NHK札幌放送局

にっぽん列島夕方ラジオ~北海道まるごとラジオ 放送後記  札幌の初夏を彩る“YOSAKOIソーラン祭り”

北海道まるごとラジオ

2023年6月16日(金)午後4時47分 更新

6月8日(木)の北海道まるごとラジオは札幌放送局からお送りしました。
今回札幌から全国にお届けしたのは、「YOSAKOIソーラン祭り」の熱気と魅力。4年ぶりに通常開催となったことしの盛り上がりを伝えるとともに、大学生が立ち上げたイベントが地域の文化になるまでにどんな歴史があったのかを探りました。 

進行は飯尾夏帆アナウンサー(踊ることが大好き!大学時代は競技ダンスをやっていました!)と、江連すみれ(筆者、よさこいは子どものころからなじみがあります!)が担当。
ゲストに、一般社団法人YOSAKOIソーラン祭り組織委員会 課長 広報・事業担当 横山尚子(よこやま・しょうこ)さんにお越しいただきました!

飯尾)横山さんにとって、YOSAKOIソーラン祭りの魅力って、どんなところですか。 
横山さん)大通公園をはじめ、道路だったり、公園だったり、普段踊れない場所で自分たちの街を舞台に表現ができる、踊り子たちが思いっきり踊れるっていうのが魅力かなと思います。
江連)大学時代以降、YOSAKOIソーラン祭りに関わって15年以上という横山さん。4年ぶりの通常開催となったことしは、どんな気持ちで開催の日をむかえたんですか。
横山さん)去年はウィズコロナということで、マスクを着けての踊りだったんですけれども、ことしはそういった制限がないので、踊り子さんたちの表情や声も見る人に楽しんでもらえると思いますし、踊り子さんたちもまたそれが喜びになると思いますので、準備している私たちもうれしいです。

YOSAKOIソーラン祭りについて、簡単にご紹介。

高知のよさこいと、ソーラン節を掛け合わせた踊り。
ルールは2つ。
1)手に鳴子を持って踊ること 
2)曲にソーラン節のフレーズを入れること
これさえ守れば、曲、歌詞、メイク、衣装は自由。
祭りの舞台は札幌市。会場の中心になるのは、大通公園。

特設ステージで踊る方法と、車道を開放して行進しながら踊る2つの方法があります。
はじまりは1992年。今年で32回目。
昨年は道内外から195チームが参加。
今や札幌の初夏を告げる風物詩となった祭りを立ち上げたのは、北海道大学の学生たちでした。


会場の熱気をお届け!

放送前日に、飯尾さんと江連で大通公園に初日の様子を取材へ!

飯尾
札幌市中心部大通公園の会場です。時刻は午後8時半を回ったところ。耳をすますと…どっこいしょ!という掛け声が聞こえてきました。いま北海道大学 縁というチームの演舞中。おそろいのインナーは緑、赤のハチマキ、紫のハッピ、そして踊り子たちの後ろには白い旗を持った人の姿もあります。体いっぱいを使って演舞を行っています。迫力ありますね~。席も満席に近いほど埋まっています。会場盛り上がっています。

ステージでは、カラフルな衣装が次々と変わったり、ドン!という足音や鳴子の音が響き渡ったりと迫力満点!とても興奮しました!
演舞を終えた「海響(うみなり)」、「北昴(きたすばる)」の2チームにお話しをききました。

海響
いや~楽しかった。最高でした。楽しかった。感動して本当に。暑い暑い。暑くて汗が。お客さんもマスク外していて僕らもマスクを外しているので、お互いに顔を見あって踊れるというのがコロナ後初なので、とてもお互いに楽しめあえた一発だったんじゃないかと思います。最高だった。
北昴
最高です。気持ちよかったです。頑張りました、全力。もう頑張りました。
(声枯れていますか?)はい。もう出し切りました。全力です。
ここまで何か月も何か月も準備してきたものをこの日のこの演舞のために全力をかけて踊りました。


踊り子が熱狂する理由

大学時代は競技ダンス部。踊ることが大好きな、飯尾さんですが、実は、YOSAKOIソーラン祭りで、踊り手がなぜ熱狂するのか正直よく分かっていませんでした。それを納得させてくれたのが、相馬伸太郎(そうま・しんたろう)さんでした。
相馬さんは恵庭市のチーム「恵庭紅鴉(えにわべにがらす)」の事務局長をされていて、36歳。小学6年生の時に地元のジュニアチームに参加して以来、もう20年以上YOSAKOIソーランにはまっています。相馬さんにのめりこんだ理由についてききました。

(左:大学時代の飯尾さん 右:相馬伸太郎さん)

生きていて「わ~幸せ」って思える瞬間って少なくないと思うんですよ。めっちゃ真夏の暑い日に働いて家に帰ってきて1杯目の缶ビールとか超幸せだなって思う、その瞬間もすっごい幸せですよ。すっごい幸せですけど、この活動をしていると、楽しいって思える瞬間、幸せって思える瞬間、ああ本当に良かったと思える瞬間がすっごいたくさんあるんですよ。それが缶ビール飲んで幸せっていう私1人の時間の幸せじゃなくて、5人、10人、20人、30人、100人で一緒に過ごしているときにみんなで幸せになれる、みんなで喜びを分かち合える、これはものすごく大きいなと思います。

横山さん)みんなで分かち合えるっていうのが、すごく大きな根本的な魅力ですよね。
江連)確かに。普通に生活していて、数十人、100人で、しかも幅広い年代の人と一緒に喜びを分かちあえる体験って、なかなかないかもしれないですよね~。
飯尾)学生時代の部活動に近いものはあるかもしれないけど…。

相馬さん、分かち合う喜びは、見ている人を感動させる喜びだと話しています。

野球で日本中を熱狂させて、日本中の人を幸せにしたいと思ったら日本の野球人口のベスト9に選ばれなきゃいけないわけじゃないですか。WBCの舞台って強烈な感動を覚えますよね。これってものすごい大きな努力とものすごく大きな時間が必要になってくるんだと思うんですよ。けど、YOSAKOIソーランってその辺のおじいちゃんおばあちゃんお兄ちゃんお姉ちゃん子どもたちでも一瞬それを成す可能性があって、素人でも昨日始めたばっかりの人でも人の心を動かして感動を与える可能性はあって、誰にでも等しくある大きなチャンスだなと思います。

横山さん)YOSAKOIソーラン祭りのイメージって若い人たちが元気いっぱい踊ってるって思う方は多いと思うんですが、実は子どもからおじいちゃんおばあちゃんまで、最高齢の人だと80過ぎまで踊り子で出ている人もいますし、ベビーカーで3世代で来る人もいたりとか。象徴的なものとしては、2002年にYOSAKOIソーラン大賞を取ったのが日高の三石のチーム(今の新ひだか町)。浜のお母さんたちが中心になったチームですごくエネルギッシュでパワフルで、本当に感動的な演舞だったんです。受賞したときのインタビューで「こんなおばちゃんがもらっていいんですか」って言ったのが語り草にもなっていて。それだけ老若男女問わず誰にでも輝ける可能性があるっていうのがお祭りの魅力として大きいんじゃないかなと思います。


地域の結束力

恵庭市のチーム「恵庭紅鴉」の事務局長・相馬伸太郎さんがYOSAKOIソーランを通して得た幸せや力がまだ展開していきます。それが、地域の結束力。2018年、最大震度7の揺れを観測した「平成30年北海道胆振東部地震」。相馬さんが暮らす恵庭市では、震度5強を観測しました。全道的に停電が起きましたが、相馬さんの自宅でも1~2日停電。エレベーターが動かない、水と電気が通らない状況が続きましたが、YOSAKOIソーランの力を感じたといいます。

グループLINE上で「うちお風呂入れるよ」「うちガスつくから煮炊きできるよ」とか「うち電気通ったから携帯充電しにおいで」みたいな、困ったらうちにおいでっていう連絡がたくさん飛び交ったし、「じゃあ助けてください」「おじゃまさせてください」「お風呂貸してください」というやりとりもすごくスムーズに自然になされて、なるべくみんな困らない環境がチームの中に作れていたなと思います。「助けてください」とか「困ったらおいで」と両方なんのストレスもなく自然に声を掛け合えたというのは、終わった後振り返った時にこれはすごいことかもしれないなというふうに思って。助け合いが自然とできる信頼関係が100人、150人規模の人の集まりとして町の中に持てたっていうのは、きっとすごいことなんだと思って、町の中で町にこだわってチームを作ってやってきて本当によかったなと痛感する出来事だったなといまだに思いますね。
長い時間、長い期間ともに過ごす中で他人じゃなくなっていくんだと思うんです。災害に備えてこういう団体を作ろうとはひとつも思っていないんです。こんなことになるとは思っていないですし。こんな機能を持つなんて思っていなかったですけど、例えばYOSAKOIソーラン祭りに向けて3か月、4か月半年みんなで同じ目標に向かって一生懸命努力をする、フォローしあったり指導したり叱咤激励したりしながら関係性をつくっていくことで深まっていくこともあると思いますし、何もないときに日常的に遊ぶことで深まっていくこともあったんだなと思うので、副産物だなと思います。

横山さん)学校や家、職場じゃない第三のコミュニティとしてよさこいソーランのチームって実はすごく大きな意味があるんじゃないかなと思っていて。普段から世代や地域をまたいでコミュニティができて、いろんな交流が生まれているって言うことにすごく価値があると思っていて。YOSAKOIソーラン祭りって5日間のイベントなんですけど、実はそれに参加するために参加者の皆さんは1年中活動していて、その5日間だけじゃなくてむしろ350日の活動とか、そこで生まれてくる輪、コミュニティに価値があるんじゃないかなと私たちとしては考えています。


地域の結束力が継続の鍵に!

地域の人に理解してもらうための苦労もあります。
お祭りの中心は「大通公園」周辺ですが、それ以外にも会場があります。1996年にスタートした、新琴似会場を例に見ていきます。大通公園から少し離れた地域でもお祭りを楽しんでほしいと会場を設け、自治会や地域ボランティアが中心で運営してきました。はじめは勢いで始めましたが、徐々に「いつまで続けるのか」という声が届くようになりました。それをどう解消していったのでしょうか。 YOSAKOIソーラン祭り 新琴似会場実行委員会 事務局長・斉藤純(さいとう・じゅん)さんの話です。

各団体の代表の方のお家に行っていました。年末とか今年もありがとうございましたと。はじめは玄関先で「ああそうね、どうもね」としか言ってもらえなかったのが、だんだん「ああそうか今年も来たか。じゃあ家にあがりなさい。お茶でも飲みなさい」と言うふうにだんだん重ねていくごとになって。

さらに、新琴似の会場に、祭りを定着させるために、新琴似会場実行委員会の斉藤さん、地域のための取り組みを次々と実行しました。

核となる人たちばかりではなくて、この地域に住んでいる皆さんに分かってもらうためには、活動をお見せしたりすることがすごく身近になっていってもらえるのかなあと思います。その活動の中の1つに、本祭前に新琴似会場のゴミ拾いをするとか、12月31日に神社の境内を借りて、餅つきをして地域の方たちにお餅を配るとか。そういうとにかく接点を多くしていくということを頑張っていたというか、僕ら側が近づかせてもらったのかなとは思いますよね。


YOSAKOIソーランを、より楽しく見よう!

最後は、横山さんにYOSAKOIソーラン祭りの2つの形式の楽しみ方を教わりました。

パレード形式
…道路を突っ切って踊る。目の前を踊り子が通る。間近で熱気を感じられる。距離が近いので、表情まで臨場感たっぷりに味わえる。
ステージ形式
…ステージ上でその場で踊る。全体の構成や雰囲気が見える。チームの一体感を感じられる。

YOSAKOIソーラン祭りについてたっぷりと語った50分間でした。ことしはもう終わってしまいましたが、また1年後に、ぜひ両方の形式で楽しみたいですね!


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