NHK札幌放送局

シラベルカ#20 夕焼けの色って場所による?

シラベルカ

2020年8月25日(火)午後7時01分 更新

みなさんの疑問を調べるシラベルカ! 記念すべき20回目は「夕焼けの色」がテーマです。シラベルカに次のような投稿が寄せられました。

道東在住
「夕焼けは場所によって色が違って見える気がします。気のせいでしょうか?」

たしかに、夕焼けはオレンジやピンクなどさまざまな色に見えることがあります。夕焼けの色の見え方に場所は関係しているのでしょうか・・・?
入局2年目の山本青カメラマンが調査してきました。


人気の夕焼けスポットへ

取材班がまず向かったのは、札幌から車で1時間ほどの、道の駅石狩「あいろーど厚田」。人気の夕焼けスポットです。
夕焼けを見に来た人たちはどう思っているのか聞いてみることに。

取材班:夕焼けの色は場所によって違う色に見えると思いますか?

女性客
「違うと思います。海辺の近くだと反射して色が濃くなったり。日が落ちて水平線に隠れる寸前がすごい感じ」
男性客
「全然考えたことなかったです。たぶん変わらないのではないでしょうか」

場所によって色が違うという人もいれば、特に変わらないという意見も。
受け止め方は人それぞれでした。


夕焼けは日没後もきれい!

ここからどんな夕焼けが見えるのか、私たちはその時を待ちました。
しかし、この日の空は雲に覆われ、あまりきれいな夕焼けが期待できないと半分、諦め気分でいました。

日が沈み、帰ろうとしたその時でした!
夕日が沈んだ部分がだんだんとピンク色に変わっていったのです。

空はみるみるうちに真っ赤に染まりました。
その後、数十分間にわたってピンク、黄、オレンジと次々に変化していき、さまざまな表情を見せてくれました。
こんなことがあるのか・・・と、感動と驚きでカメラを夢中で回しました。
夕焼けは、日が沈んだ後に色が濃くなることもあるんですね。


道内の他の場所ではどう見えた?

この日の夕焼け、北海道のほかの地域ではどんなふうに見えていたのか。
各地のアマチュア写真家などにお願いして、同じ時刻の夕焼けを撮影してもらったところ・・・。

道南の乙部町では、雲と水平線の間がオレンジ色に染まりました。

北見市では、オレンジやピンクなどさまざまな色が混ざっていました。

こちらは、釧路市。濃いオレンジと紫が見られました。

札幌の夕焼けは、釧路に比べて薄い紫に見えます。

見比べてもわかるように、たしかに見る場所によって違いが現れました。


夕焼け愛好家の見解は?

では、ふだんから夕焼けの写真を撮影している人たちはどう思っているのか。

さきほどの乙部町の夕焼けを撮影してくださった西田卓見さんに聞いてみました。西田さんは、町の教育委員会に勤務するかたわら、夕日や夕焼けを毎日のように写真に収めている愛好家の1人です。

乙部町 西田卓見さん
「夕焼けは、雲に反射すると絵の具のようにいろいろな色がでます。気象条件や季節、気圧、気温によって違う色に見えるのではないでしょうか」

続いて伺ったのは有志のグループ「釧路夕焼け倶楽部」代表の芳賀久典さんです。釧路市内の各所にライブカメラを設置してネット上で生配信するなど、夕焼けの魅力を発信して地元を盛り上げていこうと取り組んでいます。

釧路夕焼け倶楽部 芳賀久典さん
「釧路の夕焼けは、色づいた雲などがくっきりと見えるのが特徴です。住んでいる場所で、お日様の見え方が違うのと同じように、空の焼け方も場所によって違うと思う」


専門家の見解は?

ここまでさまざまな意見が出ましたが、科学の専門家はどう見ているのか。
私たちは「札幌市青少年科学館」を訪ねました。
ゾウの姿で迎えてくれたのは、「ぱおーん てしま」こと、手島駿さん。
ふだんから子どもたちに科学についてわかりやすく説明しています。


太陽の光が届くまでの距離によって色の見え方が変わる

そもそも夕焼けはどうして起こるのか、手島さんが実験で説明してくれました。
並んだグラスの中には空気の層に見立てた水溶液が入っています。
日中の太陽を再現して上からライトを当てると、グラスの色はすべて青っぽくなりました。
これは、光の構成要素のうち、散乱しやすい青い光が見えているためです。

次に、日が傾いて沈む頃を再現するために、右側からライトを当てます。そうすると複数のグラスを光が通過するに従って色が変わりました。ライトから離れるほど赤っぽく色づいていくのがわかります。

札幌市青少年科学館 手島駿さん
「太陽が傾くと、地上から見て日光は斜めに進むので、大気中を通過する距離は長くなります。すると、赤く見えるんです」

光は複数の色で構成されていますが、長い距離を進むと青い光は途中で散乱してしまいます。そのため、散乱しにくい「赤い光」が私たちの目に届いているんです。これが、夕焼けの正体です。


夕焼けがピンクや紫になる秘密は、気象条件にあった!

実験の結果、同じ時刻の夕焼けであっても、見る場所によって光の通る距離が変わるため、違う色に見えることもありそうだとわかりました。
でも、夕焼けの色にはピンクや薄紫などもあります。色にバリエーションが出るのはなぜなのでしょう?

札幌市青少年科学館 手島駿さん
「色のバリエーションには気象条件が大きく影響します。なかでも、薄い雲が出ているときには赤以外の色が見えやすいですよ」

夕焼けを見ている私たちと太陽の間に雲があると、この雲が青い光を散乱させます。すると、赤い色の光と混ざり、夕焼けがピンクや紫などに変化するというのです。

私たちが夕焼けを撮影した当日、道東方面には厚い雲が広がっていました。この雲が青い光を散乱させたため、釧路や北見では色が混ざった夕焼けになったというわけです。

結論

  • 同じ時刻の夕焼けであっても、見る場所によって光が大気を通る距離が変わるため、違う色に見えることがある。
  • ただし、色の見え方には、太陽との間に雲があるかどうかなど気象条件が大きく影響している。

ふだん何気なく見ている夕焼けですが、夕涼みなどで外出する機会に、あらためて色の違いや変化を意識して眺めてみるのも一興ですよ。

(取材:札幌放送局 山本青カメラマン/上村勇人ディレクター)


放送の動画はこちら↓


シラベルカ トップページへ

関連情報

★コロナ時代のメッセージ(秋元市長・星野佳路さん・尾木直樹…

シラベルカ

2020年6月5日(金)午後2時51分 更新

シラベルカ#9 100万ドルの夜景が暗くなっている!?噂の…

シラベルカ

2020年5月29日(金)午後2時50分 更新

#シラベルカ 初回テーマ決定! 小林記者の苦笑のワケ

シラベルカ

2020年4月1日(水)午後5時30分 更新

上に戻る