NHK札幌放送局

色丹島で「初めて」のイチャルパ #アイヌ

ほっとニュース ミニ

2019年6月11日(火)午後5時13分 更新

5月、色丹島で行われた北方領土の「ビザなし交流」で、アイヌの女性が先祖の霊を供養する伝統的な儀式=イチャルパをはじめて行いました。

【ビザなし交流で初めて】
北方領土の元島民などがビザを持たずに島を訪れる「ビザなし交流」です。一行は、色丹島北東部斜古丹に残る墓地を訪れ、先祖の霊を供養するアイヌの伝統的な儀式、イチャルパを行いました。内閣府によりますと、ビザなし交流でアイヌ民族が北方領土で儀式をおこなったのは初めてです。
イチャルパを行った多原良子さんです。札幌アイヌ協会の副会長を務める多原さんはアイヌ民族を代表してこの地で暮らしていたアイヌの人たちの魂を弔いたいと考えました。

イチャルパを行った多原良子さん
「手を合わせる事ができたっていう、気持ちでもう胸いっぱい」

【苦難の歴史】
北方領土を含む千島列島ではかつて多くのアイヌ民族が生活していましたが、日本人やロシア人が移り住むようになると強制的に働かされたり、移住させられたりするなど多くの苦難に見舞われました。
昭和20年にソビエト軍が北方領土へ侵攻するとアイヌの人たちは島を追われ、多くの墓が残されたままとなっています。
北方領土にルーツのない多原さんは、歴史を学ぶうちに墓を訪れてみたいと思うようになりました。

多原良子さん
「同じアイヌ民族でありながら、ロシアと日本に翻弄されたということが本当衝撃的でした。そういったことを知りたいという気持ちをずっと何十年も持っていたんですね、でも自分の中に壁があって、元島民でもないし、今決心しなければチャンスはないだろうと」

【同じアイヌとして】
多原さんはアイヌの民族衣装に身を包み、アイヌの人が埋葬されているとされる墓地を訪れ、アイヌ語で“女性の儀式”を意味する「メノコイチャルパ」を一人で執り行いました。

訪問団に同行していた元島民
「45年で初めて関連する人にあった。うれしいです」

多原さんはこの地で暮らしたアイヌの人たちに思いをはせて祈りました。

【国境を越えて】
今回の訪問で手応えを感じた多原さんは、アイヌへの理解を国の枠組みを越えて広げていく可能性を信じています。

イチャルパを行った多原良子さん
「ロシアの先住民族に対しての理解と、日本の先住民族が交流すれば、また今の交流に加えて、新たな交流が生まれるのではないか。先住民族のを焦点に当てた文化であるとか、環境を考えるとか、その中から教育の問題を考えるとかいろんなことに発展していくと思いますし、可能性があると手応えを感じました」

2019年6月10日放送

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