NHK札幌放送局

北海道5区 戦いの歴史 最近の選挙結果は

衆院選2021

2021年10月6日(水)午後1時59分 更新

道内で小選挙区の数が12になった43回選挙から前回の48回選挙までの「北海道5区」を振り返ります。 札幌市厚別区と、江別市、千歳市、恵庭市、北広島市、石狩市、そして石狩の町村が選挙区です。

43回(2003年/平成15年)

自民党の町村信孝氏がおよそ12万9000票を得て、民主党の小林千代美氏ら2人の新人を抑えて7回目の当選を果たしました。
42回選挙に続いて北海道5区に挑戦した小林氏の得票は12万票余りで、町村氏との票差は9000票未満でした。
小林氏は、重複立候補した比例代表で初当選となりました。
町村氏は、自衛隊の基地があり保守層の厚い千歳市や恵庭市で得票率が50%を超え、千歳市で9000票余り、恵庭市でおよそ5000票の差で小林氏を離しました。
一方、厚別区や江別市、北広島市、石狩市は小林氏が上回りました。
このうち厚別区は最も多い5000票近くの票差でした。
また、6市以外の当時の4町村は、町村氏が小林氏を引き離しました。

44回(2005年/平成17年)

自民党の町村信孝氏が17万4000票近くを得て、民主党の小林千代美氏ら2人を抑えて8回目の当選を果たしました。
小林氏は12万4000票以上を得ましたが、町村氏とは4万9000票以上の差となり、重複立候補した比例代表でも復活当選できず議席を失いました。
町村氏は当時の10市町村すべてで得票1位となり、とくに千歳市ではおよそ1万5000票差と小林氏にダブルスコア近い差をつけました。
一方、小林氏は、厚別区や北広島市では得票率にして10ポイント未満の差で町村氏に迫りました。厚別区の票差は6000票近くでした。

45回(2009年/平成21年)

民主党の小林千代美氏が18万3000票近くを得て、自民党の町村信孝氏ら2人を抑えて2回目の当選を果たし、衆議院議員に返り咲きました。
町村氏は15万1000票以上を得て、重複立候補した比例代表で9回目の当選となりました。
町村氏は、小選挙区制が導入された41回選挙以降、4回続けて北海道5区で当選を重ねてきましたが、この45回選挙は比例代表での復活当選でした。
小林氏は、厚別区や江別市、北広島市、石狩市で町村氏を上回りました。
厚別区では最も多い1万6000票以上の差をつけました。
一方、町村氏は、千歳市や恵庭市で小林氏を上回りましたが、得票率では10ポイント未満の差でした。千歳市はおよそ5000票差でした。
6市以外の2町村では、当別町は小林氏が、新篠津村は町村氏がそれぞれ相手を上回りました。

補欠選挙(2010年/平成22年)

小林千代美氏が北教組=北海道教職員組合の幹部らによる政治資金規正法違反事件などの責任を取って衆議院議員を辞職したのに伴って10月に行われました。
自民党の町村信孝氏が12万5000票以上を得て、民主党の中前茂之氏ら4人の新人を抑えて10回目の当選を果たしました。
中前氏は9万4000票余りの得票で、町村氏との票差は3万1000票以上でした。
町村氏は8市町村すべてで得票1位となり、千歳市では1万3000票近くの票差で中前氏にダブルスコア以上の差をつけました。
一方、町村氏と中前氏の得票率の差は厚別区や北広島市は3ポイント未満と接近しました。厚別区はおよそ1000票差でした。
なお、町村氏がこの補欠選挙に立候補するため衆議院議員を辞職したことで、45回選挙の比例代表北海道ブロックの自民党の名簿から北海道6区の今津寛氏が繰り上げ当選しました。

46回(2012年/平成24年)

自民党の町村信孝氏が12万8000票以上を得て、民主党の中前茂之氏ら4人の新人を抑えて11回目の当選を果たしました。
中前氏の得票はおよそ6万9000票で、町村氏は5万9000票余りの大差をつけました。
町村氏は8市町村すべてで中前氏を引き離し、とくに千歳市はおよそ1万7000票差とトリプルスコア近い大差をつけました。
町村氏と中前氏の得票率の差は、最も小さかった厚別区でも12ポイント以上ありました。厚別区の票差はおよそ8000票でした。

47回(2014年/平成26年)

自民党の町村信孝氏が13万1000票余りを得て、民主党の勝部賢志氏ら2人の新人を抑えて12回目の当選を果たしました。
勝部氏の得票は9万5000票近くで、町村氏は3万6000票以上の差をつけました。
町村氏は8市町村すべてで勝部氏を上回り、千歳市や恵庭市では得票率は60%を超えました。千歳市は1万6000票近く、恵庭市は9000票以上の差でした。
一方、ほかの4市は町村氏と勝部氏の得票率差は10ポイント未満で、とくに江別市と北広島市では5ポイント未満と競り合いました。
江別市はおよそ2000票、北広島市は1000票余りの差でした。
また、厚別区は3000票以上の差でした。
旧通産省の官僚から1983年(昭和58年)の37回選挙で衆議院議員に初当選し、文部科学大臣や外務大臣、官房長官を務めた町村氏。このよくとし、2015年の6月、死去します。
一方、勝部氏は、2019年に行われた参議院選挙の北海道選挙区で当選して参議院議員に転身しました。

補欠選挙(2016年/平成28年)

47回選挙のいわゆる1票の格差をめぐる裁判の最高裁判決が2015年11月に出されたことで、町村信孝氏の死去に伴う補欠選挙は翌2016年の4月に行われました。
町村氏の娘婿の和田義明氏が自民党から立候補し、民進党、共産党、社民党、生活の党が推薦してこの4党が“野党共闘”した無所属の池田真紀氏と争いました。
元商社マンの和田氏と東京の元区職員の池田氏、政治経験のない2人による与野党一騎打ちの構図となりました。
結果は、和田氏が13万6000票近く、池田氏が12万3000票以上で、和田氏が初当選を果たしました。2人の票差は1万2000票余りでした。
和田氏は千歳市、恵庭市、当別町、新篠津村で、池田氏は厚別区、江別市、北広島市、石狩市でそれぞれ相手を上回り、相手を上回った市町村の数としては2人は4勝4敗で並びました。
ただ、池田氏が勝利した4つの市で和田氏につけた票差はあわせておよそ7000票で、最も多い厚別区でも4000票余りの票差でした。
逆に和田氏は千歳市で1万1000票余り、恵庭市で6000票余りの差を池田氏につけました。
和田氏は、選挙区全体で池田氏に負けたおよそ7000票を、恵庭市1市でほぼ取り返し、さらに千歳市で1万票を超す“貯金”をつくって勝利したかたちでした。

48回(2017年/平成29年)

“野党共闘”で共産党は2016年の補欠選挙に続いて候補者擁立を見送りました。
結果は、自民党の和田義明氏が14万2000票以上を得て、立憲民主党の池田真紀氏らを抑えて2回目の当選を果たしました。
道内で立憲民主党が候補者を擁立した8選挙区では、自民党の候補者が小選挙区で当選したのは7人中2人で、和田氏はその1人でした。

一方、池田氏は13万6000票近くを得て和田氏に7000票未満の差で迫り、重複立候補した比例代表で初当選を果たしました。
この48回選挙では、和田氏と池田氏がそれぞれ相手を上回った市町村は2016年の補欠選挙と同じでした。
池田氏は、厚別区で7000票近く、江別市で3000票近くなど、4勝した4つの市であわせて1万3000票余りの票差を和田氏につけました。池田氏にしてみれば、この4市で2016年の補欠選挙の倍近い“貯金”をつくりました。
一方、和田氏は、千歳市で1万2000票以上、恵庭市で6000票近くの差を池田氏につけました。4勝した4市町村ではあわせて2万票近い差を池田氏につけました。
和田氏にしてみれば、4勝した4市町村で池田氏につけた票差は2016年の補欠選挙とほぼ変わっておらず、4敗した4市で池田氏が票を伸ばした分、2016年の補欠選挙よりも池田氏に迫られたかたちとなりました。

2021年10月6日

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