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WEBニュース特集 緊急事態宣言解除、道内も再始動

北海道WEBニュース特集

2020年5月27日(水)午後2時02分 更新

政府は5月25日、北海道の緊急事態宣言を解除しました。道内の休業要請も大幅に解除され、社会・経済活動が再開し始めています。この日1日の道内各地の動きを追いました。

札幌市民「解除早いのでは?」

まちの人たちからは、「解除は早いのではないか」という声が目立ちました。医療関係の仕事をしている40代の女性は、「新型コロナウイルスの患者向けの病床を確保しているために、ほかの患者を十分に診られないなど、現場では影響が続いています。解除したらまた患者が増えると思うので、まだ早いと思います」と懸念を示しました。

函館市の男子高校生は「経済が回らないと思うので解除はいいと思います。ただ、不安もあるので感染対策は続けていきたい」と話していました。


鈴木知事「解除後も感染防止策徹底を」

鈴木知事は記者団に対し、「宣言が解除されても、感染がゼロになるわけではない。北海道では感染経路が不明な感染者が一定程度出ていることなど、現状をしっかり認識し、注意しなければならない」と述べ、解除後も感染防止対策を徹底するよう呼びかけました。


夕張メロンも安値、コロナ影響か

この日は、夕張市特産の「夕張メロン」のことし初めての競りが行われました。最高落札額は2玉12万円と去年のおよそ40分の1でした。卸売会社では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う消費の低迷も影響したとみています。過去最高だった去年の500万円と比べるとおよそ40分の1で、卸売会社では、去年はいわゆる「ご祝儀相場」で競りが過熱したため、反動があったことに加えて、ことしは感染拡大で高額品の消費が低迷していることが影響したとみています。


石狩地方でも授業伴う分散登校始まる

道内では、6月1日から学校が再開される予定です。これを前に、石狩地方の一部の自治体でも授業を伴った分散登校が始まりました。授業を伴った分散登校が始まったのは、石狩地方の石狩市と当別町です。

このうち児童583人が通う石狩市の花川南小学校では、2つのグループが25日と26日の2日間に分かれて登校することになっています。午前8時半ごろになると、児童たちが元気に登校し、校門に立った校長がひとりひとりに「元気でしたか」などと声をかけていました。この小学校に児童が登校するのは、4月20日以来、およそ1か月ぶりということで、休校中に出していた課題の復習を中心に2時間の授業を行ったということです。


各地で営業再開の動き、札幌も

道の休業要請の一部解除を受けて、札幌市にある古本屋「BOOK LAB.」は営業を再開しました。入り口に消毒液を設置したほか、店内でのマスクの着用を義務づけ、1日に3回以上、換気するなど感染予防策を徹底し、営業時間を短縮した上で営業しています。

再開初日は、さっそく大学生が参考書を求めて訪れていました。店長の廣海圭美さんは、「まずはお店を再開できて安心しています。不特定多数の人が出はいりすることで、感染リスクが高まる不安はありますが、お店を開けられた喜びの方が大きいです」と話していました。


ススキノの飲食店も再開準備

札幌市の繁華街・ススキノでは、昼すぎから夜の営業を再開する飲食店が準備に追われていました。居酒屋を経営する内海光博さんは、4月25日から店を休業し、総菜の配達に限って営業していました。道の休業要請の解除を受けて、25日午後6時から1か月ぶりに店舗の営業を再開することになりました。

店では、カウンターの席をこれまでの7席から4席に減らしたほか、小上がりの席を使わないことにして来店客どうしの間隔を確保できるようにしました。さらに来店の際に客に手や指のアルコール消毒を要請することに加えて、こまめな換気といった感染防止対策に取り組むことにしています。内海さんは、「まずは店を開けることができたことが大きな一歩なので、このあと第3波が来ないことを願いつつ営業する感じだ。まだ、お客様が気持ち良く飲みに来ることができる状況かというと、まだまだそれには至っていないので、しばらくは我慢の時期かなと思う」と話していました。


難病の女性、フェリー通院を再開決断

緊急事態宣言の解除を受けて、免疫機能の難病を抱える青森県の女性は、実家がある大間町から函館市の病院へのフェリーを使った通院を再開することを決めました。女性は、解除が通院を再開する目安になったと話しています。

青森県に住む高橋和佳奈さん(32)は、4歳の時から「皮膚筋炎」という免疫機能の難病を患っています。青森県大間町と函館市の間には、津軽海峡を渡るおよそ40キロの航路を1時間半で結ぶフェリーが1日2往復していて、高橋さんは実家のある大間町から2か月に1度、通院を続けてきました。しかし、2月下旬に北海道に道独自の緊急事態宣言が出されてからは、不要不急の外出にはあたらないものの、感染すれば命に関わるおそれがあることや、2歳と0歳の子どもがいることなどから自主的に通院を控えてきました。

函館市の病院に行ったのは1月が最後で、3月で薬が切れてしまったため、青森県内の別の病院に相談して薬を出してもらいました。通院を控えている間は病気が悪化しないか不安だったということです。高橋さんは、函館市内に感染者がしばらく出ていないことや北海道に出ていた緊急事態宣言が解除されるのを受け、6月、通院を再開することを決めすでに病院に予約を入れました。函館市と大間町の間でフェリーを運航する会社によりますと、毎年3月や4月は、ひと月にのべ350人が通院目的でフェリーを利用していますが、ことしは、利用がおよそ4割にとどまっているということです。高橋さんは、「今回の解除は新型コロナウイルスの状況が一段階よい方向に進んだ結果だと考えている。今後も感染の防止に細心の注意を払っていくつもりだが、世の中が早く通常の生活に戻ることを願っている」と話していました。


旭川でボウリング場が営業再開

旭川市では、ボウリング場や映画館がおよそ1か月ぶりに営業を再開しました。旭川市大雪通のボウリング場では、通常の平日と比べて客の入りは半分程度でしたが、愛好家たちが久しぶりのプレーを楽しんでいました。

施設のスタッフによりますと、このボウリング場では当面、密集を避けるためレーンを1列ずつ空けるほか、指をかけるボールの穴を入念に消毒するなど、感染防止対策を徹底することにしています。ふだん週5回程度、ボウリングをするという50代の女性は、「営業が再開してうれしい。まだ感覚が戻りませんが、久しぶりに汗をかいて気持ちよかったです」と話していました。

また、同じ建物の3階にある映画館では、チケット売り場の窓口に透明のシートで仕切りを設けたり、客席の間隔を空けたりするなどして営業が再開されましたが、客席には空席が目立ちました。ディノスシネマズ旭川の福井智絵支配人は、「今後、徐々に客足が戻ることを願っています。感染対策を徹底しているので、安心して楽しんでほしい」と話していました。


帯広では体育館再開準備

帯広市総合体育館「よつ葉アリーナ十勝」は、新型コロナウイルスの感染拡大で4月18日から休館が続いていましたが、道の休業要請が解除されたことを受けて26日から再開することになりました。

再開に向けて体育館では準備作業が行われ、職員が階段の手すりを消毒液でふいたり、利用者どうしが距離をとるよう呼びかける紙をロビーに張り出したりしていました。感染拡大を防ぐため利用者は十勝地方に住む人に限っているほか、入館の際には連絡先などを提出する必要があります。帯広市総合体育館の西尾仁館長は、「利用の際にはマスクを着用するとともに体調管理にも気をつけてほしい」と話していました。


洞爺湖温泉「解除されても、ことしは厳しい」

道内有数の温泉街「洞爺湖温泉」がある洞爺湖町では、25日も観光客の姿は見られず閑散としていて、多くのホテルで休館が続いています。湖畔の貸しボート店では、ことしも大型連休前から営業を始めましたが、訪れる客はほとんどいないということで、モータボートやスワンボートは使われないまま陸に置かれていました。スタッフの毛利美枝子さんは、「開店休業の状態です。緊急事態宣言が解除されてもそれほど多く人は来ないのではないか。ことしいっぱいは厳しいと思います」と話していました。

また、依田信之さんが経営する旅館には、ここ数年、中国や台湾などからの観光客が多く訪れていましたがいまは外国人の宿泊予約はありません。また、小中学校の修学旅行が中止されたため、バスの運転手などからも宿泊キャンセルの連絡が相次いでいるということです。依田さんは緊急事態宣言の解除について、「すごくありがたい」と話す一方、「いつお客さんが戻ってくるのかわからない。おいしい料理と温泉を守りながら頑張ってやっていくしかない」と話していました。


「網走監獄」も再開

「博物館 網走監獄」は、感染予防対策を講じつつ、この日から再開しました。再開にあたって網走監獄では、密集を避けるため展示の前に2メートル間隔で足跡のマークをつけたり、囚人服や足かせの着用体験を中止したりといった感染予防対策をとりました。

網走監獄では新型コロナウイルスの影響で、ことし3月以降、入場者の数が激減していて、4月は去年と比べて95%少ないおよそ800人にとどまりました。緊急事態宣言の解除について、「博物館 網走監獄」の配島淳常務理事は、「待ち望んでいた再開です。簡単に状況が回復するとは思いませんが、これから少しでも博物館に来てくれる人が増えてもらうように仕事を続けていきたいです」と話していました。


全国で唯一、第2波を経験した北海道。多くの施設が再開され、人の行き来が活発になる中、今後、新しい生活様式を取り入れて第3波を抑える感染拡大防止と社会・経済活動を両立できるのか。今後の社会の在り方が問われています。

(2020年5月25日放送)


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