NHK札幌放送局

妊娠・授乳中にワクチン接種していいの? #ナットクとかち

十勝チャンネル

2021年6月11日(金)午後0時42分 更新

ナットク!とかちchでは「私困っています 新型コロナウイルス」というテーマで、十勝のみなさんの疑問や困りごとにこたえるコンテンツを目指しています。

各地で進むワクチン接種。十勝地方でも、6月から64歳以下の人の接種が始まる自治体があります。十勝地方でもっとも早い6月14日に64歳以下の接種が始まる大樹町の方からこんなお悩みが届きました。

30歳男性
「現在2か月の息子がいます。授乳中・妊娠中の場合母子への影響がどうなのか、あまり情報がありません。(妻が)今後接種するか悩んでいる状況です」


授乳中の接種は?

この投稿を受け、話をうかがったのは感染症が専門の札幌医科大学の横田伸一教授です。
質問にあった授乳中のワクチン接種、どのように考えればよいのでしょうか。

札幌医科大学 横田伸一教授
「母乳にワクチンの成分がいくということは考えにくいということもありますので、ひとまずは安心して接種してもかまわないだろうというふうに考えます。ただ、授乳以外の基礎疾患などで気をつけなければいけない方もいらっしゃいますので、かかりつけ医に相談するのがいいかと思います」


妊娠中の接種は?

そして、妊婦へのワクチン接種。厚生労働省は海外の事例から「現時点で特段の懸念が認められているわけではないものの、安全性に関するデータが限られていることから、接種のメリットとデメリットをよく検討して接種を判断してほしい」としています。

札幌医科大学 横田伸一 教授
「新型コロナウイルスの場合、特に妊娠後期に発症すると、重症化のリスクが非常に高いということが知られています。ですから重症化リスクというのも理解した上で接種を考えてほしいです。また、お母さんの体の中でできた抗体は赤ちゃんにも移行するため、ワクチン接種は生まれたばかりの赤ちゃんを感染から守るという意味合いもあるということはご理解いただきたいと思います」

横田教授は、接種を検討する材料としてワクチン接種が進むアメリカの状況も参考にしてほしいといいます。

札幌医科大学 横田伸一教授
「いまの段階では、比較的安全だろうということがわかってきています。アメリカでは10万人くらいの妊婦さんにすでにワクチンが接種されていて、一般的に言われる副反応以外の胎児への影響などはないとされています。副反応自体も、妊婦さんあるいは授乳中の人でも、一般の人と変わらないというデータも出ていますので、特別な心配をする必要はないと思います」

その上で、横田教授はワクチンには“未知のリスク”があるということを頭にとどめておいてほしいといい、医療者としての複雑な心境も明かしました。

札幌医科大学 横田伸一教授
「妊婦さんで接種することが非常に気になるというような方の場合には、家族が接種を受けることによって、その妊婦さんを守っていくという方法もあると思います。まわりの人がワクチンを打つことによって子どもも含めて接種できない人を守るという考え方です。私自身も全員に“打ってもいいですよ”とはなかなか言いづらいところはあります。そのあたりは悩みながら、でも接種する方向で積極的に考えるのはいいことなのかなと思っています」

厚生労働省によりますと、ワクチン接種で健康被害が起きた場合の救済制度があり、国の審査会で接種と健康被害との因果関係が認められた場合、法律に基づいて給付金が受けられるということです。
横田教授には自身が当事者だったら接種をどう考えるのか質問してみました。

記者
「もしも先生に妊娠している娘さんや奥さんがいらっしゃった場合、こういう状況で接種するかどうかとなったときに、先生だったらどちらを選択されますか?」
札幌医科大学 横田伸一教授
「いまの現状でしたら積極的に打ってもいいのかなというふうに思っています」


ワクチンの効果は?

投稿をいただいた男性からは、ワクチンをめぐる別の質問もいただきました。

30歳男性
「このワクチンは感染を防ぐのか、発症を防ぐのか、重症化を防ぐのか、他人への感染を防ぐのか、どのような効果があるのでしょうか。そしてワクチン接種後どのくらいの期間、効果が持続されるのでしょうか」

この質問も横田教授に聞きました。ワクチンの効果としては、発症を予防する効果と、重症化を抑える効果の2つの効果が明らかになっているということです。発症を予防する効果については、ファイザー製、モデルナ製のいずれも90%を超える高い効果が確認されています。
一方で、ワクチンを接種して効果が出たとしても感染するリスクは0にはならないとして、接種後も感染対策を続ける必要があるということです。


効果はいつまで続く?

横田教授によりますと、接種後およそ10日から2週間の間に免疫ができて、だんだんとワクチンの効果が出てくるということです。
今のところ、ワクチンの効果は半年程度続くとされています。半年以上効果が続く可能性もあり、この点は今後も各国で調査が進んでいくと見られます。

【取材した三藤紫乃記者は】
投稿した男性によりますと、新型コロナウイルスによって子育て世代を対象にした地域の集会なども中止になったことから、男性の妻はママ友同士の情報交換もできず、相談できる相手もほとんどいないということでした。同じような状況で不安を抱えているという人もいるのではないでしょうか。
新たなワクチンであるため、接種後にはまだ報告されたことのない健康被害が起きる可能性は否定できません。各国で調査や研究が進められていますが、はっきりしない点も多く、この記事を読んでも不安が完全に払拭されるということはないかもしれません。
ワクチン接種は強制されるものではありません。体質は一人ひとりで違うため、不安がある場合には、産婦人科の医師やかかりつけ医など、医師に相談した上で接種するかどうか自分の納得する選択をしてほしいと思います。

2021年6月8日放送

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