NHK札幌放送局

「国葬」道内の自治体は

ほっとニュースweb

2022年9月22日(木)午後8時58分 更新

安倍元総理大臣の「国葬」が来週27日に行われます。道内の自治体はどう対応しようとしているのか、取材しました。
(道庁担当 内匠彩果)


「国葬」知事や札幌市長は参列へ

9月、NHKが行った世論調査では、「国葬」を行うことへの評価について「評価する」が32%、「評価しない」が57%と「評価しない」が上回りました。

また、政府の説明は十分だと思うか尋ねたところ、「十分だ」が15%、「不十分だ」が72%という結果でした。

「国葬」は批判が強まるなか、行われることとなりました。
鈴木知事は9日、参列する考えを表明しました。

鈴木知事(9日の記者会見)
「国民が哀悼の意をよせる機会がなんらかのかたちで設けられることには賛成だとこれまでも申し上げてきたが、このたび国の儀式への正式な案内ということで他の日程との関係でも出席が可能、知事として対応することにした」

また、札幌市の秋元市長も21日、参列する意向を明らかにしました。

札幌市 秋元市長(21日の記者会見)
「内閣総理大臣を経験された方の公葬ということであり、そこには札幌市長として参列すると考えております。議会開会中ではありますが、この日の議会日程はございませんでしたので、他の公務との兼ね合いも含めて出席することを決めた」

こうした判断には異論もあがっています。
鈴木知事、秋元市長ともに「公費で参列する」としていて、市民団体などから取りやめを求める声があがっています。

弁護士などのグループは、「国葬」への公費での参列は地方自治法に違反するとして支出の差し止めを求めていて、22日、請求の内容について意見を述べる手続きが行われました。

グループの代表を務める池田賢太弁護士
「知事は会見の場で国葬に対する賛否の明言を避け、公務としての正当性を強調した。『参列が可能』という理由で公費を支出すべきではなく、知事は改めて参列する理由を丁寧に説明する必要がある」


道内の自治体は対応分かれる

NHKは、政府から案内があった各市のトップの対応を確認しました。

北方領土の隣接地域でつくる連絡協議会の会長を務める根室市の石垣雅敏市長は「市の代表としての公務であり、市の公費で参列する」としています。

また、道内の市長でつくる「市長会」の会長を務める千歳市の山口幸太郎市長は「市長会会長として弔意を表すため出席する」としています。費用は市長会の予算から支出するということです。

一方、元国会議員として案内を受けた苫小牧市の岩倉博文市長は欠席する意向を示しています。「公務を優先するため」として、当日は地元の自民党支部で献花を行う予定だとしています。

同じく元国会議員として案内を受けた深川市の山下貴史市長は「議会開会中のため欠席する予定だ」としています。


弔意表明も対応分かれる

自治体として半旗の掲揚など弔意を表すかどうかをめぐっても対応は分かれそうです。
道庁は本庁舎と道内14の振興局で半旗を掲げる方針です。一方、市町村やほかの道立施設に掲揚を求めることはせず、それぞれの判断に委ねるとしています。

そこで、主な市について現時点での方針を尋ねました。
道庁と同様、「半旗を掲げる」としているのが札幌市です。当日、市役所で半旗の掲揚を行う方針です。

一方、帯広市と北見市は「行う予定はない」と回答しました。
また、旭川市など多くの市が現時点で「検討中」としていて、「国葬」をめぐる世論を背景に対応を決めかねている、また、ほかの自治体の対応をうかがっている様子も見受けられます。

学校についても尋ねました。
弔意の表明について、教育委員会に通知などを出す予定があるか尋ねたところ、「予定している」と回答した市は1つもありませんでした。
「検討中」とした市でも、行わない方向だと担当者は話していました。

道内では7月、都内の寺院で営まれた安倍元総理大臣の葬儀の際、帯広市の教育委員会が小中学校に半旗の掲揚を要請し、専門家から教育基本法に違反する可能性があるという指摘があがりました。
こうしたことも踏まえ、今回は、各市とも、学校での対応は求めないという立場で共通していると見られます。

「国葬」をめぐっては27日当日も市民団体などが反対のデモを予定しています。「国葬」をどう捉えるか、議論は当日を迎えてもなお、続くことになりそうです。


■「国葬」めぐる道内の動き(北海道NEWS WEB)

「国葬」に公費参列 支出差し止め求める住民監査請求で陳述(9月22日)
札幌市の秋元市長 「国葬」に公費で参列 市役所に半旗も(9月21日)
道議会開会 物価高騰対策や「国葬」参列など論戦へ(9月13日)
公費使っての知事の「国葬」参列 市民団体が取りやめを要請(9月12日)
知事 安倍元首相の「国葬」に公費で参列する意向 半旗掲揚も(9月9日)
道議会 「国葬」に議長の参列を想定し27日は休会(9月6日)
“公費で国葬に参列なら違法”支出差し止め求める住民監査請求(8月19日)


■政治マガジンの記事もどうぞ

55年ぶり「国葬」実施する意味は?割れる世論 法的根拠の課題

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