NHK札幌放送局

コロナ禍でも土産物の販売を

道北オホーツクSP

2021年5月19日(水)午前11時20分 更新

新型コロナウイルスの感染拡大の長期化に伴い、観光関連の業種の多くが苦境に立たされています。その1つが土産物の製造や販売を手がける業者です。観光が激減して土産物が売れない業者を支援しようという新たな取り組みが、大型連休にあわせて旭川で行われました。工夫を凝らした取り組みを取材しました。(NHK旭川 内匠彩果記者)

【消えた観光客 76%減も…】
4月29日から5月5日までのことしの大型連休期間中、道北地方とオホーツク地方では、訪れた観光客が例年を大きく下回りました。網走市の代表的な観光地「博物館網走監獄」では、8233人と、新型コロナの感染拡大が始まる前のおととしと比べ、67%減ったほか、世界自然遺産「知床」の玄関口、斜里町ウトロにある道の駅「うとろ・シリエトク」でも74%減りました。また、道北地方でも、旭川市の旭山動物園で76%、留萌市の観光案内所でも50%減となりました。おととしの大型連休は、ことしよりも3日長かったため、単純な比較はできませんが、それを差し引いても、大幅な減少だと言えます。

【観光客が来ないならば…】
観光客が来なければ土産物は売れません。苦境に立たされている旭川市内の土産物の製造・販売業者の支援に、旭川商工会議所が乗り出しました。とはいえ、コロナ禍であるため、観光客を呼び込むことはできません。
そこで考えたのが、本来旭川でしか購入できない土産物を道外に運び、販売するというアイデアです。大型連休直前の4月26日、市内21の業者から寄せられた、およそ100種類の大量の土産物がトラックに積み込まれ、東京へと発送されました。

土産物の業者
「去年よりは、観光客が戻ってくるかと思っていましたが、新型コロナの感染拡大に歯止めがかからず、厳しい状態が続いています。今回の企画はいいアイデアだと思いますし、ありがたいです」
旭川商工会議所 近澤尚明係長
「商品が売れない、販路がないという声を、土産物を取り扱う業者から聞いていたので、何とか助けにならないかと考え、企画しました」

【コスト削減・感染拡大防止の工夫も】
旭川から発送された土産物の届いた先は、東京・荒川区のショッピングモールです。東京では、大型連休前の4月25日に緊急事態宣言が出されましたが、このショッピングモールは比較的規模が小さく、休業要請の対象外でした。
また、こうした小規模な商業施設の場合、大型のデパートと比べると、出店にかかるコストを抑えられというメリットもあるといいます。関係者によりますと、デパートの場合、通常、売り上げの25%が出店費用の目安だということですが、今回のショッピングモールでは15%でした。

さらに工夫をしたのが、土産物の販売員についてです。通常、こうした物産展を開く場合、販売員は製造会社の従業員が務めることがほとんどです。しかし、コロナ禍で人の往来の自粛が求められる中、旭川から東京への移動は、感染拡大のリスクを伴うことに加え、買い物客から敬遠される恐れもあります。
そこで考えたのが、販売員の現地・東京での採用でした。しかも、同じくコロナ禍によって仕事が激減している、旅行会社のツアー添乗員を雇ったのです。今回、販売員を務めた添乗員は、仕事でおよそ70回も北海道を訪れ、旭川市にも何度も来たことがありました。いわば“旭川通(つう)”であるため、買い物客に旭川の土産物をPRするのにはうってつけだったのです。実際、買い物客と旭川市の話題で盛り上がる場面も見られました。

商品を購入した男性
「旭川に行ってみたいと思うけど今はなかなかね。土産物で、行った雰囲気だけでも味わいたいなと」
添乗員の男性
「旭川は何度も添乗の仕事で訪れたことがあります。私が知っているかぎりのことをお客様に説明し、販売しています」

【取り組みの成果は】
今回、初めて行った取り組みでしたが、結果だけで見れば、売り上げは大きなものにはなりませんでした。コストの削減に努めたものの、商品の輸送費や人件費など、一定の経費はどうしてもかかってしまいますし、東京の人たちも新型コロナの影響で外出を控えていたためです。
それでも、企画した旭川商工会議所の担当者や旭川市の土産物の製造・販売業者の人たちは、取り組みを前向きに捉えています。実際に、土産物を手に取ってもらったことで、新型コロナが収束した際には、再び土産物を購入しようと旭川を訪れてくれると期待しているのです。

【取材を終えて】
大型連休後の5月16日、感染者の増加を受けて、北海道を対象に緊急事態宣言が出されました。土産物を取り扱う業者を取り巻く状況は、いっそう厳しさを増したことになります。
そうした中、今回の旭川市と同様の取り組みが、オホーツク海側でも検討されていることを知りました。地域の人たちが力を合わせて知恵を出し合い、互いに支え合おうという取り組みが広がりをみせているのです。
新型コロナの収束が見通せない中、何とか頑張ろうとする人たち。今後も取材を継続し、いつかきっと“あの時頑張ったかいがあった”その声を聞きたいと心より願っています。

2021年5月18日

(5月17日放送)道北とオホーツク“結ぶ”旭川紋別自動車道
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