2日から新たに始まった「どうみん割」のモデル事業。利用者と事業者の双方に感染対策の徹底を求めたうえで、あらかじめ定めた区域内の旅行に限り、代金を割り引きます。いったいどんな制度なの?
自分が住む区域内の旅行に
道内を▼札幌市、▼札幌市を除く石狩・空知、▼後志・胆振・日高、▼道南、▼道北、▼道東の6つの区域に分け、自分が住む区域内を個人や同居している人どうしで旅行する場合に限り、代金を最大で1万円、離島に宿泊する場合は最大で1万2000円割り引きます。

どんな制度なの?
対象は、2日の利用から今月30日のチェックアウト分までですが、札幌市は、感染状況を踏まえ当面延期となっています。
主な内容は —
- 利用者に部屋で食事してもらったり、同じテーブルで食事をするのは同居している人だけにしてもらったりする
- 食事や入浴の際に会話を控える「黙食」や「黙浴」を順守するよう同意書の提出などを求める
- 事業者に抜き打ち検査を行う
- 区域内の複数の施設でクラスターが発生したり、感染の拡大で外出を控える要請などが出されたりした場合、その区域の事業を停止する
観光客に聞いてみると
新たな「どうみん割」について、道内有数の観光地・小樽で、観光客に受け止めを聞きました。
高校生の子どもと2人で訪れた母親
「病気はなくならないのでうまく付き合っていかなければならないと思います。経済がまわらずに困窮してしまう人もいると思う。道内で完結するものなので、どうみん割には賛成です」
2日の取材では、「どうみん割」の利用者は見当たりませんでしたが、関西から訪れた子どもを連れた母親は —。
「感染対策のため人が少ないこの時期を選んでやってきました。『どうみん割』や『GoTo』にお金を使うなら、医療や検査などに使ったほうがいい」
子どもの大学の入学式にあわせて訪れたという母親は —
「コロナの前に小樽に来た時と比べて、閉まっている店の多さや人出の少なさに驚きました。でも、『どうみん割』の実施は収束してからにすべきで、まだ早いと思う」
感染対策のため改装を行ったホテルも
本格的なフレンチのフルコースが売りの小樽市にあるホテル。これまで宿泊客にはホテル内のレストランで食事をしてもらっていました。
これに対して今回、客室だった2部屋を食事専用の部屋に改装しました。大部屋ではなく個室で、感染を気にせずゆっくりフレンチを味わってもらうためです。

現在は1日2組限定ですが、人気があれば個室を増やすことも検討するということです。
さらに、レストランでも対策を徹底。入り口に「黙食」と書かれた紙を貼りだすとともに、テーブルごとに食事の時間を決めて「密」にならないようにしています。
このほか、チェックインの際には、▽マスクを常に着用し、▽大声での会話を控え、▽入浴の際も会話は最小限とするなどの感染対策への同意書にサインするよう求めています。

「どうみん割」のモデル事業で1日から20件余りの予約があったということで、この「どうみん割」で少しでも需要の回復につながればと期待しています。
ホテルノイシュロス小樽 里舘忠幸宿泊副支配人
「新型コロナの感染拡大で宿泊スタイルもがらっと変わってきているので私たちも色々と手を講じて、改革していかなければならないと思います。いままで集客に苦戦していたので、少しでも需要が高まり、景気回復につながればと思います」

制度を始めた北海道は
「どうみん割」の新たなモデル事業について北海道は・・・。
鈴木知事
「マスクの着用や手指の消毒といった感染対策に加え、『黙食』や『黙浴』などを確実に取り組んでもらうため、利用者に同意書を提出してもらうことにした。煩わしいと思われるかもしれないが、感染対策を万全にして事業を進めたい。日本最高レベルの感染対策を講じながらこのモデル事業を始めているとアピールすることで、北海道の観光の価値を高めたい」
2021年4月2日放送