NHK札幌放送局

苦境ライブハウス TERU(GLAY)がコロナ禍に思うこと #道南WEB取材班

道南web

2021年9月21日(火)午後5時37分 更新

新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、生演奏を楽しむことができるライブハウスはいわゆる「3密」にあたるとして、営業の自粛や休業を余儀なくされ、閉店に追い込まれる店が相次いでいます。こうした中、北海道を代表するロックバンドGLAYが高校生の頃に演奏していた老舗ライブハウスもいま存続の危機に立たされています。

GLAYの聖地が存続の危機?!

函館市でおよそ40年の歴史があるライブハウス「あうん堂」。
函館駅前からほど近い場所に立地していて、キャパ数十人の小さなライブハウスです。

函館出身で北海道を代表するロックバンドとなった『GLAY』が、高校生のころに演奏していて、高校卒業の時の記念ライブもこのライブハウスで開かれました。

楽屋へと続く階段の先には「GLAY」と大きな文字が書かれています。高校生のころに彼らが書いたものです。ファンの間では「聖地」と呼ばれています。

新型コロナウイルスの感染が拡大する前は、大勢のファンが訪れていたといいます。

しかし、いまは新型コロナウイルスの影響を大きく受けています。

毎週末のように行われていたライブは、ことしは数組の利用しかなく客が激減しています。

オーナーの中川一貴さんは「ライブのない日は、バーやカフェなどの営業もしていますが、それもお客さんが入らず、経営的には壊滅的な状況」と厳しい現状を話してくれました。

「このままでは経営が立ちゆかなくなる」。

何とか事業を継続させようと、先月、インターネット上で資金を募る「クラウド・ファンディング」を始めました。今後も継続していくための最後の望みです。

クラウド・ファンディングの公開から3日後、急展開が起こります。

GLAYのボーカルTERUさんが、自身のSNSで「あうん堂」に支援したことを明らかにしました。するとファンの間で急速に広まり、多くの支援が集まったのです。

あうん堂 中川一貴さん
「社員から連絡が来て『大変なことになってるよ!』って、朝起きたときに見たら一晩で凄いことになっていて。どうなってんの?!っていう話になりました。感動しますよね、ここ(あうん堂)を守らなくちゃいけないと強く思いましたね」。

約30年ぶりの凱旋ライブへ

あうん堂への奇跡はまだ起こりました。

クラウド・ファンディングで支援してくれた人たちへのお礼として用意していた「オンラインでライブを配信するためにライブハウスを独占できる権利」。

TERUさんがこの権利を使って、ファンに聖地とまで言われるこのライブハウスで無観客ライブを行う考えも明らかにしました。

GLAYがこのライブハウスで演奏するのは約30年ぶり。まさに凱旋ライブです。

あうん堂に支援をしようと思った理由について、GLAYのTERUさんが取材に答えてくれました。

TERUさん
「GLAYとはきっても切り離せない。そんな存在のライブハウスです。今回、クラウドファンディングを見た時に、なんとしても継続してほしいなという思いで、参加させてもらいました。演奏していた18歳とか17歳のときの思い出を振り返りながらライブすることになるので、当時の事を思い出しながらステージに立ちたいなと思います」。

コロナ禍で苦境のライブハウスに思うことは

さらにTERUさんは、新型コロナウイルス影響を深刻に受けている全国のライブハウスの状況についても心配しています。

TERUさん
「僕たちが上京してから、ライブをさせてもらったライブハウスも今、経営ができなくて閉じてしまったところも多いんです。いざコロナが収束して、やっとエンタメの本領発揮ができる時期が来たとしても、ライブハウスがなかったり、披露できる場所がないという状況になると、せっかくの好機を逃してしまうような気がしています。僕らの力でそのサポートをやれればいいなと思いながら今、活動しています」。

「音楽を届け続けたい」GLAYが始めた無観客ライブ

GLAY自身も新型コロナウイルスの影響を強く受ける中、去年から無観客でライブを行ってインターネット上で配信する取り組みを始めました。

感染拡大で全国ツアーが相次いで中止になる中で、ファンクラブの会員向けに配信を続けています。

家でもGLAYの音楽を楽しんでほしいと「Live at Home」と名付けたこのライブの配信はこれまでに6回行われたということです。

TERUさん
「いろいろと活動しにくい世の中にはなりましたけども、でも新たに配信と言う分野で、できる事をやっていこうということで、去年から毎月、5か月ぐらいかけて、配信ライブをしたりしてきました。ことしに入っても配信ライブで、とにかく音楽を絶えず届けていきたいという思いでやっています」。

新曲に込めたコロナ禍の社会への思い

こうした活動を行ってきた中で、先月、リリースした新曲「BAD APPLE」。この曲には新型コロナウイルスの影響で先行きが見えない中、この危機を一緒に乗り越えようというメッセージが込められています。

(BAD APPLEの歌詞より一部抜粋)
「僕らの未来が見えなくなって 彷徨う心は千切れた雲のよう
どんなに明日を願ってみても 愛なき世界が手招きをする」
「海を渡る鳥たち 疫病(やまい)を運ぶ人間(ひと)たち」
「I’ll Be…There For you」(僕はあなたのそばにいる)
TERUさん
「コロナ禍で人はどう活動するか、生きていくかというところがテーマになっています。やはりみんなで一緒にこの危機を乗り越えていこうという、そういう思いを聞いてくれた方々が感じてほしいです。なかなか自分たちの生活が戻らない、通常に戻らないような苦しい状況の中でも、GLAYの音楽が少しでも癒やしになってくれたり、明日に向かう活力になってくれたりしてもらえたら。全国で大変な思いしてる方が多い中で、より多くの人たちに届けたいという気持ちがあるので、しっかりと届いてくれたらうれしいなと思います」。

TERUさんのインタビューをさらに読みたい方はこちらへ!
関連記事「GLAYのTERUに聞く コロナ禍の音楽 函館への思い」

(2021年9月21日放送)

取材:川口朋晃(函館放送局)
2013年入局。小樽支局を経て2018年より函館局勤務。現在は新型コロナウイルスの影響を受ける道南地方の市政・経済・観光などを中心に取材。GLAYで好きな曲は「はじまりのうた」

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