NHK札幌放送局

儀式のサケ採取 法順守か権利保障か #アイヌ

ウピシカンタ

2019年9月1日(日)午後4時44分 更新

紋別市のアイヌの人たちが、その年に最初にとれたサケを神にささげて自然の恵みに感謝する伝統儀式を執り行いました。儀式で使われたサケは、「川のサケ漁は先住民の権利だ」としてアイヌの男性が初めて、行政の許可を得ずにとったもので、法令の遵守と先住民の権利保障をめぐり議論を呼びそうです。

紋別市の紋別アイヌ協会では、新しいサケを迎える儀式「カムイチェプノミ」を毎年、この時期に行っていて、1日は関係者およそ20人が市内を流れる川の河口近くに集まりました。
はじめに民族衣装を身にまとった女性2人がアイヌ語で「うれしい」を意味する「オノンノ」と言いながら、祭壇にサケを供えました。
そして、参加者が火の神が宿るとされるたき火に向かって酒や米をささげ、自然の恵みに感謝していました。

儀式で使われたサケは、「川のサケ漁は先住民の権利だ」として、アイヌ協会側が初めて行政の許可を得ずにとったもので、早朝行われた漁では、道の職員が「法令違反だ」として中止するよう警告する場面もありました。
ことし5月には、アイヌ民族を法律で初めて「先住民族」と明記したアイヌ施策推進法が施行され、伝統的な漁法の継承のため、特別な配慮をするとしていますが、現在も道の許可が必要な状態が続いています。
法令の遵守を求める行政側と対立する構図となり、先住民の権利保障をめぐり議論を呼びそうです。

川のサケ漁を管理する道は、先住民族であっても許可を得ずに漁を行った場合は法令に問われるため、「申請してもらえれば許可できる」としていて、道オホーツク総合振興局の坂本達彦水産課長は「申請を出してほしいとこれまでも話してきただけに非常に残念だ。我々としてもアイヌの伝統的な儀式は残したい。今後も粘り強く話していくしかないと思う」と話していました。
一方、道の許可を得ずに初めて川のサケ漁を行ったことについて、紋別アイヌ協会の畠山敏会長は「先住権を求めるためのひとつの戦いと認識している。これからも計画を立てながら自由にサケを捕っていきたい」と話していました。

2019年9月1日

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