NHK札幌放送局

相次ぐ知床の不法投棄 #ヒグマ

オホーツクチャンネル

2020年7月14日(火)午前10時30分 更新

ことし5月、ヒグマがごみをくわえる写真について#オホーツクチャンネルでご紹介しました。その後、ヒグマの研究や調査を行う知床財団の職員と一緒に現場を歩いてみました。見えてきたのは、2か月経っても変わらない、ごみの不法投棄でした。

クマがいた現場を案内してくれた知床財団の葛西真輔さんです。

ごみをくわえたヒグマが撮影されたのは、世界自然遺産・知床の玄関口、斜里町幌別地区の駐車帯。車を止めた観光客が、休憩したり景観を楽しんだりする場所です。
知床は、ヒグマが高い密度で生息する世界有数の場所です。しかし長年、人が出すごみの問題に悩まされ、知床財団や地元の斜里町は、対策に追われ続けています。

さらに、ことしは、新型コロナウイルス対策で、周辺にあるコンビニなどのごみ箱が撤去された影響で、生ごみや空き缶などの投棄が特に目立っています。

ごみをくわえたヒグマが撮影された場所では、空き缶や食べ終えた弁当、さらには掃除機まで捨てられていました。

 私たちが取材した日にも、同じ場所で、動物の歯形がくっきりと残る空き缶を見つけました。葛西さんは、クマかキツネの歯形だと指摘します。葛西さんは、とてもショックを受けている様子でした。ここはごみが多く捨てられているため、1週間に1度程度、巡回を続けている場所です。この空き缶はごく最近、捨てられた物です。「拾っても拾ってもキリが無い状況なんですよね」。葛西さんは苦しい表情でこうつぶやきました。

 人間のごみは、ヒグマにどのような影響をあたえるのでしょうか。
 葛西さんは、ヒグマが人間の食べ物や飲み物を一度口にしてしまうと、何度も人里に降り、食べ物を探すようになってしまうと言います。
ヒグマが人里に下りてくるようになると、人とのトラブルに発展するリスクが高まるため、そのヒグマを駆除しなければならないのです。

知床財団が回収したごみの量は、4月からの3か月だけで、およそ300キロになります。処分の費用はすべて財団や斜里町が、負担しなければなりません。

知床財団 葛西さん
「ごみって食べ物としてすごく良い物なんだとクマが認知すれば、それを何度も何度も、やっぱり求めて出てくるような状況になる。我々何度もそういうのを経験していて、トラブルをおこすきっかけになるようなものになるので、なるべくそういうものは除去したい、あまり近くに置きたくない、ゴミとクマを引き離しておきたい」。

 ごみを少しでも減らそうと、斜里町のホテルの周辺では、ポイ捨てされたごみを集めるボランティア活動も行われました。地元の人たちおよそ30人が参加し、見つけたゴミを次々と集めました。ペットボトルやプラスチックの袋など多くのごみが見つかりました。

 さらに、ヒグマが隠れる場所になりやすい周辺の草も刈りました。参加した地元ホテルの従業員たちからは、「これでも少ないほうです。ゴミ見つけてすごい悲しい気持ちになります」といった声や、「あんまり捨てないようにはして欲しい」といった率直な意見が出されました。

知床財団 葛西さん
「ごみは人間が出した物だと思うので、それを回収するのも人間の手でやっていかなきゃいけない。なかなか完全には行かないと思いますけど、完璧って話にはいかないですけど、取り組めるところから取り組んで行きたいと思う」

 斜里町は不法投棄を防ごうと、ごみが頻繁に捨てられる場所に防犯カメラを設置する対策を新たに始めることにしています。

その他、オホーツクのニュースは以下のホームページで確認できます。

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