アイヌの人たちが 生活や儀式で使う 道具の素材になる樹木などを 国有林で採取できる契約に向けて、日高の平取町で準備が始まっています。
2019年に施行された 「アイヌ施策推進法」では、アイヌの人たちが文化の振興や継承のために国有林で樹木の皮や枝、山菜などを採ることができる「共用林野制度」が定められています。
平取町は、国有林を管理する森林管理署と共用林野の契約を結び、地元のアイヌの人たちが必要な樹木などを調達できる環境を整えるため、 4月26日、町内の国有林で資源量の調査を行いました。

町から調査の委託を受けた「平取町アイヌ文化振興公社」の職員は、 植物の専門家とともに 野草や山菜などを写真に収めて記録していました。
平取町は今後、 地元のアイヌの人たちへの聞き取りも行い、 採取できる樹木や植物の種類と量、対象エリアなどを決めて、今年度中に 契約を結びたいとしています。
調査に参加 振興公社 門別さん
「この森林ではこれまで草木を見て歩くことがなかったので、どんな植物が生えているのか知ることができてよかった。民具や猟の道具の製作に活用していきたい」

2021年4月27日放送