NHK札幌放送局

◆国際協力 NHK技術職員がJICA研修講師

道南web

2023年2月1日(水)午後4時52分 更新

日本のテレビ放送は2011年にデジタル化されました。
世界を見渡すと、まだ放送がデジタル化されていない国々があります。そのような国々が地上波をデジタル化するためのJICA主催の研修が行われ、函館放送局の名畑職員が講師を担当しました。

JICA東京の布谷彰さんにこの研修の目的を聞きました。
「この研修は、デジタル放送の技術理論を学習し、日本でのデジタル放送普及の取り組み・問題解決策・運用ノウハウなどを体系的に学ぶことで、各国の皆さんがテレビ放送を効率的にデジタル化するための知識とノウハウを習得することを目的としています。」
「研修には、フィリピン、スリランカ、モルディブ、タンザニア、ボツワナ、ボリビアの6か国から放送事業に携わる14人がオンラインで参加しました。」

研修では函館が日本のどこに位置しているのか、道南地域はどういうエリアなのか、どのように道南エリアに放送を出しているのかなどを紹介したほか、函館放送局の津波などの災害に対する取り組みなどを説明しました。

研修を行ったのは昨年12月15日。函館では大雪の日でした。
研修員の皆さんは雪を見たことが無い人ばかり。オンラインでカメラ映像を出したところ、「これはライブなのか?」「雪景色がすばらしい」などの声がありました。

天気が良ければ函館市内が一望できるのですが、ご覧の通り一面真っ白で全く市内が見えず、通訳の方もつい笑ってしまう一幕もありました。

この日の研修のメインは函館山送信所の中をライブで案内すること。主に送信所内にあるテレビ送信機や停電時に電源を供給する非常用発電機をライブで案内し、非常時のバックアップ設備についても説明しました。

研修を終えて3人の研修員の方々の声を伺いました。

マセホさん(ボツワナ)
「デジタル放送の概念を理解するために研修に参加しました。緊急用の連絡手段を備えることは自分の国でも非常災害時の事業継続に必要だと思いました。」
ラジャさん(スリランカ)
「少ないコストで効率的に視聴者に電波をあまねく届けようとしていることが理解できました。スリランカが地デジへ移行するためには、とても有意義な研修でした。函館についてはこの研修で初めて知りました。インターネットで調べて函館が北海道の中でも主要な都市のひとつであることが分かりました。」
チャラさん(フィリピン)
「放送のデジタル化に向けて有益な知見が得られると思って研修に参加しました。函館という町については知っていましたが、近代化しながら多様な文化、伝統を展開・保存している場所だと感じました。私が日本に行くなら函館は絶対に外せない場所だと思っています。」

研修では、日本を好きになっていただく目的もある。とJICAの布谷さんはお話ししていました。今回の研修で、日本を、函館を好きになっていただけたと思います。またこの研修をもとに、研修員の皆さんは自国の放送のデジタル化を推進していく中心的な立場になることと思います。今回の研修で各国のお役に立つことができたと思いました。

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