NHK札幌放送局

滞在開始!宗谷のアドベンチャー1日目

ローカルフレンズ制作班

2021年3月30日(火)午後0時48分 更新

ディレクターが地域に滞在して「宝」を探す新番組「ローカルフレンズ滞在記」はじまりました。第一弾の舞台は、宗谷地方。昨日(3月28日)から滞在を開始しました。これからどんどんWEB記事で滞在の様子を発信していきます(越村D)

来て、そして宗谷を感じてほしい 

今回、宗谷での滞在の案内人をかってでてくれたのは、尾崎篤志さんです。

尾崎篤志さん(47)
身長181cm、体重111キロの“小柄な相撲とり”(本人談)
中学、高校、そして社会人になってからはチームに所属して、バスケットボールにはげんだ
稚内駅前でゲストハウスを営む

なぜ、尾崎さんはローカルフレンズに応募してくれたのか。率直に聞いてみると、稚内や宗谷という地域に対する思いを語ってくれました。

「『宗谷岬以外は何?』と思う人は少なくない。だけど、実際来て、長くいてもらえれば感じてもらえる魅力ってたくさんあるんです」

「北のまち」というイメージは稚内に観光客を呼び込む強みであることに間違いはないですが、観光で訪れただけでは分からない、他の魅力がまだまだあると言います。尾崎さん曰く、それは「背伸びしない魅力」。海や山、そこに住む人々といったようにすでにあるものこそ、尾崎さんが本当に伝えていきたいものだといいます。

尾崎さんは、10年以上前からNPO法人を立ち上げて町づくりに携わったり、宗谷地方の魅力を冊子やSNSで発信する「soya party」という取り組みに力をいれてきたりしました。さらに去年、稚内駅前にゲストハウスをオープン。お客と話すなかで、季節ごと、場所ごとのさまざまな魅力を伝えています。そうすることで、繰り返し宗谷を訪れ、毎回違った魅力を味わってほしいというのが尾崎さんの願いです。
今回の滞在では、尾崎さんの人脈を頼りに、そういった“背伸びしない”魅力を体験し、伝えて行けたらと思います。


列車にゆられて思う“地域”のこと

尾崎さんとは、稚内駅で会う約束をしました。札幌駅からは特急列車でも、5時間ちょっとの道のりです。これまで、旭川に出張することは何度かありましたが、それより北への列車の旅ははじめてです。天塩川がゆったりと流れる車窓からの景色にみとれていると…。

「鹿が線路に近づいているので、減速します」

窓のそとに目をむけると、立派な角がはえた鹿が逃げるそぶりも見せず、こちらを眺めていました。

「自分が生まれ育った関東では、こんな場面に出くわさないな」

これから1か月間見知らぬ土地に滞在するにあたって、一つ気になっていることがあります。それは、「地域」というものに対する意識です。僕は、正直、自分が生まれ育った地域に対して愛着があまりありません。

ディレクター・越村真至(27)
神奈川県川崎市出身 10代のほとんどを東京ですごす
NHKに就職し、初任地で札幌に配属 普段は金曜夜の番組『北海道道』などを制作
学生時代の部活動は陸上 趣味は筋トレ(だった)

というのも、僕の実家があるのは、典型的なベッドタウンです。小学校を卒業したあとは、東京にある中学校に通いました。朝7時すぎには家を出て、部活の練習を終えて夜9時ごろ帰ってくる。そんな生活だったので、僕にとって実家のある地域は「寝る場所」というイメージでした。買い物が不便なわけでもないし、交通の便が悪いということもありませんが、「自分は神奈川県川崎の出身だ」というアイデンティティーはありません。おそらく川崎とは全く違う環境の宗谷という滞在先。そこで暮らす人々はどんな目で地域をみて、どんな思いを抱いているのでしょうか…。


プロ選手を続々輩出する名コーチ

まずは、はらごしらえということで尾崎さんと一緒に昼食をとっていると、さっそく耳より情報をいただきました。

「稚内でプロを次々と輩出しているすごい人がいる」

その場で尾崎さんが電話をかけてくれたところ、その人はバスで10分くらいの場所にいるからきていいよとのこと。昼食後、バスに飛び乗りました。教えてもらった場所に着いてみると、そこはスノーボード用品が並ぶお店です。声をかけると、なかからダンディーなおにいさんが出迎えてくれました。

木村亘さん(46)
稚内出身 スノーボード店を経営しながら、地域の小学生を対象としたスノーボードの教室の開催やプロ選手を目指すチームの運営に力をいれている

話を聞いていると、カウンターの上に、なにやら表彰台のうえで誇らしげな子どもたちの写真を発見しました。なんでも、木村さんは地域のスノーボードチームの代表をしていて、写真は全国大会に教え子たちが出場した時のもの。「スロープスタイル」や「ビックエアー」と言われる、ジャンプや回転の技を競う競技です。木村さんのチームからは、3年連続でプロ選手がでているといいます。

正直、稚内とスノーボードが結びつかなかった僕。練習環境があるのか、聞いてみると驚くべき答えが返ってきました。

「クラウドファンディングを使いながら自分たちでコースを整備しました」

数年前まで、稚内にはいわゆる“普通”のゲレンデしかありませんでした。これでは、スノーボードの技を磨くことができないと、木村さんを中心に選手の親たちがみずからスキー場を整備することにしたといいます。しかも、選手の親たちがみずから重機をレンタルし、ジャンプ台などを造成しました。練習環境が整い、木村さんのチームに所属する子どもたちはめきめき成長。木村さんのチームからは、いままでに4人のプロ選手が生まれています。それしても、なぜ木村さんはそこまでするのか。率直に聞いてみると、こんな答えが返ってきました。

「『稚内では無理』というイメージを打破したかった」

木村さんがスノーボードを教えはじめた20年ほど前、稚内でスノーボードの上達は難しいという風潮が強かったといいます。背景にあるのは、風が強く、雪が降ってもゲレンデに積もりにくい稚内の環境。それでも、木村さんは、子どもたちに自分で限界を作ってほしくないという思いから、これまでゲレンデの整備やオフシーズンの練習内容の工夫に取り組んできました。良い環境がないとなげくのではなく、みずから環境を良くし、できることをするーそんな気概を木村さんからは感じました。

つい数時間前まで、電車のなかで地域への愛着について思いをめぐらせていた僕。初日から、稚内で生きるアツい思いにふれることになろうとは思ってもみませんでした。


絶品グルメありました!

3月18日にローカルフレンズ出会い旅中標津編を放送したとき、アンケートを実施しました。その結果1位に選ばれたのが「絶品グルメ」。投票してくださったみなさん、ありがとうございます。ということで、今日、僕がいただいたグルメをご紹介します。
それは、この巨大なハンバーガー。

その名も“米軍バーガー”。なんでも、以前稚内市にあった米軍基地内の飲食店で尾崎さんのおじいさんが働いていたとのことで、「ボリューム満点のものが食べたい」という声をうけて考案したのが始まりだそうです。今は、尾崎さんのおばさんが稚内駅近くで営む喫茶店で食べることができます。

初回放送は 4月1日(木)午後6:10~
「ほっとニュース北海道」

2021年3月29日


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ほっとニュース北海道

ほっとニュース北海道

最新の“ホット”な情報、心やすらぐ“ほっと”する話題を伝えるニュース番組。 2021年度は番組内容をリニューアルし、北海道内7局のネットワークを生かして集めた各地のニュース・話題をこれまで以上に分かりやすく、より親しみやすく、丁寧な解説でお伝えします。毎週木曜日の新コーナー「ローカルフレンズ滞在記」では、ディープな人脈を持つ各地の“フレンズ”の紹介でディレクターが1か月間、現地に滞在して地域の魅力や新たなライフスタイルを深掘り。最終週にはキャスターが現地に行き、生中継を交えてお届けします。金曜日の新コーナー「フレンズニュース」では、各地の“フレンズ”が注目する情報や話題を“地元密着”の視点で伝えていただきます。 また、視聴者の疑問や意見に記者・ディレクターが徹底調査して答える「シラベルカ」や、道内のスポーツシーンを生き生きと伝える「スポーツコーナー」、地域の減災・防災に役立つ「気象情報」などを交えて、日々の暮らしを支える情報をお届けします。

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