アイヌ文化を継承しようと、釧路市の阿寒湖畔ではおよそ20年ぶりとなる伝統の丸木舟の製作が始まりました。
阿寒アイヌ工芸協同組合は伝統技術を若い世代に受け継いでもらおうと、およそ20年ぶりに「チプ」と呼ばれる丸木舟を製作することになりました。
丸木舟に使うカツラの木は、長さ9メートル、直径1メートルで、先週、弟子屈町で伐採され、阿寒湖畔に運ばれました。
21日は作業開始を前に伝統の儀式「カムイノミ」が行われ、若手の工芸家など8人が木や道具に酒を振りかけるなどして作業の安全を祈りました。
このあとさっそく作業に取りかかり、20年前の製作にも関わったベテランの工芸家から教わりながら、木の寸法を測ったり、チェーンソーで削ったりしていきました。

阿寒アイヌ工芸協同組合の床州生理事は「アイヌの生活必需品だった丸木舟の製作を通して技術を伝えたい。観光にも生かせるようなデザインを考え、多くの人に見てもらいたい」と話していました。
丸木舟の完成はことし11月ごろを予定しているということです。
2021年7月21日放送