと思うんで。そこの「ピッチに立つんだ」っていう気持ちを前面に出さなきゃいけない、そこがなければ、プロとしてやる資格もないと思います。そこは前提として持ちながら、自分が第一線でどうとかっていうことだけじゃなく、若い素晴らしい選手が多くいるこのチームのなかで、みんなが、その試合に向けて100%いいパフォーマンスを出せる、そういう環境を作っていければいいかなって感じてます。
鈴井 :今のスタンスとしては、ある意味スーパーサブとしてサポート的なことをやっていく、チームの流れを変えたりとか、ということで自分の立ち位置で考えていらっしゃるのか、それとも「やるからにはもうスタメンですよね、当然」っていうような考え方でいらっしゃるのか、自分の年齢とのバランスは正直、どう捉えている・・?
小野 :そこはもう、気持ちは絶対、スタメンで出たいっていう、それはもう、もちろん持たなきゃいけないと思うんですよ。
鈴井 :はい。
小野 :ただ、自分の立ち位置は自分でわかってますから。自分自身が逆に言ったらスタメンでバリバリやるようであれば、このチームは良くないチームだと思うし、それぐらいいい選手がもういるんで。選手達がそういうものを自分達でもっともっと自覚を持てるように、ピッチの中でサポートするのがすごく大事なことに繋がっていく。でも心の中では、もうメラメラと、いつでもスタメン取ってやるぞって気持ちは、もちろんあります。
鈴井 :年齢的なものによるんでしょうけど、葛藤も非常にある中でやってるっていうことですよね?
小野 :そうですね、葛藤は・・・特にないすね。逆にこういうスタンスになったほうが気持ちが楽になって、今まで重い荷物を背負ってたなって感じがスルっと抜けたんで、今すごくこう、自然体でサッカーを楽しめてる、ほんとの意味でサッカー楽しめてるなって感じがします。
鈴井 :「抜けた」のが、何年前ぐらいですか?
小野 :ここに戻ってきて、気持ちが変わったなっていう感じがしました。それまでやっぱり、常にスタメンで出たいと強く思い続けてたので、でも当たり前のことなんですけど、ここに戻ってきてからは、そういうものも含めて、自分の立ち位置をしっかりと理解して、自分がやるべきことを自覚してやってます。

サポーターは大きな存在

選手の大きな力になるサポーター。MC多田も、彼らの優しさに触れたようで・・

多田 :小野さんが感じる、コンサドーレのサポーターは、どんなイメージですか?
小野 :一試合一試合を、共に戦ってくれて、勝つ時も負ける時もほんとに同じ気持ちで一緒にいてくれるなっていう気持ちもありますし。常にこう、自分達の背中を押してくれて、自分達の背中を支えてくれる、ほんとに大きな存在だなって思ってます。
鈴井 :なんかサッカーって、サポーター同士でケンカしてるみたいなイメージあるじゃないですか。でもそういうのはコンサドーレには全然ないですから。(多田に)そうでしょう、去年行かれて。
多田 :全然!なんなら歓迎してくれて、皆さん。私、ほんとに何も知らないで行ったので、もう正直、叩かれると思ったんですよ。
鈴井 :誰に叩かれる(笑)
多田 :サポーターの方に、何も知らない奴が見に来るんじゃないと言われるかと。そしたら、「萌加ちゃん、また一緒に応援しましょう」とか、「今日、見かけました、また来てください」とか、すごい温かくて、もうほんとに選手も素晴らしい方ばっかりですし、サポーターの方もほんとに。
鈴井 :なんにも知らなくって、北海道道でコンサドーレを扱って、それで興味が湧いて、実際見に行こうって。お父さんと行ったんでしょう?
多田 :そうです(笑)ハマっちゃって・・・。
鈴井 :ほんとにね、こういう萌加ちゃんみたいな子がいるから。ぜひ、興味がない方も一度、騙されたと思って・・・
多田 :行ってみてほしいです。
鈴井 :応援してほしいですよ。
多田 :ほんとに楽しい、こんなに楽しいんだって!

その②「コンサの若手って?」

その③「年齢に負けず」

赤黒シマフクロウ便り(NHKコンサ関連コンテンツまとめ)

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