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2021年9月 士別市長選挙 自民支援の渡辺氏が初当選 事実上の与野党対決構図

  • 2021年9月13日

新人どうし、事実上の与野党対決の構図となった士別市の市長選挙は9月12日に投票が行われ、自民党が支援した元士別市議会議員の渡辺英次氏が初めての当選を果たしました。

士別市長選挙の開票結果です。
▼渡辺英次(無所属・新)当選 5988票
▼松ヶ平哲幸(無所属・新) 4975票
任期満了に伴う士別市長選挙は、自民党の地域支部と新党大地が推薦した元士別市議会議員の渡辺氏が、立憲民主党の地域支部が推薦し今の市政の継承を掲げた元士別市議会議長の松ヶ平氏を抑え、初めての当選を果たしました。投票率は70.59%でした。

渡辺氏は士別市出身の48歳。
市内で建設業を営み、2010年(平成22年)から2021年(令和3年)6月まで11年余りにわたって市議会議員を務めました。

渡辺氏は「農産物や畜産物のブランド化を図り、売り上げを向上させたい。およそ200戸にのぼる市営住宅の空き部屋を移住体験の希望者向けに貸し出すなど有効活用して、市の発展につなげていきたい」と話しています。

自民支援の渡辺氏 現職後継の松ヶ平氏を破る

事実上の与野党対決の構図となった今回の選挙は、同じ9月に行われる旭川市長選挙や次の衆議院選挙の前哨戦として注目されました。
勝利したのは自民党が支援し、市政の刷新を唱えた48歳の渡辺氏。3期務めた今の市長の後継として市政の継承を掲げた61歳の松ヶ平氏に1000票余りの差をつけての勝利となりました。
渡辺氏は13日、NHKの取材に対し、「『若い人に頑張ってほしい』と多くの市民から声をかけられた。変わらなければならないという危機意識を市民と共有できたことが勝利につながったのではないか」と選挙戦を振り返りました。
そのうえで、優先して取り組む課題の1つに人口減少やコロナ禍で疲弊している経済の立て直しを挙げ、「市場原理に任せるのではなく、行政として地域の経済を活性化する仕組みを作っていきたい」と述べました。


与野党 次の戦いに向けて

衆議院北海道6区の士別市は、これまで4回の当選を重ねてきた立憲民主党の現職衆議院議員の地元です。今の市長も当時の民主党が支え、誕生。いわば、立憲民主党勢力の牙城とも言える地域です。
勝利が前提だったおひざ元での敗北に、立憲民主党関係者は「地盤、看板、すべてがそろった戦いの中で、陣営に緩みがあったことは否めない」としています。
党は今回の結果に危機感を募らせていて、旭川市長選挙や次の衆議院選挙に向け、支援組織の引き締めを強化する方針です。
一方の自民党サイド。北海道6区の選挙区支部幹部は「市政刷新を唱えた渡辺氏の当選は変化を求める上川の有権者意識が反映された結果だ」と分析しています。自民党は、旭川市長選挙でも市政の転換を訴える40代の新人を支援する方針で、立憲民主党勢力の支持基盤を切り崩し次の衆議院選挙につなげたい考えです。
与党系市長への転換を選んだ士別市民の選択。今後相次ぐ選挙で地域の有権者意識を左右することになるのか、注目されます。
(旭川放送局 牧直利記者・山田裕規記者)

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