NHK札幌放送局

手作りマスクが語り継ぐ web

0755DDチャンネル

2020年8月4日(火)午前9時00分 更新

新型コロナウイルス対策に欠かせないマスク。感染が広がり始めたころ、市販のマスクが店頭から姿を消したことで、人々はマスクを手作りするようになりました。
浦幌町立博物館は、その手作りマスクの収集を開始、8月に特別展を開催します。いったいどんなマスクが集まっているのか、マスクは何を伝えるのでしょうか。
初回放送:2020年7月25日(土)
web版動画掲載しました!

「あなたのマスクを展示させて下さい!」

JR浦幌駅前から続く通りにある喫茶店を訪ねました。入り口のすぐわきの棚にあったのが、「手作りマスクを大募集!」のチラシ。タイトルは「あなたのマスクを展示させて下さい!」です。

手作りマスクを募集しているのは、浦幌町立博物館です。博物館では、町内の飲食店や道の駅はもとより、道内各地の博物館施設にチラシを配布、facebookの公式アカウントでも応募を呼びかけています。
いったいなぜ手作りマスクを集めているのでしょうか。

浦幌町立博物館学芸員・持田誠さん
市井の人々の暮らしを、ある意味、一番身近で伝えているのが、マスクと言えます

浦幌町立博物館が始めたのは、手作りマスクを「コロナが生み出した新しい文化」として記録する試みです。
チラシは応募票になっていて、苦労したところや、工夫したところ、思い出など、エピソードも書き込めるようになっています。
これらのエピソードはマスクの実物とあわせて、「コロナな時代」を人々の目線で記録し、伝えていく鍵になります。

浦幌町立博物館学芸員・持田誠さん
モノと一緒にそのモノにまつわるストーリーみたいなものが残ると、なんでそのモノがこの時代その人の手元に生み出されたのか 伝わってきたのかわかって、時代資料としては非常に重要なものになると考えています

坂下さんの場合「進化する手作りマスク」

浦幌町の坂下禮子さんは、作っていた時期が異なるマスクを博物館に届けました。画像の左が作り始めたころ、真ん中が型紙を手に入れて実用性が高まったころ、そして、レースの生地やカラフルな布を使う最新型です。

200枚以上のマスクを作成 坂下禮子さん
「当初はどうやって作っていいか分からなくて。最初の四角いマスクは横があいてしまい不評でした」

試行錯誤の時期に続いて、家族を通じて型紙を手に入れ、マスクは大きく進化しました。顔にフィットするデザインは、とても好評だったそうです。
ただし、時間がすすむにつれて、喜ばれるマスクに、あらたな要素が加わっていきました。

坂下禮子さん
レースのものや、きれいな模様のものが、みなさん良かったようです

浦幌神社の場合「思いをこめて」

「妊婦さん応援マスク」を作成して希望する妊婦さんに配ったのは、浦幌神社の宮司、背古さん夫妻です。浦幌神社は境内に乳神様をおまつりしています。乳神様は、子宝・安産の神様として信仰を集めていて、「おっぱい神社」としても知られています。

浦幌神社・乳神神社 宮司・背古宗敬さん
妊婦さんたちは、ただでさえたいへんなのに、新型コロナウイルスへの不安な気持ちでいるなかで、神社として何かできないかなということで作りました

マスクの材料が手に入らなかった時期、何かいい素材はないかと神社内を探したところ、初宮参りの記念品として用意していた赤ちゃん用の国産ガーゼタオルと、みこし担ぎ用の豆絞り柄の手拭いが見つかりました。応援マスクは、このタオルの生地で手拭いを挟み込む三層構造です。

妻の円さん
手間がかかっても、できるだけ安心して使えるものをと作り方を調べました。友人に手伝ってもらって4人体制で6時間かけても作れるのは10枚から15枚ほどでした
宮司・背古宗敬さん
マスクが届いたあとに妊婦さんから「勇気づけられました」とのお便りももらい、思いが届いてよかったです

8月に特別展「コロナな時代のマスク美術館」

浦幌町立博物館の呼びかけに、地元十勝や道内各地から、手作りマスクとエピソードが次々届いています。【母の日に娘さんが作ったマスク】【外さなくても飲み物が飲めるマスク】【アマビエを刺しゅうしたマスク】【リアルな狼の鼻のかたちをしたマスク】などなど。遠くはフランスから、手作りマスクをあつかった雑誌の記事の切り抜きも届き、反響は広がっています。

浦幌町立博物館学芸員・持田誠さん
突然、生活必需品になったマスクは、当初、市販品がなくなり、資材が足りないなか、みなさん、手探りで作っていました。それが、時間がたつにつれて、服装などと同じような服飾品として、布を選んだりデザインがきれいになったりと変化していきました。これは、感染症対策から新しく生み出された文化と考えています

博物館ではこうした手作りマスクの実物とエピソードを紹介する特別展「コロナな時代のマスク美術館」を8月1日から9月27日まで開く予定です。

2020年7月25日

web版 動画

2020年7月30日更新

放送予告コンテンツはこちら

関連コンテンツ
浦幌町立博物館では、「コロナな時代」の人々の暮らしはどうだったのか、世相を記録するために、手作りマスク以外にも資料の収集を進めています。こちらのコンテンツもあわせてどうぞ。

WEB特集 マスクも収集"コロナの時代"を後世に

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