NHK札幌放送局

畜大で並木伐採 キャンパスで何が? #ナットクとかち

十勝チャンネル

2020年10月21日(水)午後5時03分 更新

十勝の皆さんの疑問や困りごとにこたえるナットク!とかちch。今回は、帯広畜産大学のキャンパスで進められている樹木の伐採についてお伝えします。
伐採についてニュースでお伝えしたところ、学生の1人から連絡をもらいました。

畜大の並木で進む伐採

NHKに連絡をくれた青木みのりさんです。帯広畜産大学の4年生で樹木伐採の一時停止を求めていた学生グループの代表です。
伐採の現場を案内してもらいました。

現場は大学の正門前の並木道。プロムナードとよばれています。
取材した10月19日には、ほとんどの樹木がすでに伐採された後でした。

青木みのりさん
「毎朝散歩するのが日課なので、土日も朝に大学に来ていました。いつか伐採されると覚悟していましたが、やっぱり目の当たりにするとちょっとショックでした」


計画は3年前から

大学が樹木の伐採を進める理由は、3年前に決定されたキャンパスマスタープランに記されています。この中で大学は30年後を見据えたキャンパスプランとして、構内全体の施設の大規模改修・改築を計画しています。正門前の整備は、この計画の一環で、歩道と車道を整備し直す工事が行われます。マスタープランでは、構内の樹木が老木となり、十勝の厳しい気候により、凍害による幹割れなどが発生し、倒木が発生しやすい状況になっていると課題があげられていました。
正門近くの木は、植えられてから40年から70年が経過し、実際に4年前の台風で倒れた木もあったということです。

休日だったため、人的被害はありませんでしたが、大学はこの経験から学生や教職員のために樹木を整備し直し、安全な環境を整える必要性を感じたということです。
大学は、国からの予算措置を受け、来年3月末までに正門前の道路などの整備工事を行い、その際に、高齢化したシラカンバやニニキギ、ヤマモミジなどの樹木を伐採し、新たに十勝の在来種を植樹する計画でした。


再調査の結果10本を保存

一方、キャンパス内にはエゾリスなどの野生動物も生息しています。伐採による影響も懸念されるとして、青木さんたち学生のグループは学生64人分と卒業生ら80人分の署名を集めて2回にわたり大学に提出、伐採の一時停止と説明会の開催を求めていました。

当初の計画では、整備工事は9月に始まる予定でしたが、大学はこうした学生たちの意見を受け、今年度すでに実施した学内の専門家による調査について、担当者を替えて再び実施することを決めました。

この再調査の結果、大学は伐採予定の132本のうち10本の樹木を保存することを決め、大学のホームページと学生向けの学内ポータルサイトで公表しました。

帯広畜産大学 藤波豊彦 副学長
「この10本が今後また育っていき、その木だけが古くなっていったときに、10本管理するためには、費用と手間がかかりますが、学生たちの声を聞いて見直しをはかりました。調査では31本は(今後10年から20年は倒木せず)大丈夫だろうということだったんですけれども、構内の車の流れや、道路に隣接しているところは育っていくと危なくなりますので、そういったことも考慮しながら10本という形にしました」


“説明が不十分”の声も…

しかし、学生が求めていた説明会は開催されないまま、工事が10月13日から始まりました。

青木みのりさん
「10本残せたことは純粋にうれしいと思っています。でも、たくさんある木のうち“たった10本か”という思いは少し残っています。
議論の場もほしかったし、ホームページじゃなくて、学校側のことばで説明してほしかったです。どのような感じでマスタープランがつくられて、実際計画するに至ったか、そのプロセスを明確にしてほしいし、今後の管理の仕方をしっかり説明してもらいたいです」

大学は学生や教職員の安全を最優先にしている結果だとして、理解を求めています。

帯広畜産大学 藤波豊彦 副学長
「伐採だけに着目していただくと、私たちの真意とは全く違ってきます。本来、大学は学生・教職員が安全安心で過ごせるキャンパスが理想で、最大限尊重されるところです。大学側としては老木があり、リスクがある以上は、リスクの管理をしっかりした上で環境に配慮しながら計画的に整備を進める、それが大学の責務と思っております。伐採だけではなく、今後環境整備をしっかりやるための、安全を確保していくための計画だということをご理解いただければと思っております」

大学は、学生の意見を聞く手段として、学長に意見を申し入れることができるボックスを構内に設置しているほか、今後新たな改修計画などがあれば学生の声を聞く場をつくることも考えたいとしています。


取材した三藤紫乃記者は…
帯広畜産大学をイメージしたときに思い浮かぶのは、正門の並木道ではないでしょうか。大学の顔とも言える場所で、学生や卒業生の人たちにとっては思い出深い場所だと思います。今回、取材で学生と大学のどちらの話も聞き、どちらの立場の話にも理解出来る部分がありました。
学生たちにとっては思い出深い場所であり、そこで暮らす生き物のためにも伐採以外の方法を模索したいという思いがある。大学には学生・教職員を守る責任がある。
双方の話を聞いた上で、私はキャンパス内の安全の確保のために木の伐採をすることは仕方がないことだと思いました。一方、大学側は学生と対話し理解を得る努力が不足しているとも感じました。対話の不足がこの問題を複雑にしているとも思います。互いの譲れないポイントはあると思いますが、オープンな姿勢で対話することが今後しこりを残さないために求められているのではないかと感じました。

2020年10月20日放送

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