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「布絵本に命を宿す 函館のボランティア」

  • 2023年10月12日

布でできた絵本「布絵本」を作り続けて、17年。函館の図書館ボランティアの思いに迫ります。

子どもに人気!図書館の布絵本
日曜日の函館市中央図書館。布でできた絵本「布絵本」の置かれた部屋が子どもたちでにぎわいます。

布絵本は手で触れて楽しむ工夫がいっぱい。女の子が読んでいるのは、本の中のくまさんに牛乳やにんじんを食べさせられる布絵本です。

こちらは季節のカレンダーを模した布絵本。花びらやとんぼの羽がひらひらと動きます。

字を読むのがまだ苦手な子でも本を楽しめるように、およそ100冊の布絵本が図書館に置かれています。

布絵本ボランティア「糸ぐるま」
図書館にあるほぼ全ての布絵本を作ってきたのが、図書館のボランティア団体「糸ぐるま」です。31名が活動しています。

1冊10ページ程度のオリジナルの布絵本を分担して作っているみなさん。この「したきりすずめ」のページは、1人のスタッフが3か月をかけて作ったものです。

ページをよく見ると、おじいさんにズボンや草履を履かせようと何層にもパーツを重ねて作っています。布でできた人形を、本物の人のように子どもたちに感じてもらうための工夫です。

制作したボランティアスタッフ
「おじいさん本人がいるみたいに、きちっとズボンを履かせたかったんです。その方が立体的で、子どもたちに楽しんでもらえるかなと思って。」

仲間と共に、布絵本に命をこめる
ボランティアが始まったのは17年前。洋裁教室の講師をしていた弦木恵美子さんが、当時の図書館館長に依頼されて立ち上げました。

縫い物が初めてのメンバーもいる中でのスタート。小さな人形を1人ひとつ作る練習から始めました。

弦木恵美子さん
「小さな人形だけど完成したら『できた!』ってみんなで拍手して喜んで。そこからもっと上手くなりたいと、お互い競い合うようになりました。」

メンバーの熱量があって活動は長期化。2017年には手作り布絵本の全国コンクールで最高賞を取るまで上達しました。

子どもたちが布絵本で遊び終わったら、ボランティアのみなさんで破損や紛失が無いかチェックします。弦木さんは仲間たちと苦心してつくった布絵本を、本当に命が宿っているかのように大切にしています。

弦木恵美子さん
「3羽のひよこちゃんの1羽がなくなると、『1羽産んでちょうだいね』と仲間に言うんです。そうしたら、みんな率先して『ハイッ!』って笑。産んでくれます。」

ボランティアメンバーの多くは60代以上。これからも元気に子ども達に布絵本を届けていきたいと言います。

「糸ぐるま」のみなさんの布絵本は函館市内の図書館で閲覧できるほか、貸出も行われています。

<取材した函館局ディレクター>
荻野 智也
2019年入局。東京での勤務を経て、2021年11月から函館局へ。道南への新たな移住者として、地域の魅力を知り尽くすことが目標。

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