NHK札幌放送局

高校生たちが地元を愛する理由

ローカルフレンズ制作班

2022年9月29日(木)午後5時57分 更新

浦幌町での滞在も残りわずか。 すっかり町に溶け込んで、浦幌町の魅力も分かってきた住田カメラマン。 

滞在28日目。
ローカルフレンズの2人に連れられ向かったのは、一年で町が一番にぎわうという「みのり祭り」。浦幌の特産品などおいしい食べ物が並ぶ会場は、町内のみならず町外からやってきたという多くの人たちであふれています。その数1万5000人。なんと!浦幌町の人口のおよそ4倍にもなります!

会場にはこれまでの放送に出演していただいた方の姿も。
3週目に登場した、農場に小学生を招いてカレー作りをした農家の元木さん。この日お客さんにふるまうのは、朝採れたてのトウモロコシでつくる「焼とうきび」。

お祭りの会場、そのあちこちで若者たちの姿が目につきます。

保育所からの幼馴染4人組がステージを盛り上げます

中でもひときわ目立つブースが。

浦幌出身の中高生たちが結成した、その名も「浦幌部」のブース。
「浦幌部」は、2週目に少しお伝えした、ローカルフレンズの井上陽(はる)さんがUターンを決めた理由の一つにもなった団体です。

ブースでは、町外の高校へ進学した浦幌出身の高校生たちが、浦幌特産の小豆や町の花「ハマナス」を使ったスイーツを販売していました。

嶋田諒さん

その中の一人、嶋田諒さん。隣の本別町にある高校に通いながら、浦幌部に参加しています。中学校までは「何もない浦幌町が好きじゃなかった」という嶋田さん。今では「地元のために何かできれば」と、将来は浦幌町での起業を目指しています。

この日、準備したスイーツ210個全てを完売した浦幌部。嶋田さんは、「町外へ行って離れてしまった同級生が来てくれることが嬉しい」と話します。

この「浦幌部」へつながる取り組みをした方に、浦幌が変わるきっかけになったという場所でお会いしました。

北海道浦幌高校

2010年、町で唯一の高校だった北海道浦幌高等学校が、道の方針で廃校になりました。このままでは中学を卒業した後、若者たちは浦幌町を離れて町とのつながりを失ってしまう―。そんな中「生まれ育った地域に愛着と誇りをもって育ってほしい」と大人たちが手作りの取り組みを始めます。近江正隆(おうみ・まさたか)さんも、そんな危機感を抱き立ち上がった一人でした。

近江正隆さん

まず考えたのは、中学生向けに企画したバスツアー。町をよく知ってもらいたいと始めましたが、反応はイマイチ。それでもあきらめず、地道に学校の先生や農家の方々に掛け合い、様々な活動に挑戦し続けてきました。

そうした活動の中から2016年に生まれたのが「浦幌部」です。近江さんはじめ町の大人たちが様々なイベントを企画する中、子供たちは高校進学のため浦幌町を離れても町と関わり続けたいという思いを抱くようになり、「浦幌部」を結成。町内のイベントへの参加や清掃活動などを自ら企画し実践するようになっていったのです。

「先生や私たちが「好き」と言わせるのではなく、心から浦幌が好きと思ってもらいたい」

今こうした浦幌町の取り組みに、町外からも注目が集まっています。

若者が集う場所があり、故郷が大好きな若者たちがいて、そんな若者たちを支える大人たちがいる。そして、浦幌出身者だけじゃなく移住者も迎え入れ、ともに未来を切り開いている浦幌町。その土台にあったのは「生まれ育った地域に誇りをもってほしい」という10年以上前から続く想いでした。


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