NHK札幌放送局

まちのにぎわい、どうつくる?「まちづくり編」

ほっとニュースぐるっと道東!

2023年3月15日(水)午後2時20分 更新

地元の誇り、よそ者、食べ歩き、人と人…すべて「まちづくり」に関するキーワードです。 1月末に閉店したデパート「藤丸」の再建を担う新会社の社長、帯広や釧路でまちづくりに取り組む人、そして十勝の高校生のみなさんとともに、“まち”の未来をとことん語り合った「道東スペシャル 語ろう これからの私たちの“まち”」。そのトークの模様をたっぷりお届けするウェブ記事の第2弾は、未来へのヒントがつまった「まちづくり編」です。
(初回放送:3月9日) 

第1弾「藤丸編」はこちら

NHKプラスで3月28日(火)午前2時9分まで配信中!

<目次>
▶“まち”のにぎわい どうつくる?
▶デパート閉店後の釧路 “まちならでは”を発信
▶地元の人が地元を誇りに思えるまち
▶よそ者も集い楽しめる
▶帯広のにぎわいづくり まちのホテルを拠点に
▶目指すは「歩けるまち」 食べ歩きも
▶まちを「人と人とをつなぐ場」に


“まち”のにぎわい どうつくる?

赤松アナ:
続いてのテーマは「“まち”のにぎわい どうつくる?」です。デパートの閉店は、まち全体、例えば商店街などにも大きな影響を与えています。こんな心配の声があがっています。

藤丸閉店でまちは?詳しくはこちら↓
▶“夏の風物詩”への影響も懸念

赤松アナ:
平原まつりについて見てきましたが、松本さん、お祭り行きました?

高校生団体代表 松本優さん:
はい、去年も行きました。やっぱり学生としても、平原まつりや駅前で行われているお祭りは、数少ない楽しみにしているイベントでもあるので、それがなくなってしまうと本当にさびしいなと思います。実際に平原まつりもコロナ禍で実施されていない年があってさびしかったので、お祭りは続けてほしいなという思いはすごくあります。

赤松アナ:
村松さん、こういったお祭りというのはなくしたくないですよね?

新「藤丸」社長 村松一樹さん:
そうですね、私も祭り好きなので、コロナも明けようとしていますので、ぜひ祭りはやって頂きたいと思います。ただお金の話でいうと、残念ながら藤丸は耐震・建替えで間があきます。再開するまでの間は売り上げがあがりませんので、そこに貢献することはなかなか難しい。我々も無報酬でやっていますので。ただ何もできないかというと、藤丸がやってきた催事とか、いろんなものをこのお祭りに取り込んで、藤丸の名前を使ってですね、そういうところで貢献できるかなと思いました。

赤松アナ:
ありがとうございます。中心街でデパートという核がなくなるとどういう影響があるかということを見てきたんですが、ヒントになるのが釧路です。帯広より10年以上前に百貨店が閉店して、中心街の活性化が課題になってきました。そうした中、今日お越しの佐藤さんは、釧路ならではのまちづくりに取り組んでいます。


デパート閉店後の釧路 “まちならでは”を発信

佐藤さんの文具店があるのは、釧路駅からまっすぐ伸びる北大通。かつては商店が建ち並んでいましたが、今は空き店舗や駐車場も目立ちます。
幼い頃から中心街の変化を見てきた佐藤さんですが、中でも大きかったのは17年前のデパートの閉店でした。建物を再活用する計画もありましたが、実現せず、現在も空きビルの状態が続いています。

「核となる施設がなくなってしまうということは、市民にとってもこの辺に来る大きな理由の一つが減ってしまった」と話す佐藤さん。
実際に、閉店の前後で中心街全体の通行量は6割減少しました。

そうした中、佐藤さんは文具店ならではのまちづくりを行っています。
地域の芸術家に釧路の風景を描いてもらい、それを付箋やボールペンにすることで、釧路の魅力を発信しています。

また、コロナ禍で閉店した近所の喫茶店をギャラリーに改装し、地元の芸術家や市民が気軽に作品を展示できる場所にしています。
佐藤さんは「中心市街地はまちの顔だと思う。色んな側面からそのまちを楽しめるところがある必要があるのでは」と言います。

さらにこのギャラリーを、町の人も活用しています。
大学生がまちおこしのイベントをおこなったり、転勤でやってきた人たちが、まちを知る拠点にしたりと、様々な人たちが集まり、まちづくり活動は広がっています。


地元の人が地元を誇りに思えるまち

赤松アナ:
佐藤さん、釧路で様々な活動、そして交流も生んでいるようでしたが、大切にされていることを教えてもらえますか?

釧路 文具店経営 佐藤公一郎さん:
はい、「地元の人が地元を誇りに思えるまち」です。私たちは文具店ですので、どのように地元の誇りを持てるまちにできるか考えたときに、釧路にも、帯広もそうだと思うんですけど、たくさんの誇れる素敵なものがあります。それを地元の芸術家さんたちに形にして頂いて、それを文具として作ると。文具はすごく手軽なので、プレゼントやお土産に使って頂ける。渡す方も、釧路にこういうものがあるんだよと誇りに思いながら渡しますし、もらった人がそれで喜ぶと、「釧路ってけっこういいまちなんだね」と言ってくれると、より自分たちも嬉しくなって、「釧路って思った以上にいいところなんだ」ということが感じられると思います。それがまちの誇りになって、自信につながって、より自分たちのまちを好きになったり、元気にしなきゃいけないなと思ったり。すでにいろんなものがあるから、みんなに発信してみようと思ったり。そういうことにつながるんじゃないかなと思っています。

赤松アナ:
坂口さん、誇りって素敵な言葉ですね。

帯広 ホテル経営 坂口琴美さん:
そうですね。私たちも同じように思っていて、自分たちが地域の人に「それってすごいことんだよ」と知ってもらうことで、みんなが魅力を発信できるようになるかなと思います。

赤松アナ:
そうですね。一方で、やはり空洞化がなかなか止まっていない実態があると思うんですが、その辺り佐藤解説委員はどうでしょうか?

佐藤庸介 解説委員:
個々にみなさんの素敵な取り組みがあるとしても、やはりどうしても人の流れがないと、なかなか個別の努力では乗り越えられないところがありますよね。専門家の中では、中心市街地の不振というのは原因じゃなくて結果、つまり人が減っているからどうしたってそこで商売は難しいという言い方をする人もいます。ですから、そこをどう手当てするかは大きなポイントになるかなと思います。

赤松アナ:
佐藤公一郎さん、そうは言ってもやはり生まれ育った故郷の空洞化を止めていきたいという愛着はありますよね?

釧路 文具店経営 佐藤公一郎さん:
そうですね。うちの店は北大通にあるんですけれども、子どもの頃からその上に住んでおりまして、そこで育ったということで、自分自身は釧路で一番のシティーボーイかなと思っているんですけど(笑)。愛着はありますので、昔のような形に戻るのはなかなか難しいとは思うんですが、また違った、今にあった形で中心市街地がにぎわうということは、できると思いますし、知恵の使いどころかなと思います。

赤松アナ:
ここで「言いたい!」の札があがりました。高校生の平田くん。

星槎国際高校 平田雄大さん:
今、育ってきたまちの思いということがあったと思うんですけど、僕らが普段生活している帯広に関しては、「いってらっしゃいとおかえりが集まる場所」にしたいと思ってるんです。
交通網的にも、札幌やほかのまちと電車もつながっていますし、中心街だから人の流れも多いんですけど、そういう人の思いだとか、思い出の場所とかを守って、そういう場所を新しく作っていってほしいなと、帯広に関しては思いますね。

赤松アナ:
松本さん、どう聞きました?

高校生団体代表 松本優さん:
やっぱり今はあまり「いってらっしゃい」や「おかえり」という言葉を家族以外の方からかけられることって少なくなっているなと感じていて。私も地元から帯広に通ってきていて、そういうことってあまりないし、地元の方と話すこともあまりないので、そういう関係性とか交流も、また持っていけたらいいのかなと思います。

赤松アナ:
そして、佐藤さんから「誇り」という言葉がありましたが、こんな投稿も来ているのでご紹介します。

26歳男性・帯広生まれ帯広育ち東京在住
『まち』はその地域に住む人にとってのアイデンティティの拠り所であってほしいなぁと思います。人・モノが集まる場所だからこそ生まれる色んな人・モノとの出会いや各種イベントなど、地域の人の五感全てで何かを吸収する場所であって欲しいと思います。

さっきの平田くんの「いってらっしゃい」「おかえり」ということともつながる気がしますね。


よそ者も集い楽しめる

赤松アナ:
愛着とか「おかえり」というキーワードがありましたが、佐藤さん、地元の人だけでなく、外から来た人への活動もされているんですよね?

釧路 文具店経営 佐藤公一郎さん:
そうですね。中心市街地は、地元の方とともに、「よそ者も集い楽しめる」場所であってほしいなという思いがあります。転勤族の方とか大学生で、ずっとではないんですけど釧路に滞在して、住んでいる人が関わるというところを作りたいなと思っています。
我々がやっているギャラリーでも、通常は絵や写真を飾る場所なんですけれど、大学生の「くしラボ」という団体がまちづくりを考えようというときに、会合の場として使ってもらって、実際にまちなかで会議をしてみようというものがあったりですとか、転勤族の方たちで「わたりどりナイト」ということで集まって打合せをして頂いたりですとか。
やはりそういう場所を提供したいですし、芸術というところでも、まちに経済合理性とともに芸術というところがあると、そういうものがまちにまた深みや良さを出してくるんだろうと思いますので、そういうところもまちなかで作れればという思いで提供しています。

赤松アナ:
坂口さん、「よそ者」というキーワードですが、このあたりどうお聞きになりました?

帯広 ホテル経営 坂口琴美さん:
外にいたほうが、地域の良さってすごく見えるなと思うんですよね。地域の人はいつも日常的に見ているものがそんなにすごいの?という不信感というか、それがすごいことに気づけないというか。なので、外から来た方たちに教えてもらってはじめて、それってすごいことなんだと気づくというのが、先ほどおっしゃっていた誇りというものにつながっていって、それを外の人にまた伝えるということに結び付くなと思います。

赤松アナ:
自分たちで考えているだけでなく、いろんな方の意見を聞いたりしていくと、新しい視点や価値観に気づけるというのはありますね。
外からの視点という話も出ましたが、まちなかのホテルを拠点に、観光客も取り込みながらにぎわいづくりに取り組んでいるのが坂口さんです。


帯広のにぎわいづくり まちのホテルを拠点に

坂口さんは7年前、帯広中心部の使われなくなったホテルを改装し、新たにオープンさせました。まちに繰り出してもらいたいという思いから、部屋はあえてコンパクトにし、1階は宿泊者以外も使えるカフェバーにしました。

地元の人もホテルに来られるようにすることで、観光客との交流を生み出すねらいです。
坂口さんは、「飲食があって地元の人たちがカフェとして利用しながら、よそからここに立ち寄った人たちがローカルの人と交われるというのがポイントだと思う」と話します。

また、ホテルには、市内の食べ歩きマップや温泉マップがあります。まちなか全体を楽しんでもらいたいと作ったものです。

さらに、まちなかをめぐる仕掛けとして、馬車の中でお酒が飲めるバーを作りました。新たな楽しみを生み出すことで、にぎやかなまちを目指しています。


地域のコンシェルジュを増やす

赤松アナ:
坂口さんのホテルの取り組みですが、外からのみなさんと楽しそうな関わりをされていましたね。どんなことを大切にしているのか教えて頂けますか?

帯広 ホテル経営 坂口琴美さん:
はい。「地域のコンシェルジュを増やしたい」です。先ほどからおっしゃっていた、よそから来た方と地域の人たちで新たに発見される「誇り」というものが、地域の人にとっても伝えられる。ということは、私たちはホテルマンとしてコンシェルジュではあるんですが、お客様、つまり地域の人もよそから来た人も、十勝のことを好きになった人が、みんなコンシェルジュになっていくというような。それってやっぱり人の交わりから生まれていくもので、そういうコンシェルジュを増やしていきたいという思いが、もとから強くあります。

赤松アナ:
そういう意味で、地元の方と外の方との関わり、かけ算というようなものは、たくさんあったほうがいいということですよね。釧路でもそういったことは進んでいるんですか?

釧路 文具店経営 佐藤公一郎さん:
そうですね、釧路でも先ほど紹介した大学生のまちおこし団体「くしラボ」が、地元で自分たちで活動をしています。なかなか若い人たちにとって中心市街地に行くところがないという話があるんですけれど、カフェはけっこうエモいというか、ポイントとしてあって。けっこう古い、創業80年とかのカフェも釧路にはあって、そういうところを巡って、彼らなりの切り取り方をして楽しんでもらえたり、それを「まちなかマップ」ということで「くしラボ」の事業としてやったり。
そうやって自分たちで、我々には気づかないまちの魅力を切り取ってくれるので、そういう意味ではすごくありがたいなと思っていますし、それがまちのにぎわいにつながる。先ほど「よそ者」と書きましたが、釧路の大学生も釧路外の方が多くて、なのでそうした視点で、それも魅力なんだなと。我々がただの喫茶店としか思っていないようなところも、彼らにとっては、昭和レトロみたいなものも相まって魅力に思える。意外とそういった切り口でいうと、商店街に商機はあるのかなと思ったりして、いろんな視点があります。

赤松アナ:
はい。今「コンシェルジュ」というキーワードがありました。それって観光に来た方たちが新しく見つけてくれると思うんですが、佐藤解説委員、観光というものの可能性はどうでしょうか?

佐藤庸介 解説委員:
今「よそ者」などのキーワードが出ましたが、よそ者の最たるものが観光客だったりするわけですね。観光と中心市街地ってすごくなじみのいいキーワードの組み合わせだと思うんですよね。というのも、地元の人だと車を使う人が多いと思うので、中心市街地はなかなか行きにくい。でも、観光客だったり出張で来た外の人だったりは、必ず行くのが駅とか、公共交通機関を使って行くところは中心市街地だったりするわけですよね。
ですから、中心市街地を観光のショーケースにしたほうがいいんじゃないかというのは、専門家でもよく言われていることですね。最もアクセスしやすい場所ですから。新しい藤丸も、例えば観光客にターゲットをしぼった産品のコーナーがあるなど、そうした場としてまた存在を高めてほしいなということも、お話を伺って思いました。


目指すは「歩けるまち」 食べ歩きも

赤松アナ:
「観光」というキーワードの中で、坂口さん、少し新しい構想があるそうですね。

帯広 ホテル経営 坂口琴美さん:
そうですね。大切にしたいもうひとつの考えとしては、「歩けるまち」をつくっていきたい。
中心市街地がドーナツ化していくというのは車社会の課題だと思うんですが、やはり暮らしているまちは、半径約800メートル、徒歩圏内20分と言われているエリアに衣食住が集まっているといいですね。自分たちに必要なものが歩いてそろうまちというのは本当に暮らしやすいまちで。郊外に広がっているまちであっても、そのエリアごとに歩けるまちづくりというのは、高齢化社会にとっても重要なキーだと思うんですよね。

佐藤庸介 解説委員:
事例としては、こちらは愛媛の松山の写真ですが、松山も歩いて暮らせるまちを目指しているということです。こういった歩道を活用して歩行者中心のまちづくりをするところが、けっこう全国でも出てきているみたいですね。

帯広 ホテル経営 坂口琴美さん:
スペインでも同じように、食べ歩きのまちづくりというのがされているんですけれど、やっぱり「食べる」ってみなさん共通じゃないですか。人と交わるポイントでもあったり、ものをなかなか買わない時代になってきて、やっぱり食べ歩きというのは、食の大地の十勝として重要なキーになると思います。

赤松アナ:
お便りも来ているのでご紹介します。

60歳男性・帯広市
帯広には北海道を代表する菓子メーカーや、豚丼店、カレー店など、そのほかにもいろいろありますが、食べ物だけでも魅力的なコンテンツに溢れています。今それは各所に分散していますが、例えばそれを広小路に集約し、いわゆる「グルメストリート」として再生できないか。広小路の西2条側、大通り側にそれぞれある菓子店の間を食べ物屋さんやカフェなどでつなげて「食べ歩きの街」のような空間になれば面白いかもと思います。

村松さん、食べ歩きについて、新しい藤丸もなんらかの形で関わっていけそうですかね?

新「藤丸」社長 村松一樹さん:
そうですね。十勝、食、食べ歩き。興味深いですね。広小路もグルメストリートみたいになると大変いいですよね。松山の例なんかも、若い人たち、ファミリー層が食べ歩くような。またはインバウンドや旅行者が食べ歩くような。それと、先ほど藤丸の1階は食にしようかというのをひとつの有力な案として申し上げたので、坂口さんの話とつながっていくのかなと。つながってつながって、それが面になって、魅力的なまちが形成されていくのかなと思いました。

赤松アナ:
そうですね。お菓子屋さん巡り、カレー店、豚丼店、そして新しい藤丸もそこにどんな風に関われるかと考えていくと、楽しく歩けそうな感じがしますね。食べ歩くというと、若いみなさんも学校帰りとかに行くんじゃないかなと思うんだけど、帯広柏葉高校のお二人とかどうかな?

帯広柏葉高校新聞局 村中迪唯さん:
食べ歩きといっても帯広ではまんじゅう店くらいで、ソフトクリームとか大判焼きを買って食べるくらいしかないので、まちなかに食べ歩くことができる施設とかができて、バスの待ち時間とかに、ベンチで話しながら座って時間をつぶせたりしたら楽しいなと思います。

帯広柏葉高校新聞局 平山陽香さん:
食べ歩きというと比較的安価に食べられたり、短い時間で楽しめるようになるものが多くなって、友達と今ある高校時代を楽しめる、青春の1ページみたいな感じになると思うので、ほしいなと思います。

赤松アナ:
お、そして「言いたい!」の札があがりました。石澤くん、食べ歩きについてどう?

星槎国際高校 石澤春汰さん:
僕の意見を言ってもいいですか?僕、中心市街地以外の場所に行ったときにキッチンカーとかをよく見かけるんですよ。新しい藤丸の話がありますけど、藤丸、めっちゃ広いスペースがあるので、せっかくだったらキッチンカーを入れて食べ歩きしたいなって思っちゃうんですよ。かつ、キッチンカーが入ることによって、周りが食べ歩きしているという絵が生まれるじゃないですか。そうなったら自分も「いいな」と気軽に行ける。これが、高校生にもなじみが出やすくなってくるんじゃないかなと思うので、こういうのをやってもらえたら嬉しいなって思います。

赤松アナ:
村松さん、今キッチンカーを建物に入れちゃったらというアイデアも出ましたけど。

新「藤丸」社長 村松一樹さん:
藤丸もそうなんですけど、私は帯広商工会議所の商工委員会の委員長もやらせて頂いていまして、そちらのほうで広小路を歩行者天国にできないかというチャレンジを少しずつ始めて、調整を地域のみなさんとお話ししようとしているところです。歩行者天国になった広小路にキッチンカーを置いて、そこを人工芝にしたり、そうすると広小路が、人々が往来する食べ歩きの一角になっていくのかなと思いながら、彼の意見を聞かせてもらいました。

赤松アナ:
石澤くん、村松社長が前向きに受け止めてくれたよ。

星槎国際高校 石澤春汰さん:
ありがとうございます。すごく前向きな意見をもらえて嬉しいです。

新「藤丸」社長 村松一樹さん:
各種調整しなきゃいけないんですけど。すみません、大人の言い方で(笑)。

赤松アナ:
いえいえ(笑)。ただこうやっていろんな意見が出てくると、いろんなアイデアもわきやすくなりますね。


まちを「人と人とをつなぐ場」に

赤松アナ:
今、食べ歩きとかいろんな話が出てきましたが、ここまでまちのにぎわいをどうつくるか考えてきました。佐藤解説委員、ここまで聞いてどうでしょう?

佐藤庸介 解説委員:
ちょっと話が広がりますが、まちづくりのヒントとしてひとつ面白い観点をお示ししたいなと。こちら、中標津町の地図なんですけど、中標津のまちって特徴があって、これを「中標津モデル」と呼んでいる専門家がいます。どういう特徴があるかというと、まちに地元資本の商業施設があって、ここをコアに、まちがそんなに大きくなく、コンパクトにまとまっている。商業施設や専門店なんかも駐車場があって、車社会とも共存しているというようなまちなんですね。これは意図的に設計したというわけではないようなんですが、こうやってコンパクトにまとまっていることで住みやすくて、人口の規模もかなり維持されているというまちですね。
ここからのヒントは、無理に力んで活性化させるというのではなく、自然体で住みよいまちをつくっていこうという努力を重ねることでも、いいまちができるというひとつの例なんじゃないかなと。これもひとつのヒントになるかなと思います。

佐藤庸介 解説委員:
そして、今までのお話を伺っていてまとめられるキーワードとしてはこれかなと。「人と人とをつなぐ場」。これには2つ意味があるんですね。「人と人」というのは、内の人と外の人が出会うということ。「場」の意味は、今コロナ禍で、オンラインなどでバーチャルな出会いもありますが、やっぱりリアルで、人と人とが物理的に会う。その会う場所として、中心市街地が一番マッチする場所なんじゃないかと。今日の一連の議論を聞いて、これがキーワードとしてあげられるかなと思いました。

赤松アナ:
そうですね、リアルな場というのが大事になっていくんじゃないかなと思いますね。
ここで、これまで寄せられていたお便りをご紹介していきます。

9歳・十勝地方
老若男女、知らない人ともすぐに仲良くなれるまち

いいですね、いろんな世代が交わる。イメージ浮かびますよね。そしてほかにも頂いています。

35歳男性・十勝地方
これからのまちの魅力は建物やモノで表すのではなくて、人であってほしいと思います。
例えば、あのお店の人に会いたい。あの人が淹れたコーヒーを飲みたい。あの人のいる場所なら楽しい人たちが集まっているかな。そんな人たちがまちに居たら気軽に行く回数が増えて少しずつでも小さなコミュニティが出来上がって、まち全体へと広がっていくのではないでしょうか。
大きな変化も大事ですが各々の小さな場所にたくさんの馴染みの人たちが増えてまちが賑わっていくほうが、みんなで未来をつくる上で大事なことだと思います。

先ほどの「人と人」というキーワードにつながるようなご意見も頂きました、ありがとうございました。ここまで、まちのにぎわいについて考えてきました。

最後の主役は、これからのまちを担う若い世代です!

▶高校生と一緒にできることは?「若者編」

前半の藤丸に関するトークはこちら↓

▶まちなかのデパート どうする?どうなる?「藤丸編」

「語ろう これからの私たちの“まち”」番組ページへ


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