だまされんDO!4月以降 オレオレ詐欺が急増中
- 2023年5月12日
道内では今も特殊詐欺の被害があとを絶ちません。詐欺グループから狙われる主なターゲットは高齢者です。どうすれば被害に遭うリスクを減らすことができるのでしょうか。特殊詐欺の発生状況と対策について詳しくお伝えします。 (札幌放送局記者 小柳玲華)
特殊詐欺被害 予断許さず
北海道警察本部のまとめによりますと、ことし1月から4月までに道内で起きた特殊詐欺の被害額はおよそ1億円にのぼっています。去年の同じ時期と比べて減少しているものの依然として予断を許さない状況です。
また、1月から4月までの被害件数はあわせて50件。このうち8割にあたる40件は、被害者が65歳以上の高齢者でした。
いま注意が必要な手口とは
50件の手口を種類別にみてみると、主な内訳は以下の通りです。
▼オレオレ詐欺 16件
▼架空請求詐欺 15件
▼預貯金詐欺 5件
▼還付金詐欺 4件 など。
特に最近、被害が相次いでいるのがオレオレ詐欺です。ことしに入って起きた被害16件のうち実に10件が、4月中に集中的に起きているのです。
いずれのケースでも、オレオレ詐欺の常とう句「会社の資金を紛失した」とか「事故を起こして示談金が必要だ」などというウソで現金をだまし取っていました。
このオレオレ詐欺については以前から広く注意喚起がされてきましたが、なぜ、いまだに被害があとを絶たないのでしょうか。それは、詐欺グループがさまざまな登場人物を使い分けるなど、日々、巧妙さを増しているからにほかなりません。
例えば最近多いのが、医師を装って「お宅の息子さんはのどを手術した」などと伏線を張るような電話をしてくる手口です。その上で、息子を装って電話をかけ、「声が変わったけど僕だよ」などと言って信用させようとします。
札幌市に住む80代の女性も、まさにこの手口でだまされました。ことし3月、自宅に医師を名乗る男から電話があり、「息子さんが麻酔を打って声がガラガラになっている」などと言われました。その直後、息子を装った男から「会社のキャッシュカードが入った財布を盗まれてこれから警察に行く。お金を用立ててくれないか」などと電話で言われたということで、話を信じた女性は現金300万円をだまし取られてしまったということです。
被害に遭わないために
子どもや孫から電話でお金を無心されたら、まずはいったん電話を切るようにしてください。そのあと、本人と連絡を取り直すなどすれば、被害に遭うリスクを減らすことができます。
そして、少しでも怪しいと感じた場合は、家族に相談するか、警察の相談専用窓口「#9110」に電話してください。
詐欺グループはあの手この手を駆使して、あなたの大切な資金をだまし取ろうと迫ってきます。電話のやりとりだけで相手の話を信用せず、ぜひ家族や警察などに頼って被害から身を守ってほしいと思います。
2023年5月12日
NHK北海道の特設サイト「ストップ詐欺被害 だまされんDO!」では、詐欺の予兆電話が発生している地域をいち早くお知らせするほか、被害防止に役立つ情報などを紹介しています。ぜひ、ご活用ください。
ストップ詐欺被害 だまされんDO!