NHK札幌放送局

違いを認めて

いぶりDAYひだか

2021年7月16日(金)午後7時00分 更新

アイヌ文様が施された刺繍の魅力を伝える女性職員がいます。女性は自らがアイヌであることを認められなかった時期もありました。工芸を通して伝えたい思いとは。

工芸の魅力

ウポポイの工房では、アイヌ文様の刺繍体験が開かれています。ここでは体験を通して、とげや渦巻きのような形をした代表的なアイヌ文様に触れることができます。講師を務める小沼史子さんは、文様の特徴を解説し、縫い方の基本的な技術を教えています。

小沼さん
「できたっ」という喜びの声を聞くとよかったなって思います。「また来るねー」の一言がさらにうれしいです。刺繍がきっかけになって手仕事だけでなく、アイヌ文化の多くの分野に目を向けてくれるとうれしいです。

アイヌと認めたくなかった

アイヌの家庭で育った小沼さんですが、若い頃はアイヌであることを認めることができずに避けてきたといいます。転機となったのは、ある写真を見つけたことです。そこに写っていたのは、曾祖母の貝澤こきんさんです。全国をまわり、アイヌ文化の普及活動をしていました。

曾祖母 貝澤こきんさん
小沼さん
写真では口に大きな入れ墨があるひいおばあちゃんがアイヌに伝わる歌を歌っていたんです。本来なら隠したい部分なのに、堂々と隠しもしない姿を見て心の強い人だと思いました。私も隠すのをやめて、アイヌだと言えるようになりたいと考えるようになりました。

想像力を大事に

20代後半から本格的にアイヌ文化を学び始めた小沼さん。ウポポイの工房で手仕事を担当したことをきっかけに、1本の糸から様々な形や文様ができるアイヌ伝統の工芸に夢中になり、着物をつくる過程で先人たちの偉大さを感じました。特に小沼さんが心を引かれたのが、刺繍や着物の中で、文様の入れ方に遊び心が見えることでした。小沼さんは、作り手の想像力の豊かさがあったからこそ、生み出された作品だと考えています。

そして、工芸を見る人によっても様々な見方を楽しむことができることも魅力でした。川の流れ、砂が舞った瞬間など、アイヌの文様が入った着物から受ける印象はそれぞれで違うといいます。
アイヌにルーツをがあることを認められなかった過去がある小沼さんですが、今は誇りを持ちながら仕事ができていると感じています。違いを認められる社会に向けて、ウポポイがそのきっかけの場になればと願っています。

小沼さん
集団の枠からはみ出ると、それがおかしいと思われてします。でも見方を変えれば個性です。特に若い子には、堂々と前向きにありのままで活躍してほしいと思います。
隠すことは何もありません 。

2021年7月9日放送

衣服

アイヌの人たちがつくる着物には、動物の皮や植物の繊維を使ったものや交易で手に入れた木綿を使ったものがあります。糸や布で施される文様も地域によって違いがあります。

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