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函館のバスって難しい? 系統番号の秘密 #9

  • 2023年9月26日

道南のみなさん、バスにはよく乗りますか? 函館のバスについて、よく聞くのが「難しい!」という声 列車の路線が限られている道南地方にとって、バスは市民の足として欠かせないものですよね。そんなバスに関して、こんな投稿が。  

『函館バスをよく利用しますが、系統の番号がたくさんあり、その中で番号の隣にアルファベットがついているのは何か意味があるのでしょうか?』
この疑問、調査します!

系統番号のうしろの、アルファベットのナゾ

NHK函館放送局の最寄りの停留所、新川町の時刻表。

たしかにABCといったアルファベットが系統番号のうしろについています。
このアルファベットいったいナニ!?ナゾを探るべく、函館バスへ突撃!

出迎えてくれたのは、バスの運行を管理したり、路線の検討をしている、管理課・横山昴平係長。社内でも有名なバスマニアなんだそうです。
あのアルファベット、一体どんな意味が!?

横山さん
「系統のなかでも、起終点が違ったり、経路が違うものについて区別するために、アルファベットをつけています。」

わかりやすく説明しましょう!

例えば、函館駅から赤川へ向かう55系統。
55A系統は、途中、はこだて未来大学に立ち寄ります。
55B系統は、終点が赤川の先、小川の里まで伸びています。
学生の通学時間帯は、全便がはこだて未来大学に停まる55A系統などが運行され、そうではない時間帯は、大学に停まらない55系統が運行されています。
客層を細かく分析することで、効率よくバスを運行するためにアルファベットを使って系統が細かく分けられているんです。

実は、アルファベットが付いたのはつい最近のことなんだそう。つまり、それまで細かな経路の違いを見分ける手段がなかったということなんです。
こちら、平成18年の時刻表。まだアルファベットがなく、系統番号も今と全然違います。

画像は、昭和営業所から船見町へ行く当時の1系統のものです。
出発点が違ったり、途中の経路が異なるもの、全部で4パターンがひとつ系統番号にまとめられていて、番号を見ただけでは見分けがつかなかったんです。これは難しい・・・!


なぜこんなことが起きていたのでしょう。

横山さん
「需要に応えるために、少しずつ経路を変えていったんだと思うんですよね。そうした結果、地元の普通に使っている方はなんとなくわかるんだけども、外から来た人にはわからない。そういった状況になったんだと思います。」

このころ、系統番号の分かりづらさは全国的な問題になっていたといいます。こうした事態を改善するべく、国土交通省が『乗り合いバスの運行系統のナンバリング等に関するガイドライン』を作成。
2019年、函館バスもこれに基づいて系統番号を大きく改正し、その際にアルファベットがつけられました。

 

行方不明のアルファベットが・・・どこへ行っちゃったの??

そのアルファベット、実は連番になっておらず、ところどころ抜けているところがあるということを知っていましたか?
例えば43系統。
ABCと続き、EFがあります。そう、Dが抜けているんです。これはいったいなぜなのでしょうか。横山さんから意外な答えが返ってきました。

横山さん
「DとかIとか、数字と間違えてしまいそうなものについては、そのアルファベットを避けるようにしています。ABCはあるんだけど、Dを飛ばしてEからまたスタートしています。」

なるほど・・・!つまり、Dは0(ゼロ)と、Iは1(イチ)と間違える恐れがあるから使っていなかったんです。もし、43系統の後にDが付いていたら、430系統と勘違いしてしまうかも・・・もし、遠目で見たら見間違えてしまうかもしれません。でもBも8(ハチ)と間違えてしまいそうな気も・・・どうなんでしょう、横山さん。

横山さん
「確かに・・・(笑)でも、DやIに比べたら間違えにくいのかなと・・・(笑)」

函館市外出身の筆者には、とある疑問が。「数字と間違えやすいのなら、漢字を使えばいいのでは・・・?」
例えば、札幌市内を走るバスは、アルファベットではなく漢字を使っています。円山方面なら「円」、宮の沢方面なら「宮」などといった漢字が、系統番号に付いていることがあります。東京などのバスにも漢字が付いていることの方が多い印象です。

横山さん
「函館は外国人観光客が多く、バスもよく利用されています。漢字だと海外の方にはわからないので、アルファベットを用いることにしています。」

系統番号改訂のきっかけになった、国土交通省の『乗り合いバスの運行系統のナンバリング等に関するガイドライン』には、策定の経緯として、冒頭にこう記されています。

『観光先進国を目指すとともに、乗り合いバスの利用促進を図るためには、訪日外国人旅行者や日本人旅行者、障がい者を含む全ての利用者が、乗り合いバスの利用に際して必要となる情報を、簡単・便利にストレスなく入手できる環境を整備する必要がある』
-乗り合いバスの運行系統のナンバリング等に関するガイドライン 3ページ

系統番号の見直しが全国的に行われた背景には、観光分野を伸ばすという目的があったんですね。特に函館は観光都市でもあるので、アルファベットが採用されたのも納得です。

兎にも角にも、行方不明のアルファベットがあるのは、お年寄りや目の不自由な方、外国人観光客の乗り間違いを減らすための工夫をしたから、という理由でした。
ちなみに、この理由に当てはまらないのに抜けているものについては、単に路線が廃止されたため、だそうです。

 

なぜこんなにたくさんの系統があるの?? 
函館バスの系統数は188にものぼります。
函館市内に乗り入れをするものに限定しても、124系統もあります。
例えば、東京都内を走る都営バスの系統数は129なので、とてもたくさんの路線があることがわかります。
なぜこんなにたくさんの路線があるのでしょうか。
理由のひとつが、函館の地形と道路事情にありました。

函館は、扇形の地形をしています。このため、道路を直接引くことができず、複雑に入り組んでいます。一方通行や放射状の道路が多数あり、行き止まりも多いですよね。その結果、バスの立ち寄り箇所が増え、停留所が増え、ルートも複数に及んでしまっているんだそうです。

横山さん
「目的地までまっすぐ行きたい方のほうがおそらく多いと思うので、できるだけバス路線を直線的に引きたい。まっすぐ行きたくてもいけないというところも、路線が多い原因としてあるのかなと。」

目的地まで早く行きたいというニーズに応えるため、途中の停留所を飛ばす系統を設けた結果、系統数が増えた、という側面もあるようです。

函館のバスがすこーしだけ難しく感じてしまうのは、市民に寄り添う工夫があればこそ、だったんですね。

 

番外編1:「五稜郭」という名前のバス停、多くないですか!?

取材中、「ほっとニュース函館」を担当する、NHK函館放送局の花田キャスターから、こんな愚痴が。

花田キャスター
「五稜郭というバスの停留所が多すぎて、最初の頃はよく迷いました。五稜郭の停留所でバスを待っていたら、乗りたいバスは別の五稜郭の停留所に来ていたみたいで、いつまでもバスに乗れない、みたいな(笑)。これ、どうにかならないんですか!?」

聞いているだけでも混乱してくる話です・・・。
実は、「五稜郭」という名前の停留所、なんと8個もあるんです!

それぞれの停留所には異なる系統のバスが停まるため、どの五稜郭の停留所から出るバスに乗れば、目的地に行けるのか間違えすいのだといいます。
停留所同士も、最も遠いところでは徒歩3、4分ほど離れているので、間違いに気づいて向かっても、もうバスは行ってしまっていた・・・なんてことも。

なぜこんなことになっているのかというと、五稜郭に停まるバスがあまりにも多いからというのが理由のひとつ。
五稜郭に停まるバスの路線数は、合わせておよそ70にものぼります。
また、それらのバスが東西南北全ての方角からやってくるうえ、市電の線路が走っているなど複雑な交差点形状をしているため、バスによって停まれる停留所と、停まれない停留所ができてしまいます。そのため、停留所の数が多いのだといいます。

この状態、なんとかならないのでしょうか・・・。
実は、五稜郭に函館駅前のようなバスターミナルを作る構想があるんです。

平成27年に函館市が策定した、「函館市地域公共交通網形成計画」。まちづくりと連携しながら、鉄道、市電、タクシーを維持しつつ、バス交通を中心とした施策を実施するとともに、便利で利用しやすい持続可能な公共交通網の構築を目指す、というものです。
そのなかで、

『棒二森屋前、五稜郭、亀田支所前、湯倉神社前など、同一名称で複数存在するバス亭の集約化を図ります』
-函館市地域公共交通網形成計画18ページ

という目標が記述されています。

これをふまえ2021年に実際に作られたのが、亀田支所前のバスターミナルです。
かつては五稜郭のように、「亀田支所前」という停留所が6つも存在し、利用しづらいという声が上がっていました。そこで、バス停を一カ所にまとめ、ターミナルにすることで、不便感が解消されたそうです。(現在でもターミナル外に3カ所、「亀田支所前」の停留所は残っています)。

こんな感じのものが五稜郭にもできれば、もっとバスが乗りやすくなりそう!!・・・しかし、現実はそう簡単ではないようなんです。
最も大きな障壁が、土地の確保だといいます。
五稜郭周辺は、商業施設やお店が密集しており、市電への乗り換えのしやすさも考えなければならないため、条件に合う土地がなかなか見つからないそう。
現時点で具体的に「いつまでに完成」というような計画はないようですが、いつの日か、五稜郭のバス停が利用しやすくなることを楽しみに待ちましょう!

 

番外編2:乗り間違いを減らすコツ、あります?

取材の最後、対応していただいた横山さんに、「バスに乗る際迷わないコツ」を聞いたところ・・・

横山さん
「Google Mapなんかを使っていただけると・・・(笑)」

筆者
「もっとこう、“目から鱗”的なコツ、ないですか??」

横山さん
「系統番号がどう割り振られているかを知ってもらえると、多少は迷わなくなるかと思います」

函館バスの系統番号は、向かう方面によって番号が割り振られているんです。

函館市内と近郊に関しては、函館山から見て左側から順番に、10番台、20番台、30番台と、90番台まで方面ごとに10ケタ台の番号が設定されているんです!
具体的には、

10番台-上磯方面
20番台-大野方面
30番台-七飯方面
40番台-昭和方面
50番台-美原方面
60番台-鍛冶方面
70番台-花園・日吉方円
80番台-湯の川方面
90番台-恵山・南茅部方面

というように分けられています。

それ以外の町村に関しては、

200番台-鹿部方面
300番台-森・長万部方面
400番台-知内方面
500番台-松前方面
600番台-江差方面
700番台-北檜山方面

これさえ分かれば、迷うことも少なくなる・・・はず!
少なくても行きたい方面のバスには乗れそうです。みなさんも、利用しそうな路線に関しては、系統番号を覚えてみてはいかがでしょうか。

取材・文 NHK函館放送局ディレクター 岡 勇之介

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