NHK札幌放送局

家族に面会できない #ナットクとかち

十勝チャンネル

2021年1月28日(木)午後5時13分 更新

ナットク!とかちchでは「私困っています 新型コロナウイルス」というテーマで、新型コロナウイルスをめぐる十勝の皆さんの疑問や困りごとにこたえるコンテンツを目指しています。

家族が入院中という女性からこんなお悩みが番組に寄せられました。

女性
「長期入院している家族に面会できません。危篤にならない限り顔も見られない。これからもずーっと同じ対応でいいのですか?」

1年近く娘の顔を・・・

投稿してくれた女性は、家族に迷惑がかかるからとインタビュー取材は遠慮したいということでしたが、電話でお話を聞くことができました。

女性
「もう1年近くも娘の顔を見られていないんです。何とかならないか病院には相談しているのですが・・・でも感染状況を考えると仕方ないのかなぁ」

電話越しからは悲しみと諦めにも近い声が聞こえてきます。
投稿にあった入院している家族とは、娘さんのことでした。娘さんは重い障害のため寝たきりの状態で長年病院に入院していました。そんな娘さんのことが心配で、女性は新型コロナウイルスの感染拡大前は、毎日、病院に通って面会していました。「たとえ会話はできなくても手を握って話しかけ続けることが大切だ」と信じているからです。そんな中で起きた新型コロナの感染拡大。去年2月から面会ができなくなってしまい、以来1年近く会えていないということでした。

“面会と感染防止”両立へ模索も

新型コロナの感染拡大で十勝地方の大半の医療機関は「面会は全面禁止」としています。ただ取材を進めると面会と感染防止の両立へ模索を続けるところもありました。その一つが帯広第一病院です。病院では感染拡大で去年2月に面会が全面禁止になっていました。しかし、面会を望む患者や家族の声を受けて、去年6月から始めたのが「オンライン面会」でした。

面会を希望する人は事前予約の上、院内の1階にある個室を訪れます。面会ではタブレット端末を使って病室にいる家族と話します。感染防止のため会話時間は5分間に限られています。

およそ1か月ぶりにオンライン面会に訪れていた女性は、画面に顔を近づけて涙を流しながら画面越しの息子さんに呼びかけていました。話すことができない息子さんの代わりに看護師が「息子さんお変わりないですよ、安心して下さい」と女性に伝えていました。女性は涙を拭いながら「ありがとうございます。ありがとうございます」と何度も話していました。

女性
「私たちにとって入院している家族に会えないことが一番切ないことなんです。オンライン面会は唯一の楽しみで、とてもいいことだと感じています。1か月に1回、5分間でもこうやって顔を見られるだけでうれしいです」

たとえオンラインであったとしても、声をかけ表情も確認できることは安心につながると話してくれました。

帯広第一病院の山並院長にも話を聞きました。

帯広第一病院 山並秀章院長
「家族が面会することで患者さんも元気になります。直接は会えなくてもオンラインでなんとか面会できないかという形で始めました」

山並院長はオンライン面会が可能になった要因として、1階の病院入り口付近に面会できる個室がすでにあったことを挙げました。院内にいる人との接触を最小限に抑えることができるからです。帯広第一病院は今後、家族が病院を訪れなくてもいいように、自宅のタブレット端末などでオンライン面会ができないか検討を進めるということです。

オンライン面会 課題も

オンライン面会が広がれば家族にとってはうれしいことですが、取材する中で課題も見えてきました。人手の問題です。
帯広第一病院ではオンライン面会の導入で、看護師の負担は増えているということです。タブレット端末の準備に加え、介護が必要な患者には介護しながら端末を使う手助けをする必要もあるからです。山並院長は「人手の面で苦労しているという声は現場からも上がっている」と話しました。

投稿をくれた女性の娘さんが入院する病院にも取材しました。
面会したいという患者の家族の気持ちは痛々しいほど分かる一方、「容体が重い患者が多い上に、オンライン面会を導入するには人手も不足している」とのことでした。
容体が重い患者が多くいる病院で、万が一新型コロナがまん延してしまったら命に直結する可能性もあります。そのため病院はより強い措置で対策をする必要があり、外部からの訪問をできる限り抑えるためにもやむを得ず面会を全面禁止にしました。
オンライン面会についても、仮に1人だけだったら対応はできるのですが、もしすべての家族からお願いされた場合、人手も足りなくなってしまい、通常業務がおろそかになってしまう可能性があるということでした。
ただ、できる限りのこととして、家族から患者の状況を聞かれたら電話で答えるようにはしているということでした。
担当者は「苦渋の決断ですが院内で感染者を出さないためにはやむを得ないです」と話していました。

病院側の事情も理解できる一方で、長い間家族に会えないつらさも十分わかるだけに、難しい問題だと感じました。この問題、みなさんはどう感じたでしょうか。
感想やこんな工夫をしているといった話があれば番組までお寄せいただきたいと思います。

取材した原祢秀平記者は
投稿を読んだとき、最初に思い浮かんだのは両親の顔でした。私の両親は地元の京都にいます。もしいま「両親が倒れた」と連絡があったとしたら・・・両親に会いにいけない、顔さえ見ることができないとしたら・・・心配で何も手につかなくなると思います。新型コロナについて日々、取材を続けていますが、恥ずかしながら投稿をいただくまでそのようなことを想像したことがありませんでした。当事者からすれば深刻な問題です。このことについて私のように自分事として考える人が1人でも増えてほしい。女性の手書きの投稿文を何度も見ながらそのような思いで取材を進めました。
一方で取材が深まるごとに難しい問題だとも感じました。
医療従事者の皆さんが人手不足の中、懸命に模索を続けていることを身にしみて実感したからです。医療従事者の皆さんも新型コロナの影響を受けているのです。
だからこそ少しでも感染拡大を抑えるために自分にできることはないだろうかと改めて考えるきっかけにもなりました。
何も気にすることなく、自由に面会できる日が1日でも早く来てほしい。オンライン面会で息子さんに会えて涙を流しながら喜んでいた女性を見てそう思いました。

2021年1月26日放送

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