NHK札幌放送局

“新庄流野球” 田中賢介さんが解説

ほっとスポーツプラス

2022年2月24日(木)午後5時01分 更新

就任会見で「日本ハム プロ野球を変えたい」と宣言した新庄剛志監督。キャンプでは自ら動き、自ら指導するスタイルを貫いています。新庄監督が新チームに浸透させようとしている野球とは。日本ハムOBで、NHK野球解説の田中賢介さんに聞きました。             (札幌局・記者 雁田紘司)

現役時代から基礎を重視

新庄監督がキャンプで選手に求めたのは、守備での捕球から送球のむだのない動き、すきのない走塁、状況に応じた守備位置など、現役時代に大事にしていた基礎です。賢介さんは、新庄監督がその考えを直接、選手に指導しながらチームに浸透させようとしているとみています。

田中 賢介さん                              新庄監督はあれだけ活躍された選手なので、いつもパフォーマンスだけでは、あれだけの実績を残せなかった。そこに至るまで、基礎を大事にして現役時代は過ごしてきたんだろうと思います。その基礎が大事だということを選手にまず伝えるというのはすごく感じます。打つほうに関しては、すごく大胆に、いろいろな作戦をとっていくと思うんですけど、守りに関しては、やはり現役時代からこだわりの強い選手だったのでかなり手堅く、きっちりやるのではないかなという印象です。特に、外野手の動きについては、すごく細かくチェックしているなという印象があります。

1点にこだわる野球 

キャンプ中、新庄監督が紅白戦で行ったのは、試合ではなく実戦形式の練習でした。すべてのバッターに、ワンアウト満塁やワンアウト一塁三塁の場面を作り、どのように1点を取るのか、選手に自ら考えさせるためです。逆にバッテリーと野手には、どのように1点を守るのか、その練習を繰り返しました。新庄監督が日本ハムのこれまでの試合を見て、チームには1点への更なるこだわりが必要と考えていたからです。

田中 賢介さん                            
昨シーズンの日本ハムの戦いでは、ワンアウト三塁とか、ワンアウト二、三塁で点が入らない場面も多かった。明らかに得点力不足の原因の1つは、ヒットを打たなくても点数が入る場面で、なかなか点数が入らなかったというのがあった。監督は前々から、ノーヒットでも1点を取ると言ってきました。去年の反省点を今回のキャンプに組み入れているのかなと思います。

守備位置をシャッフル その狙いは

他球団との練習試合で新庄監督は内野の選手を外野へ、外野の選手を内野へと思い切ったポジションの変更を行って、観客からも驚きの声があがりました。新庄監督はふだん、守っていないポジションでミスが出るのは当たり前で、新鮮な気持ちになれる。打席ではリラックスしてスイングできると、その狙いを説明していましたが、賢介さんは、一番の狙いは選手の可能性を見極めることだと見ています。

田中 賢介さん                            選手にとっては、守備の選択肢ができるのはいいなとは思いますが、一番は、新庄監督が自分の目で、選手を見極めたいということです。これまで選手を見てきたコーチングスタッフがたくさんいるなかで、「この選手はこうだろう」と、どうしても目がついてしまっている現状はあると思う。そういう意味で新庄監督自ら、まず自分で選手に違うポジションを守らせてみてから、選手の起用を判断したいという考えがあると思う。フラットな目で見て、この選手は、これまでずっと内野を守っていたけど、外野のほうがいいのではないかとか。またその逆も然りで、そこの見極めをしているのだと思います。それを練習ではなくて、試合でもやるというのは、普通の監督では
なかなかできないことで、そのあたりは思い切っているなと思います。


新庄監督がもたらしたチームの変化

対戦相手が驚くほどのベンチからの声出し。試合直前に見せる気迫十分の練習。ヒットを打った際の大きな喜び。そして、選手の生き生きとした表情。よく言われる監督交代の効果以上のものがチームには生まれています。賢介さんは、新庄監督の指導スタイルが大きく影響しているとみています。

田中 賢介さん                              何より、新庄監督自身が一番楽しんでいて、その楽しんでいる姿を見せることが自分の役割だと思っている。楽しむ姿を率先して見せていると思う。監督が選手をねぎらう場面も多く見られますが、やはり使ってもらう監督に喜んでもらうというのは、選手は何よりもうれしいと思うので、選手はやる気になります。ただ、新庄監督は選手に歩み寄って声をかけていますが、それは決して甘やかすという感じではなく、選手たちは一定の緊張感を持っていると思います。前任の栗山監督も選手に話しかけて、栗山さんの場合は親しみやすい監督でしたけど、新庄監督は、逆に少しピリッとする、そういう監督かなと思います。

「ファンを愛しなさい」

「ファンに愛される選手になりたいではない。ファンを愛しなさい」。新庄監督の言葉です。そして、今シーズンの日本ハムのスローガンは「ファンは宝物」。新庄監督が球団に提案して採用されました。新庄監督はキャンプ中、スタンドから声をかけられると大きく手を振って応えたり、球場マイクを使ってファンに声をかけたりするなど、ファンを楽しませてこそプロ野球という姿勢を選手たちに示し続けてきました。賢介さんは、この姿勢こそが新庄監督の真骨頂だと考えています。

田中 賢介さん                            球団のスローガンというと、大体はチームがどういう気持ちでシーズンに臨むかということがテーマになります。今回はファンに目を向けたというのは、まさに新庄さんらしいなと思っています。ファンあってのプロ野球という考えを選手全員に、チーム全員に浸透させたいということです。監督からの通達でも、「ことしから、お客さんというのはやめろと。お客さんではなくてファンだと。そこは徹底してやっていく」という話があったので、この考えはすごく大事にしている。新庄監督の一丁目一番地だなと思います。初めて球場にきた人は、「ファンは宝物」といっても、なかなか信じがたいものがあるかもしれないですけど、新庄さんは1回、選手で日本ハムに入って、みんなに感動を与えてくれた選手の1人です。そういう意味では、言葉の重みというか、真実味みたいなものをすごく感じます。

今シーズンを展望

賢介さんへのインタビュー取材の最後に、新庄監督率いるチームが、今シーズン、どのように戦うのかを聞きました。

田中 賢介さん                              プレーへの厳しさというのは、持っている監督なので、新庄監督の「こういう野球をやりたい」というのに反して、基礎ができていない、野球を楽しめない、そういう選手には厳しくいくのではないかなと思います。そして、ことし1年に関しては、全選手をしっかり見る年だと思います。そのなかでどうやって勝っていくのか、勝ちやすいのかというのを監督自身が探していくのではないかなと、そういう1年になるのではないかなと思います。

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