NHK札幌放送局

日本ハム 伊藤大海投手 2年目への思いとは

ほっとスポーツプラス

2021年12月28日(火)午後4時20分 更新

 日本ハムの伊藤大海投手は去年、ルーキーながら10勝をあげて、東京オリンピックでは日本の金メダル獲得に大きく貢献しました。新しいシーズンにはどのように臨むのか。 プロ2年目にかける思いを 聞きました。(NHK札幌放送局 雁田紘司)

衝撃的だったルーキーイヤー

伊藤投手は鹿部町出身の24歳。去年、日本ハムでは初めて、地元・北海道からドラフト1位で入団しました。開幕から先発ローテーションに入り、堂々とした投げっぷりでファンの心をつかみました。長いシーズンを戦うプロの世界では、変化球を生かすためにも、バッターのインコースを攻めきれるかが重要になりますが、伊藤投手はデビュー戦からプロのバッターに臆せず、インコースに速球を投げきるコントロールと度胸を見せました。持ち味である多彩な変化球のなかでも、縦や横に自在に変化させるスライダーは、プロのバッターも手を焼く最大の武器になり、前半戦を終えた時点の成績は7勝4敗、防御率2.42と好成績をマークしました。東京オリンピックの野球日本代表にも選ばれて、中継ぎとして決勝のアメリカ戦など3試合に登板して、5イニングを無失点に抑えて日本の金メダル獲得に大きく貢献しました。

伊藤 大海投手
大学時代からやってきたという自負があったので、そこでひけをとらないようにしていました。もちろんすごい選手もたくさんいますが、技術うんぬんよりも気持ちで、まずは向かっていく姿勢がなければ、勝てるものも勝てないと感じていました。初対戦のバッターが多いなかで、僕も難しかったですけど、相手のバッターもすごく嫌だった部分もあると思うので、成績にはまだまだ満足してはいけないと思っています。東京オリンピックではふだんとは違う中継ぎで投げましたが、1試合も落とせないという場面だからこそ、強気に投げました。投げきってやろうという気持ちにもなって、ああいう場面で経験した1球1球はこれからにも生きてくるなと思いました。

今シーズンの課題は

伊藤投手は1年目のルーキーとしては申し分ない成績を残しましたが、インタビューでは明確な課題をあげました。それはフォアボールが失点につながり、チームの勝敗、自らの成績に影響したことです。

伊藤 大海投手
負けがついている試合、先頭打者をフォアボールで出して、そのまま点を取られてしまうこともありました。しっかりやらなければいけない、抑えなければという気持ちが出すぎてしまって、フォアボールにつながったこともありました。そこは本当に冷静に、しっかり与えられたイニングで仕事をするということを考えないといけないなと思っています。

目指す“プロの姿”とは

インタビューでは昨シーズンで最も印象に残り、今後の糧になった場面を聞きました。プロ初完投・初完封勝利となった8月の西武戦をあげるかと想定していましたが、伊藤投手の答えは、10月21日のソフトバンク戦。10勝目がかかった試合で6回まで無失点に抑えながら、7回にツーランホームランを打たれて、勝ち星がつかなかった登板です。この試合では、7回に、引退を表明していたソフトバンクの長谷川勇也選手が代打で登場し、伊藤投手はファーストゴロに打ち取って、一塁のベースカバーに入ってアウトを取りました。この場面で、長谷川選手は、何とか塁に出ようと、ヘッドスライディングをしました。最後の最後まで気迫のプレーを見せた長谷川選手がベンチに引き上げたあと、伊藤投手は長谷川選手に向かって、マウンド上で帽子をとって深く一礼しました。この一礼には、プロとしての姿勢を学ばせてもらったという思いも込められていました。

伊藤 大海投手
昨シーズンで、ターニングポイント的なのは、多くあったように思うんですけど、印象深いで言うと、長谷川さんの引退試合です。シーズンで1番調子がいいくらいの感じで、あの場面で長谷川さんと対戦して、いろいろ感じるものがありました。ああいう雰囲気とか、プロ野球選手として、いまここにいることが幸せなことだと思ったし、そこに携われた巡り合わせは感慨深いなと思いました。あの試合は勝てなかったけど、悔しくなかったですね。長谷川さんの気持ちもすごく伝わってきて、僕もああいう選手になっていかないといけないなと思いました。相手に何かを伝えられる、感じてもらえる選手になりたいなと思わせてくれました。

“BIG  BOSS” 新庄監督のもとで臨む2年目

日本ハムは今シーズンから、新庄剛志監督が新たに指揮を執り、選手への意識改革を促しているほか、既成概念にとらわれない野球を目指すことを掲げています。伊藤投手は、新庄監督が11月に練習を視察した際、「これからの起用法でついてきてほしい」と言われ、先発投手だけでない起用もあり得ることを伝えられています。チームが新たなスタートを切るなか、伊藤投手も新たな挑戦を受け入れる覚悟を示しています。

伊藤 大海投手
どういうポジションで使われるか、まだわからないですけど、すごく楽しみです。ビッグボスが「ここで頼む」というところで頑張りたいなと思っているので。逆に今までにないスタイルというか、どこでも投げますというくらいのピッチャーになれたらなと思います。

今シーズンとその先も “探球心”

伊藤投手は昨シーズン、2段モーションを取り入れたり、試合中に相手の意表をつくスローカーブやサイドスローを取り入れたりと、新しい技術の習得にどん欲に取り組んできました。その背景には、少しでも野球をうまくなりたいという姿勢とファンあってのプロ野球という考えがあります。

伊藤 大海投手
本当に、野球を楽しむというのが僕のベースにあって、そのなかでまっとうにやるのはもちろんなんですけど、プロ野球選手という立場上、何か1つでも面白いこと、変わったことをやりたいというのがあります。僕が大谷(翔平)さんみたいに160キロのボールを投げられたら、それでいいですけど、そういうことはできないので、何か、他の選手とは違った方法で、新しい技を見つけださないといけないという立場です。いろいろなことをやることに対して躊躇はないですね。

伊藤投手が今シーズンの目標として書いた文字は、“探球心”。この造語には、プロとしての姿勢がつまっています。

伊藤 大海投手
今までもやってきたように、新しいことであったり、いろいろな事に挑戦していきたいです。いい環境で、いい場所で野球をやらせてもらっていることに感謝して、自分自身、今できることというのをしっかり追求して頑張りたいです。

伊藤投手は、北海道出身のルーキーとして10勝をあげて、一躍、スター選手の候補になりました。2年目の今シーズンは対戦相手もさらに研究をして、伊藤投手への対策をしてくるなかで、どのような姿を見せてくれるのか。“探球心” から生まれる進化した伊藤投手の姿が楽しみです。

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