NHK札幌放送局

道産子ダンサー 北斗市から世界一に

道南web

2021年12月7日(火)午後0時04分 更新

ヒップホップというジャンルのダンスで、世界一になった女性が北斗市にいます。音楽に合わせて軽快に踊るダンスですが、頂点への道のりは平たんではありませんでした。その軌跡に迫ります。

ヒップホップダンサー 佐藤まなさん

ヒップホップダンスをご存じでしょうか?
キレのある動きで音楽に合わせて踊る、ダイナミックなダンスです。
ストリートダンスとして広がってきましたが、今ではチームの競技として世界大会も開かれています。

北斗市のダンススタジオでヒップホップダンスの指導者をしている佐藤まなさん(25)は、10歳のころからダンスの魅力にはまっていきました。

はじめは順風満帆なダンス人生でした。
高校ではヒップホップの全国選手権で優勝し、コーチに誘われて埼玉のチームで活動を始めると、初めて出場した世界大会で5位に。

順風満帆に見えたダンス人生 しかし・・・

上京してから2年たった2018年。埼玉大会や日本大会を勝ち抜き、出場した世界大会では、各国の強豪が競う中、2位になります。
しかし、佐藤さんはこの2位が悔しかったと話します。

「次の大会では、絶対に1位をとりたいとチームメートと話していました。
世界2位までになれたっていううれしさはありましたが、あと一歩頑張れたら世界一になれたと思えるようになりました」

世界一を目標に活動を本格化しようとするやさき、新型コロナウイルスが世界中でまん延します。ダンススタジオで練習できない日々が続き、大会の中止も相次ぎました。
佐藤さんは、あと一歩で届いた世界一という夢を諦めざるを得ませんでした。ことし3月には埼玉のチームを引退して、地元北斗市で指導者としての道を歩む決意をしました。

8月、ダンススタジオでの指導も軌道に乗り始めていました。そんな佐藤さんのもとにひとつの知らせが届きました。
世界大会が映像審査で行われることになったのです。一度は諦めた世界への道に心が揺れます。

「世界大会に出場したい気持ちはありましたが、すでに指導者として生徒も抱えている立場でした。でも、またとないチャンスであり、出ない選択肢はないと思いました」

復帰を決意してからは、苦難の連続

復帰を決意した佐藤さん。しかし、そこからが苦難の連続でした。チームメートの中で、佐藤さんは1人だけ離れた北海道にいます。緊急事態宣言で移動が制限される中、なかなか集まって練習することができません。そこでパソコンを使い、埼玉のメンバーとオンラインで練習を行うことにしました。

チームで一致した動きが求められるダンスを、どうやってオンラインで練習したのか。
まず、埼玉のチームで練習しているほかのメンバーはそれぞれに番号をふりました。この番号を、北斗市にあるダンススタジオの床にも表示しました。全員の場所を正確に把握しながら、動きの精度を上げていきました。

集まって練習できたのはわずか数日間でした。
オンラインで十分練習したつもりでも、初めて埼玉で一緒に練習したときには表現の違いに戸惑ったそうです。自分は大きい動作で踊っていたダンスが、ほかのメンバーに「やりすぎ」と注意されることもありました。
北斗市に戻ると、チームメートをイメージして1人でひたすら動きを繰り返す、孤独な練習が続きました。

映像審査に向けた撮影日

そして、審査のための撮影日がついに来ました。
不安な気持ちでいっぱいだったといいます。
しかし、オンラインで特訓した移動しながらの動きも完璧に合わせました。
佐藤さんがセンターをつとめるシーンも正確に、そしてダイナミックに踊りきります。

審査では統一感や表現力などが評価され、見事優勝しました。
コロナやオンライン練習などさまざまな困難に直面し、不安な時期もありましたが、佐藤さんは心から復帰してよかったと話します。

「もうその瞬間に涙が出てきて。1人でここで練習してきたけど頑張ってよかったなっていうふうに思いました」

世界一の夢を叶え

今は地元北斗市で子どもたちにダンスを教える日々です。
1度は消えそうになった世界一の夢。それでも諦めなければ夢は叶った。子どもたちにはダンスの楽しさはもちろん、諦めない気持ちも伝えたいと語ります。

「踊る事の楽しさとか、仲間と一緒に何かを作り上げるっていうその楽しさとか難しさとか、何かを成し遂げるときの感動っていうことはたくさん感じてきました。何か1つに向かって一生懸命やっていくっていう大切さを教えていきたいなって思います」

佐藤さんの次の夢は地元から世界に出場できるチームを作ることです。
指導者として子どもたちと真剣に向き合う佐藤さんの今後に注目したいと思います。

<取材した記者>
奈須由樹 
令和3年入局。警察・司法を担当。

2021年12月7日

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