NHK札幌放送局

道東介護職員座談会 現場で何が

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2022年5月23日(月)午前9時57分 更新

道東の介護や医療の課題を探り、その解決策を考える「介護医療明日へ…」。道東の介護現場でいま何が起きているのか。介護現場の課題を探るため私たちは介護現場で働く人たちに集まってもらい本音を話してもらいました。


現役介護職員が語る本音

私たちが話を聞いたのは十勝地方と釧路地方の介護施設で働く現役の介護職員4人です。
まず、皆さんに聞いたのが人手不足の現状です。


釧路市 道東勤医協 介護福祉士 伊東義光さん
「人員不足っていうのは釧路も根室もどこもそうなんです。根室にも事業所があるのでそこの話をさせてもらうと根室の方はもう働く人が全然いないんですよ。本当に釧路よりもいなくて…。なので釧路から1年や2年ぐらい応援に行って何とか事業所を運営できているっていう感じなんですよね」


幕別町 介護老人保健施設あかしや 山本真也介護係長
「繁忙感に関しては“もうあと1人2人いればもうちょっと細かいところまで手が回るんだけど”っていうようなことが延び延びになっちゃってて。『ちょっと待ってくださいね』っていう話をしちゃったりとかっていうところに関してはやっぱり人員不足が大きい問題なのかなと思います」


人手不足の要因は

その人手不足の要因について皆さんの考えを聞きました。

釧路町 介護事業所そよかぜ 高澤裕美子介護事業部長
「退職者が多いっていう話も聞きますし、元々違うお仕事をしていた方が前職の価値観とかがやっぱりあるので、そこにズレが生じるとか、お手伝いをさせていただく時の介護観とか価値観を共有していくのがとても難しいなと思います」


帯広市 グループホームふきのとう 芝本喜代美管理者
「やっと慣れたというところで人が辞めてしまう。理由としてはやはり人間関係でまわりの環境になじめないとかコミュニケーションがうまくとれないなど、そういう理由が本当に多いのかなと思います」


人手不足 施設に影響も

人手不足によって施設の運営にも実際に影響が出ているといいます。

釧路町 介護事業所そよかぜ 高澤裕美子介護事業部長
「30床で建物は建てたけど人が集まらないから、ふたを開けたら“1階しかオープンしてませんでした”みたいな話は近くで聞きました」
釧路市 道東勤医協 介護福祉士 伊東義光さん
「施設の入所者が別の施設に入るのが決まってたんですけど退所する当日にお断りの電話が来まして『ちょっと実は人が辞めてしまって体制が薄くなってしまったのできょう来る予定の方を受け入れできません』っていう。施設入所のドタキャンってなかなかないと思うんですけどそういうのも先週ありました」


人材確保に課題

深刻な人手不足の解消に必要な人材の確保ですが、ここにも課題があるといいます。

釧路市 道東勤医協 介護福祉士 伊東義光さん
「“給料が安い”っていうイメージがついちゃってまして高校生が“進学どこに行く?”っていう時、親が『介護はやめときなさい』って言うこともあると聞いています。入り口のところでもうダメっていう風になっちゃっているんでそこがすごく課題というか悲しいなって思っています」
幕別町 介護老人保健施設あかしや 山本真也介護係長
「介護現場は3Kっていうイメージがいまだに根強くあり、腰が痛くなるのではという不安もあるのではないでしょうか。いまだにたぶん介護イコールみたいな感じで考えられることが多いと思うのでどうにかそのイメージを払拭して“そんなことないんだよ”って伝えたいです」


現場からの情報発信 介護の魅力は…

こうした介護現場のイメージを変えるために、皆さんが重要だと指摘したのは現場からの情報発信でした。

釧路町 介護事業所そよかぜ 高澤裕美子介護事業部長
「われわれが介護福祉士とか介護職として自分たちの仕事を胸張ってアピールするとか誇りをもって仕事をできるんだよっていうことを自分のことばで発信する場面とかがやっぱり少ないと思います。自分自身が長くこの仕事をしているということは誇りを持っているしやりがいがあるというのは十分感じていて、それを伝え切れていないところに私自身は課題があるなと感じています」
幕別町 介護老人保健施設あかしや 山本真也介護係長
「コミュニケーションが好きだったりとか、人と関わる仕事が好きな人たちはぜひやってもらいたいと思っていますが、そこをどういう風にうまくいまの若い子たちに伝えるかとかが課題なんじゃないかと思っています」

介護現場からのさらなる情報発信へ 皆さんが考える介護の仕事のやりがいについても話してもらいました。

幕別町 介護老人保健施設あかしや 山本真也介護係長
「利用者から『あなたがいてくれたから良かったんだよ』とか『これはあなたじゃなきゃ頼めなかったんだよ』と言ってもらえ、他人ではあるんだけどすごく親しい関係に近づける点です。利用者がわかってくれるって思える瞬間っていうのがすごく自分はうれしかった、よかったと感じました」
帯広市 グループホームふきのとう 芝本喜代美管理者
「利用者が喜んでくれるっていうところが私は本当に大好きなので、介護の仕事に就きたいっていう人たちには嫌なことばっかりではなく楽しいこともたくさんありますよっていうことをもっともっとわかっていただきたいなと思います」
釧路市 道東勤医協 介護福祉士 伊東義光さん
「社会に貢献するだとか誰かに貢献できるというところをやりがいとして感じるのであればこの介護の仕事っていうのは本当にうってつけのお仕事だと思います」


外国人材受け入れ 可能性は…

人手不足の解決策のひとつとして各地で進む外国人材の受け入れについては、皆さんはどう感じているんでしょうか。


幕別町 介護老人保健施設あかしや 山本真也介護係長
「実際いま私たちの法人でも外国人が働いています。すごく一生懸命で頑張っているっていう話は聞いています。今年度中に何名か来るっていう話なのでいま何を用意したらいいのか、どういう関わり方をしたらいいのかとか、いま一生懸命調べている状態ではありますね」

肯定的な意見の一方で文化の違いを心配する声も聞かれました。

釧路市 道東勤医協 介護福祉士 伊東義光さん
「例えば日本人だと特に高齢の方だと、持つしぐさをしただけで『はいはい』みたいな、あうんの呼吸みたいなものがあったりするんですけど、そこの文化がどこまで理解できるのかなと思います。“言わなくてもわかるだろう”っていう日本人と向こうは“言ってくれないとわからないから口に出すのが文化”っていうところのすり合わせはなかなか難しいとは思う」
釧路町 介護事業所そよかぜ 高澤裕美子介護事業部長
「別の施設では受け入れるときは『文化が違うから』とかいろいろ構えたみたいなんですけど聞く人に聞くと『日本人より一生懸命よ』とか『謙虚よ』という話で、とても一生懸命働いてくれますっていう話は聞いたことがあります」


新型コロナ プラスの変化も

新型コロナウイルスは影響が長期化し、介護の現場は緊張を強いられる日々が続いています。コロナ禍の影響についても聞きました。

釧路町 介護事業所そよかぜ 高澤裕美子介護事業部長
「地域に出て行くヘルパーや訪問入浴のスタッフは、やっぱりどこで何があるかわかりませんよね。自分がウイルスを運んでしまうかもしれないという恐怖の中、サービスを提供してもらわなければならず、それをお願いする立場としてはすごく苦慮しました」
帯広市 グループホームふきのとう 芝本喜代美管理者
「やっぱり面会が制限されてしまったということで私たちも利用者さんの認知症の面だったり健康面だったりそういうのを低下させないような工夫はしています。夏祭りとか紅葉桜見学とかそういう大きなイベントごとも一切外ではできなくなってしまったので室内でできるようなことをちょっと考えたりしています」

その一方で、現場ではコロナ禍によって意外なプラスの面もあったといいます。

釧路市 道東勤医協 介護福祉士 伊東義光さん
「Zoomでの面会ができるように整備されてきましたので、逆に千葉にいたり本州にいたり九州にいたりっていう遠方にいる家族もいらっしゃるんですけども、面会ができるようになったっていうところが整備されて逆によかったっていう方もいるんですね。すごくコロナで大変だったけれども、逆によくなったなっていう面もあったんで一長一短だなと思っています」

私たちは介護現場の課題やその解決策について道東の皆さんといっしょに考えていきたいと思っています。介護についてあなたが感じている身近な悩みや困りごとなど、皆さんの声もぜひお寄せください。


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