NHK札幌放送局

はるか昔の生活を想像して楽しもう! ようこそ縄文沼へ

北海道まるごとラジオ

2021年6月30日(水)午前11時26分 更新

MCを担当した函館局アナウンサーの上野速人です!6月17日の北海道まるごとラジオは、北海道・北東北の縄文遺跡群、世界遺産登録間近ということで、縄文沼にはまってみました!!!

今回のゲストは、縄文時代をテーマにしたフリーペーパー「縄文ZINE」編集長の望月昭秀(もちづき・あきひで)さん

函館市教育委員会の学芸員、福田裕二(ふくだ・ゆうじ)さん

お二人が「縄文沼」にはまったきっかけは…。

望月編集長
「デザインの仕事をしていて、縄文の造形とかデザインとかが最初にはまるきっかけだったんですが、知れば知るほど訳のわからないところが増えてきてしまって、完全に沼にはまってしまいました」
福田学芸員 
「学生のころからあちこち発掘に回っていて、海外も行って、そこで色々なものが出てきたりして、それが自分の仕事として根付いてしまった。函館は縄文時代の遺跡がたくさんある。ですから皆さんのお家の周りとかお持ちの土地が遺跡であることも多いんじゃないかと思います」

自宅の庭から土器が出てきたら、びっくりですよね!

縄文LOVEなお二人による熱くて深~く楽しいお話で、あっという間の50分でした!
内容ぎゅっとまとめて、さらに、放送で入りきらなかった話題も含めてお伝えします!

☆縄文人って、どんな人?

縄文人って、どんな暮らしをしていたんだろう? とっても気になりますが、その前に、そもそも縄文時代って、どんな時代だったんでしょうか? 

福田学芸員
「縄文時代は、約1万5千年くらい前、ちょうど氷河期が終わって暖かくなっていく時代の途中から土器が使われ始めた時代、約1万年以上も続いて、狩猟、漁労、植物採集、そんな生活を中心に定住生活を行ったというのが縄文文化、縄文時代です」
望月編集長
「1万年あるので、一口に続いたっていうのも、ちょっとイメージが違って、縄文時代の中でも色んなことがあったと思う。生活も変わったりしていたようなので、そこがまた面白い」

これだけ聞いても疑問がいっぱい。しかも当時は文字もないからよくわからない。
そこで、「縄文・疑問・質問!」と題して、お2人に聞いてみました。

まず、縄文人の体格は?

福田学芸員
「身長は男性で155センチくらいでしょうか。女性で147センチとか。今の現代人と比べると小柄で、骨格はがっしりした体型だったということが言えるようです」

望月編集長

「食生活を考えると、そんなにカロリーあるものは食べてなかったと思うんですよね。ポテチとかもないですし(笑)」

福田学芸員

「動きやすい体型でいないと、狩りに行ったり漁に行ったりするのもなかなか大変だろうから、現代の体型管理よりも、もっとシビアなコントロールができていたんじゃないかなと思います」

では、寿命は?

福田学芸員
「長い人だと60代以上の人の骨も見つかるんですけど、乳幼児(で亡くなる)とか死産とかも多くて、平均寿命は、一説には30前後じゃないかとも言われています」

リスナーからの質問も。

縄文人の恋愛事情は?

福田学芸員
「私も恋愛には疎い方なんで答えづらいんですが…。一昔前までの堅苦しい夫婦関係とか恋愛関係というよりは、もっとオープンなフリーな恋愛が多かったんじゃないかと思います」

当時は、どんな人がモテた? 当時の「かわいい」とか「イケメン」は?

望月編集長
「生活力があるというのが1番ではないでしょうか。狩りがうまいとか、頭がいいとか、よくものを知っているとか、話がうまいとか、そういうことも重要だったんじゃないかと思うんですよね」

さらに子どもからの質問も!縄文大好き、函館市の小学4年生、吉田愛望(よしだ・あのん)さんが電話で質問してくれました。

愛望さん
「縄文時代は、いまのように言葉や字が無かったのですが、どのようにコミュニケーションをとっていたのですか?」

福田学芸員

「言葉は確実にありました。文字は無かったですけど、その代わりに土器の模様とか、いろんな道具を使って相手に伝えることは可能だったと思いますし、言葉というのも大事なコミュニケーションとして使われていたと思います」

望月編集長

「文字が無いと遅れているみたいな印象があるかもしれないんですけど、文字が無くても成立してしまえば、必要が無ければ、文字を作らなくてもいい社会だったんじゃないかなと思ったりします」

さらに、

愛望さん「子どもたちは、どんな遊びをしていたんですか?」

福田学芸員

「野山でかけっこしたりもしたんでしょうけど、大人が土器を作っている脇で、粘土をこねながらちっちゃい土器を作って練習していくとか、石器を作るときに、一緒になって割りながら、石の割り方を覚えていって、だんだん大人になっていく、そんなことも遊びの中から覚えていったんじゃないかなと思いますね」

望月編集長

「暮らしの仕事みたいなやつが楽しかったりしたかもしれない。土器や石器を作るのがけっこう面白かったんじゃないかなと思います」

愛望さん、ありがとうございました!

私からも聞きたかったことが…。今のコロナのような病気にはどう対応したんでしょうか。

福田学芸員
「実際に感染症はあった可能性は高いと言われています。というのは、縄文時代はある時期から人口が激減している。それはインフルエンザだとか、そういうものが影響していた可能性があります。では、病気にかかった時はどうしていたかっていうと、今は薬とかありますけど、当時は良くて植物だとか動物の薬効成分のあるようなものを摂取して治すように心がけたか、呪術的な、おまじないとかも行って病気を治そうとしたんじゃないかと思います」

☆NHKの「縄文」ソング完成! 

番組では、ここで1曲。
NHKでは「北の縄文プロジェクト」と題して、世界文化遺産登録が見込まれる「北海道・北東北の縄文遺跡群」がある、北海道・青森・秋田・岩手の6つの放送局が連携し、「縄文」に関する番組や企画など、たくさんの情報を発信しています。
その「北の縄文プロジェクト」のキャンペーンソングを初披露。
TATEANAS(たてあなず)で「おやすみの国へ」。

TATEANASは、元々、望月さんが編集長を務めるフリーペーパー・縄文ZINEの企画から生まれたバンドです!
 メンバーで作詞作曲をした山内健司(やまうち・けんじ)さん

山内さん
「歌詞に縄文というワードこそ出てきませんが、縄文から学んだ人類の根源的な思考法や 原始の宗教、死生観について表現した曲」

是非、聞いてみてください!

☆土偶の謎に迫れ! 

専門家の間でも、今、話題沸騰!?の土偶って?というテーマでお二人に聞きました。
このテーマを語る上で欠かせないのが、縄文の人気者「かっくう」です。

かっくうは、中が空洞になっている「中空土偶」で、高さ41.5cm、幅20.1cm、重さ1.745kg。中空土偶の中では、国内最大。当時を知る資料としても価値が高く、北海道唯一の国宝に指定されています。しかも、農作業中に発見された!というおちゃめな一面も(笑)。
発見された場所、函館市南茅部地区の「茅(カヤ)」と、中空土偶の「空(クウ)」を合わせて、「茅空(カックウ)」と呼ばれて親しまれています。
では、そもそも何なんでしょうか??

望月編集長
「かっくうは、土偶の中でも特殊な土偶。足と足の間に注ぎ口みたいなものがついている。
頭に穴が二つ開いている。もしかしたら、そこから何か液体を入れて足の間から出していたかもしれない」

上野「何を入れたと思います?」

望月編集長
「お酒とかなのか…。水筒にするにはデカすぎますし」

福田学芸員
「近年、容器説はある。中が空洞なので、焼く時に中が密閉されていると破裂するから空気を抜くための穴じゃないかと考えられていたんですが、実際は、頭の上の方からずっと空いていますので、何か特別な意味があって足元の穴がつけられたのかなと。恐らく、これは他に土偶としてはないですよね」

リスナーから「うちの弟は中空土偶に顔が似ています」とのメッセージも(笑)。

では、そもそも土偶って、何のために作られたの?

福田学芸員
「最新の説では、植物を擬人化したもので崇拝の対象にしていたという説もありますが、従来は、病気の治癒や豊穣、狩りの成功を祈る、安産出産に関わる呪術的なものと言われています。ただ、これという決め手がない。土偶1つ1つで目的が違ったのではないかと思います」

望月編集長

「土偶ってそんなにたくさん出ていない。出ない遺跡があったり、あんまり作っていない時代もあったりして、時々によって違う用途があったのではないかと思う」

☆縄文人と現代人

もし、縄文人が現代にやってきたら…どうなるでしょう?

望月編集長「まず、マスクをしろって言われると思います(笑)」

では、縄文人が、スマホを見たら?

望月編集長
「スマホは石器の進化型なんじゃないかと思っている。縄文人の手になじんじゃうかもしれない(笑)。黒曜石だと思って砕きはじめるかもしれない。矢じりを作るかもしれない」

☆縄文に魅せられる人たち

 知れば知るほど興味がわいてくる縄文時代。そんな「縄文」に魅せられ、縄文沼にどっぷりとはまってしまったゲストが登場!縄文DOHNANプロジェクト代表の山田かおりさん。このグループは、企業の社長から、振興局の職員、デザイナーなど、産・学・官・民の23歳から76歳までの50人くらいで結成。Tシャツやバッグ、ストラップ、スイーツ、どぐるみ(土偶の編みぐるみ)などたくさんの縄文グッズを作って盛り上げています。

中でも、気になるのは縄文ビール!

山田代表
「栗を使っていて、まろやかで縄文の温かさを感じるビールです。原料に何を使うか考えた時、元々は、北海道に栗が無かった、ということは、当時、東北との交流があったことの象徴なのではないかということで栗にしました。グッズは子供が楽しめるものが多いんですが、大人も楽しめるものがないと広がらないと思いました。今は、農産物としては、函館で、栗の栽培は行われていませんが、いずれは、函館の栗で縄文ビールを作りたいと思っています!」
一同:マロン(栗)だけにロマンがありますね(笑)

どうしてそんなに縄文沼にはまるんですか?

山田さん
「イベントで、福田さんから縄文人の心、温かさ、思いやり、温故知新、高い芸術性を聞いたときに、現代においても地域がつながる上でとても大事なものだなと感じて、縄文にすっかりはまってしまいました(笑)」

上野「もうすぐ世界遺産に登録される見込みですね」

山田さん
「世界の宝物が函館にあるということにもっと誇りを持って、子どもたちに伝えたり、そこから郷土愛を持ってもらったりして、どんどん函館を元気にする取り組みを広げていきたいです!」

☆遺跡へ行こう!

ここまで知ったら、実際の縄文人の暮らしを感じられる場所、遺跡に行きたくなってきませんか? 日本最大級の縄文集落が、青森県の三内丸山遺跡です。

青森放送局の「縄文アナウンサー」園田遼斗(そのだ・りょうと)アナに聞きました。

▼スケールがでかい!

園田アナ
「三内丸山遺跡は、広さがおよそ42ヘクタール、なんと東京ドーム9個分です。 そこで、600棟近くの竪穴建物、2千点以上の土偶が見つかっています。まず目につくのが、高さおよそ15メートルの大きな6本の木の柱がそびえたつ 『大型掘立柱建物(オオガタ ホッタテ バシラ タテモノ)』。縄文時代の穴が残っていて、それをもとに復元したんです」

望月編集長
「実際に柱の根っこが残っていて展示されているんですが、けっこうスケールが大きくて、こんなでかい柱を6本も探してきたんだと思うと、それだけでも感動しちゃいます」

園田アナ
「縄文時代の茅葺の竪穴建物も復元されています。一番大きなもので、長さが32メートル!当時、この三内丸山遺跡では100人以上の人が暮らしていたといわれています。まさに縄文の大都会です!」

▼おすすめグルメも! 

園田アナ
「三内丸山遺跡には、縄文気分を味わえるレストランがあります。私のおすすめは、『発掘プレート 味噌汁付き』。ごはんには古代米が使われています。おかずは青森のおいしいホタテが盛りだくさん。ご飯の中を発掘して、ハマグリが出たら大当たり!デザートもらえます! デザートも縄文風です。『そふと栗夢(クリーム)』栗の甘い香りとなめらかな食感がたまりません。
三内丸山遺跡は、新幹線の新青森駅からはバスで15分ほど、青森空港からは車で30分ほどです。交通アクセスが良いので、ぜひ遺跡に来てください!」

では、ゲストお二人のおすすめ遺跡は?

望月編集長
「北海道伊達市にある北黄金貝塚。景色で言えば、そこが一番きれいですね。小高い丘に白い貝塚ができていて、海も見えて最高。是非、行ってみてください!」

福田さんは、地元函館を推したい気持ちを抑えてあえて他の遺跡をあげてくださいました。

福田学芸員
「ストーンサークルという魅力的な遺構がある、秋田県の大湯環状列石。縄文の神秘性を感じる空間だと思います」

☆縄文を楽しもう!

最後に縄文の楽しみ方を聞きました!

望月編集長
「縄文は庶民的な文化だと思う。みなさんも自分のバックグラウンドというか、職業とか好きなものを通して縄文を見たりすると、すごく楽しめると思います」
福田学芸員
「縄文って、誰もがきっかけさえあれば楽しめる、そして沼にはまっていく、そんな要素がいっぱいありますので、是非、関心を寄せて頂ければと思います」

NHKでは、これからも縄文の情報を発信していきます!

さぁ、皆さんも縄文沼へ!

2021年6月30日


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