NHK札幌放送局

幌内変電所/伊佐治知子

ほっとニュース北海道

2019年6月20日(木)午後6時00分 更新

守り続ける「炭鉱の心臓」 ※ドローン映像有り

これが炭鉱が閉山して30数年経った自然です。ニセアカシアの花がすごく真っ白で。石炭産業で自然を破壊し尽くした後の自然です。

三笠市郊外の森の中にひっそりとたたずむ建物があります。大正8年(1919年)に建てられた幌内変電所。青いトタン屋根に、赤いレンガの壁が特徴的です。夕張市で作られた電気をおよそ100キロ離れた歌志内市など各地の炭鉱に運ぶ中継地点として平成元年(1989年)まで稼働していました。当時はこれほど長い距離を送電する設備は珍しく、変電所は「炭鉱の心臓」とも呼ばれました。

市内に住む伊佐治知子さん(68)はこの施設をボランティアで管理しています。平成13年(2001年)から炭鉱の歴史を伝えようと有志で変電所の周辺に案内看板を立てたり、敷地内の草刈りをしたりして管理を続けてきました。

活動を始めた頃はね、周りの人たちは冷たかった。これは負の遺産、負、負けるだと。悲惨なイメージが残るんですよ、炭鉱で働いていた人たちだから。そんな事やめてくれ、汚いから早くなくなればいいと思うと、そんなふうにずいぶん言われました。炭鉱で働いてた人の思いというのはそれぞれあるんだけれども、あまり見せ物みたいな形で人に語りたくなかったんだと思います。

当時の様子を伊佐治さんはそう振り返ります。

変電所の中には東京芝浦電気、現在の東芝製の配電盤や変圧器などが今も残されています。平成18年(2006年)に変電所の屋根が大雪で崩落した際には、伊佐治さんたちは限られた資金の中で建設会社と交渉し、現在の青いトタン屋根を整備しました。
幌内変電所は、冬期を除いて月に1回程度一般にも公開されています。伊佐治さんはこの先も施設の管理を続けながら、炭鉱の歴史を伝え続けることにしています。

産業遺産というのは、働いてる人、ここで生活していた人が想像できる。それがすてきなんです。私が今できることをやって、この先もこの場所が残るかどうかは分からないけれど、やっていかなければ絶対に残らない。だからそれを、私たちみたいに思いを入れてつなげてくれる人がいればうれしい。

▼施設情報
所在地  :三笠市幌内本沢町
問い合わせ:みかさ炭鉱の記憶再生塾 01267-2ー3795
見学   :要問い合わせ

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