NHK札幌放送局

“人犬一体”で守り抜く! 道警の警備犬

ほっとニュースweb

2021年8月3日(火)午後6時12分 更新

東京オリンピックが開幕し、連日のメダルラッシュに日本中が盛り上がっていますね。こうした大規模なイベントで重要になるのが、テロなどの脅威に目を光らせ、市民の安心・ 安全を確保することです。ドローンなどの最新鋭の技術を駆使した防犯対策が注目されがちですが、「警備犬」だって治安維持の一翼を担っています。

嗅覚で危険を察知する「警備犬」

オリンピック開幕を目前に控えた7月中旬、札幌市内で、警察による警備犬の訓練が報道機関に公開されました。警備犬とは、爆発物などの匂いを嗅ぎ分けるための特別な訓練を受けた警備専門の犬のことです。ちなみに、刑事ドラマでよく見る、事件現場から犯人の足取りを追う犬は“警察犬” と呼ばれ、別の捜査部門で運用されています。

この日の訓練に参加したのは北海道警察本部の警備犬「パティー号」。ジャーマンシェパー ドの8歳のメスです。 嗅覚を使った訓練では、爆発物の匂いがするロッカーの在りかを瞬時に見破りました。 大型犬が雑踏でほえると民衆パニックを引き起こしてしまう恐れがあるため、異変を察知してもほえずにその場に座り込んで危険物の存在を知らせます。こうした警備犬が何頭いるのか、道警は警備上の理由で明らかにしていませんが、複数の警備犬が訓練を重ねているということです。

“ハンドラー”との信頼関係がとっても大事

鍛え上げられた警備犬が実際に仕事現場で能力を発揮できるかどうかは、「ハンドラー」と呼ばれるコンビを組む警察官の手腕にかかっています。 コミュニケーションをとって的確な指示を伝えることがカギなんです。公開訓練に登場したパティー号のハンドラー、土橋伸太郎巡査長(25歳)に話を聞きました。

「犬の個性や性格を考えながら、接するようにしています。訓練とコミュニケーションを重ねるうちに、パティー号も私が何を要求しているのか考えるようになっていきました。そういう仕草が垣間見えると、いいコンビになれたかなって思います」(土橋巡査長)

ここで、土橋巡査長とパティー号について少しご紹介しましょう。 「犬と一緒に働きたかった」という土橋巡査長は去年4月、念願叶って警察犬小隊に配属されてハンドラーとなり、パティー号とコンビを組みました。 ただ、はじめの頃は指示がうまく伝わらないためか従わないこともあって、苦労の連続だったそうです。 もともと、大の「犬派」でしたが、警備犬はペットとして飼われる犬と大きく違ったといいます。

「警備犬はかわいがるばかりではいけません。現場で仕事をしてもらわなくてはいけないので、それをいかに楽しくやってもらうかということを考える必要があります」(土橋巡査長)

心を通わせるには、ともに同じ時間を過ごすことが大事でした。 犬舎には警察官が寝泊まりできる施設が併設されていて、日夜、コミュニケーションを重ねてきました。体毛のブラッシングや耳あかの掃除をして信頼関係を深め、訓練ではパティー号が飽きないように少しずつ内容を変える工夫もしました。 そして何より、仕事や訓練で成果を上げたら思いっきりほめてあげて、パティー号に自信を つけさせることが一番、効果的だったそうです。
そんなこんなで、今ではコンビの息はぴったり。 7月下旬にはオリンピック会場の1つとなった札幌ドームの警備にも出動し、任務を果たしました。

万全の五輪警備に向けて

取材の最後に、土橋巡査長は「パティー号は好奇心旺盛で、爆発物を探すことや犯人を制圧 するのにも積極的な、優秀な犬。世界的に注目されるオリンピックでパティー号の能力を最大限発揮させて、任務を完遂したいと思います」と意気込んでいました。

オリンピック最終盤の4日間、札幌の中心市街地でマラソンと競歩が実施されます。 広いエリアを警備しなければならない上、犬が苦手とする厳しい暑さも予想されていて、これまでにない過酷な任務となります。 コンビの真価が問われる大舞台に、人馬一体ならぬ「人犬一体」で臨みます。

(取材:札幌放送局記者 勝健太)
2021年8月4日

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