NHK札幌放送局

【第2座・利尻山】放送記録③10年越しの山頂!の巻『神田山陽のうんちく百迷山』

北海道まるごとラジオ

2021年10月18日(月)午後2時57分 更新

『神田山陽のうんちく百迷山』。コロナ禍でも密にならないレジャーとして登山が人気ですが、緊急事態宣言が各地で延長(放送日・2021年9月12日現在)。地域間の移動を伴うレジャーが難しい状況が続いています。そんな中だからこそ、音声で登山気分を楽しんでもらおうという番組!今回の山は、「利尻山」です。 (ここまでの内容は、放送記録からどうぞ)

登ったのは、講談師 神田山陽さん。MCは、鈴木遥アナウンサーと、佐藤千佳キャスターです。

8月某日。午前2時に出発し、順調に始まった山陽さんの登山。八合目(長官山)あたりから雲が出てきて、風も強くなってきました…。利尻山登山も、いよいよクライマックス。最後のひとのぼりです!

いざ、山頂へ!
《♪風の音》8合目長官山から9合目まで、足取りは順調なんですが、、、天気が激変しました。風が、大変強くなりまして、一面霧の中にのまれております。ここからが正念場という利尻山なんですが、9合目から山頂まで500mの標高差。約1時間といわれております。このまま真っ白の中を、無事登り切る事ができるのでしょうか。あの、願かけとして私はここであの、え~甘納豆を、食べながら登ってみたいと思います。なぜ甘納豆かは、スタジオで。
《♪強風》9合目半を過ぎたところです。土、岩の色が変わりましたね。ココアをまぶしたような、石ころが目立つようになりました。ここから山頂まではあと20分、相変わらず、もやの中におります。山頂はいまだ見えておりません。本当に山頂あるのでしょうか。甘納豆が尽きたので、次はマシュマロで行ってみたいと思います。
《♪風のなかを歩く》
ついに利尻山山頂の、立て札が見えました。これが最後の下り。そして、あっもうそこからが、これが最後の登りか!おお。風が強い!急にビュービューきた!夜更けに出てきて、思ったより快調に、何か最後、登ってしまうのも惜しいぐらい、あっさり山頂だな。さて、うん、もう、10歩12・3歩。
よっこいしょ!
到着してしまいました。利尻山頂です。
360度の、眺めというのを楽しみにしておりましたので、ちょっとそこら辺はね。惜しい気もしますが、まあ、こういった事なんではないでしょうか、今回は。

山陽さん:山頂が近くなるにつれて声が小さくなってくるという、珍しいレポートでしたね(笑)。寝起きか何かのレポートするのかっていう。いやぁもうね、何も見えないんですよ。おかゆの中を進んでいるような。眼鏡には霧がつき、風に吹かれて、どっちから吹いているんだか、わからない風の中で、真っ白な中を、何か進んでいるっていう。
佐藤:さっきのボブディランの「♪風に吹かれて」は、これの伏線だったんですか?(笑)
山陽さん:そういうわけではないんですけど(笑)、・・・あの、全く景色見えなかったですね。同じような思いをしている方が、山頂に人がいらっしゃったので、大きな声を出すのを控えたところもあるんですけれども、「何を話したらいいかしら」っていうような山頂でございました。

鈴木:何年か越しの、利尻山山頂でしたけども、いかがでしたか。
山陽さん:今回、とりあえず登れたということで、3度目の正直がいつかあるんじゃないかな、とは思っておりますが。

“甘納豆”に願いをこめて

山陽さんが「スタジオで」!と言っていた、甘納豆について、ツイッターでも皆さん気になっているようでした。「願かけ」と言っていましたが、どんな意味があるのでしょうか?

山陽さん:これはですね、私は山登りにあこがれたのは、やっぱり読み物から入ったんですけれども、加藤文太郎という、登山好きな方なら、名前を口にするだけで背筋が伸びるというような方がいらっしゃるんですよ。この方、1930年代に、登山ってのは大変お金のかかるレジャーだと。パーティー(チーム)を組んで大勢で行くっていう時代に、単独行・しかも地下足袋を履いて(!)日本の高い山々を踏破したという伝説の方なんです。この人がポケットに、甘納豆といりこを入れておいて、交代交代に食べたんです。「いりこ・甘納豆。いりこ・甘納豆」という感じで。
鈴木:いわゆる、行動食ってやつですね。
山陽さん:甘納豆が好きで、甘納豆を、お湯でとかして、おしるこみたいにしていたこともあるんですって。甘いものは力が出ますからねぇ。

で、“マシュマロ”は…?

山陽さん:マシュマロは何だった?っていう投稿は、来ていませんか?
鈴木:マシュマロは…(ツイッターを見る)…みなさん気になっていないようですね(笑)。でも、私は気になっています!
山陽さん:1970年5月11日といえば!日本人初のエベレスト登頂!松浦輝夫、そして植村直己、私の中学の頃のヒーローですね。植村さんが、朝起きて、「エベレストにその日、いよいよ登頂しちゃうよ!」っていう日に食べたのが、マシュマロ2つと紅茶なんですよ。ここから力を出すぞ!っていうときには、私は甘納豆とマシュマロって、山では決めているんですよ。
・・・それだけのことなんですけどね。それだけのことなんですけど、何も見えないときに、もう、「頼む!」っていう、願いをこれに込めてっていう、甘納豆とマシュマロだったんですよ。

ここで、山陽さんからもうひとつうんちくが。

山陽さん:「マシュマロ」ってね、植物の名前なんですよ。
鈴木:あ、そうなんですか。
佐藤:知らなかった!
山陽さん:「ウスベニタチアオイ」っていうのが、日本の名前なんですって。これの根っこのところを、(葛湯の)クズみたいに、とかして、こして、ハチミツを混ぜたのが2000年前エジプトの王様の好物だったんですって。これが漢方薬みたいになって入ってきて、ヨーロッパで「MarshMallow(マシューマロゥ)」っていうのが、これの英語名らしいんですけど。マシュマロがそのままその植物の名前になって、今はタチアオイの根っこは使ってないんだけど、あの形状のものを「マシュマロ」っていうようになったんです。マシュマロ成分が入ってないのに、名前だけ残ったって、「長官山」みたいですね、利尻山の。
鈴木:そんなうんちくが飛び出すとは思っていませんでしたね。びっくりしました。
山陽さん:山とは、ほぼ関係ないですけどね。いつものように(笑)。
私の若い頃のバイブル『青春を山に賭けて』(植村直己著)の中に、「エベレスト登頂の日の朝にちょっと寝坊してしまったんだけれども、これで元気をつけた。」って。「少しあったまった」っていう一文があるんですよ。マシュマロ。
鈴木:食べ物と登山って、私は全然ピンと来てなかったんですけど、みなさん、こう、思い入れがあるんですね。
山陽さん:「これを持っていくと験がいい」とか、やっぱりあるんじゃないですかね。あとはほら、この程度の、というとなんですけれども、この山(利尻山)だと何か生きて帰れるなと思いますけれども、「最後の食事になるかもしれない」っていうのもあるでしょう。そして、軽くてなるべくカロリーがあってと考えると・・・相当高いところに行かれる方は、執着あるんじゃないですかね。
鈴木:そう考えると、「死ぬ前に食べたいものといえばコレ」みたいな話をたまにしますけど、私なら、お寿司とかラーメンなんですが、お寿司を山に持っていくわけにはいかないし。
山陽さん:そこが難しいところなんですよ。
鈴木:ラーメンならイケますかね?
佐藤:ラーメン食べる方いらっしゃいますよね。カップラーメン。山頂で。お湯をわかして。
鈴木:何かの山頂だとお湯が沸くのが早いとか言いますからね。
佐藤:コーヒー飲む方も、よく聞きますよね。

皆さんは、最期の食事に何を食べたいですか?そしてそういうことも考えつつ、山には何を持って行きたいですか??山でグルメを楽しむ漫画も、人気ですよね。
最近では、「え!これが行動食!?」「山でこんな豪華な食事ができるの!?」というようなものも、あるようです。考えてみるのも、楽しいですね。

✉「先程の、実況中継開始直後の鳥の声を聞いて直感しました。コノハズクです!愛知県の鳳来寺山で有名な「ブッポウソウ」と鳴くコノハズクと同じでした!」

山陽さん:ありがとうございます!私も、私の友達の顔も立ちますよ!また「違いますよ」ってこのあと投稿来るなんかしてね(笑)。なんせ、姿が見えなかったですからね。夜の夜中でしたから。

✉「利尻富士に魅了され、これまで3度ほど登頂しています。なんと、山頂から景色は必ず、北から西側が雲海となり東から南側は晴天です。風向きなどの影響があるのでしょうか?」

鈴木:島の周り、山の周りが全部海だと、吹く風によって雲ができてしまうので、なかなかすっきりと晴れることはないって、よく言われますよね。
山陽さん:今回は本当に南から悪魔のような雲が湧いてきましたね
佐藤:ガイドさんにもお聞きしたんですけど、利尻山で「本当に快晴!」っていうのを山頂から見られる時って、年間3割ぐらいだそうですよ。

山陽さんにとっては、10年来の登頂でしたからね。登れただけで、気持ちを晴らしたかもしれませんけども…。いつか実際に、快晴の利尻山頂で360度の景色、見てみたいですね。
ただ、この番組、現在の世の中の状況で、登山を推奨するものではありません。あくまで、行かずとも「音で登山気分」を楽しんでいただくのが最大の目的!山陽さんの語りや体験から、山の魅力を受け取っていただけたらと思います。

・・・

「音声で登山気分」、今回もお楽しみいただけたでしょうか。今回は投稿もたくさんお寄せいただき、ありがとうございました!この「うんちく百迷山」、テレビでも5分のミニ番組として放送しているんです。ラジオでは出てこなかったエピソードもありますので、合わせてお楽しみください。(放送日は不定期です。)
さて、次回の「うんちく百迷山」の予定は未定ですが…2度あることは3度あるといいますからね!(笑)。3回目もあると期待して、またお会いしましょう!
今回も、お聴きいただき、お読みいただき、ありがとうございました。
毎回言っていますが、アフタートークを聴くまでが、登山ですよ。今回も、「え!?」と思うようなうんちくが盛りだくさんです。こちらも、ぜひお聴きください!
ちなみに、北海道まるごとラジオ「神田山陽のうんちく問答」は、11月4日(木)放送です。こちらも、メッセージ、お待ちしております。

「音で楽しむ登山『うんちく百迷山』第2座は利尻山!」TOPはこちら

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2021年10月18日

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