NHK札幌放送局

函館発、4月1日。新生活を迎える、深夜のフェリーにて。

道南web

2023年4月27日(木)午後5時43分 更新

春と言えば、旅立ちの季節。みなさんに変化はありましたか?4月1日の深夜のフェリーでは、多くの人が函館を旅立ち、新しい生活を始めようとしていました。

函館発、青森行きの深夜フェリー
3月31日の午後10時05分。函館の港を、青森行きのフェリーが出発しました。

青森に到着するのは4月1日の午前1時25分。83人の客が、この深夜のフェリーに乗り込みました。

船内で最初に出会ったのは、旅行の帰りだという家族。北海道を車で一周した後、地元の大阪まで14時間かけて戻ります。

永岡倖花(ながおかゆうか)さんは、3月に中学を卒業したばかり。もうすぐはじまる高校生活を楽しみにしていました。

(今、フェリーで何をしていました?)
携帯で、友達とやりとり。高校に入学したら何するかとか。

(入学したら、どんなことがしたいですか?)
帰り道に、色々遊びに行きたい。中学からの友達と、入学式の3日後にデパートで遊びます。

高校の制服を受け取るのは2日後。少しでも早く地元で進学準備をしたいと、深夜のフェリーで旅路を急ぎます。

函館の思い出を、新生活に持っていく
午前1時。ほとんどの客が眠りにつく中、1人起きている女性がいました。函館の高校を卒業したばかりの秋山花緒さんです。

兵庫の大学に進学するため、家族の車に荷物を乗せて引っ越しに向かう秋山さん。お母さんの仕事が昼まであったので、深夜のフェリーに乗りました。

(深夜のフェリーはどうですか?)
すごく静かだなって思います。こんな風に、これから1人でしんみりする時間が増えるんだろうなって…。

(どうして、しんみりする時間が増えると思うのですか?)
大学は寮なので、やっぱり家族でわいわいっていうことがなくなりますし、先に1人暮らしをしている友達が「夜1人だよ~」って言いながらよく電話をしてくるので。「わたしもこれから1人なんだ」と思うと、ちょっと寂しいです。

秋山さんが深夜に起きていたのは、函館での思い出を整理するため。高校時代の活動資料や地元の新聞を、ファイルにまとめて持っていきます。

一番の思い出は、地域の人を集めて夢を語り合うワークショップを開催したこと。その時に参加者からもらった宝物があります。

参加者全員に、自分の夢を紙に書いてもらったんですけど、その内の1人の方がプレゼントしてくれたんですよ。
すごい素敵な夢じゃないですか。「人を喜ばせることに時間を使えるようになりたい」って。

地域でイベント活動をしながら、高校では生徒会と演劇部、ESS(英語部)に所属。全力で駆け抜けた3年間でした。

この3年間でいろんな人に出会って感じた変化にちゃんと区切りをつけて、それがあって新しい大学での自分がいるって覚えておきたくて、今急いで整理してます。

秋山さんの作業は、フェリーが青森に到着するまで続きました。
人々の新生活が始まる4月1日。それぞれの思いを乗せた3時間半の航海でした。

<取材した函館局ディレクター>
荻野 智也
2019年入局。東京での勤務を経て、2021年11月から函館局へ。道南への新たな移住者として、地域の魅力を知り尽くすことが目標。

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