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羅臼を味わって! 浜の母ちゃん食堂

ほっとニュースぐるっと道東!

2023年8月31日(木)午後7時10分 更新

羅臼町で地元の主婦たちが食堂を開きました。その名も「浜の母ちゃん食堂」。
いったい、 どんな食堂なのでしょうか。(中標津支局 原田未央) 

腕を振るうのは主婦たち

港のすぐ近くの羅臼漁協の一角、ことし5月オープンした「浜の母ちゃん食堂」です。

海鮮ちらし丼のほか、コンブの佃煮やイカのバター焼き、ホタテの稚貝の味噌汁など、売りは羅臼の家庭の味です。

食堂を運営しているのは、「Join-Rausu美活塾」。漁業や観光、酪農などに携わる主婦7人のグループです。
かつて漁協の食堂だった部屋を借りて、予約の団体客に限り営業しています。それぞれ本業や家庭があるため、無理のない範囲で取り組んでいます。

きっかけは飲食店の減少

母ちゃんたちが食堂を始めたきっかけ、それは地元の飲食店の減少です。団体客がせっかく羅臼を訪れても食事を取ることができないケースがあります。また団体客がお店に入れた場合、逆に地元の人が使えない現状もあり、立ち上がりました。

Join-Rausu美活塾 田中郁子代表。
「体的にはきついし大変なのですが、やっぱり羅臼のためだよね。町のために、羅臼に来てくださる観光客の方が困っているのであればできることがあればと」

家庭の味で羅臼の魅力を伝えたい

観光シーズンが本格化したこの夏は予約が急増。8月5日は、57人とこれまでで最多の人数を受け入れることになりました。調理室では朝からメンバーがあわただしく準備を進めます。
この日はあいにくの天気で団体客が乗るはずだった観光船が欠航。せめて羅臼の味覚を楽しんで貰いたいと、母ちゃんたちにも力が入ります。

メニューは旅行会社からのリクエストや予算に応じて決めていて、この日のメインは旬のボタンエビが主役の海鮮ちらし丼。ホッケのかまぼこやコンブのサラダなど、家庭の味で脇を固めます。母ちゃんたちはお客さんがおいしそうにほおばる様子を思い浮かべながら、盛り付けを進めました。

この日利用したのは関東からのツアー客。大きなボタンエビにかぶりついたり、ホタテのだしがたっぷり出た味噌汁をすすったりと思い思いに味わっていました。

ツアー客
「どれもおいしいけど、特にエビがおいしいです。コンブをサラダのようにしたことがなかったので家でもやってみたい」
「行った先々の名物とか豪華な食事もいいんですけれども、どちらかと言うと私はこちらのような家庭の味が好きですね」
(Join-Rausu美活塾 田中郁子代表)
「やっぱり家庭の味というかおふくろの味みたいなね、そういう感じですごくおいしかったですって言われて。お客さんの笑顔に元気をもらいながら頑張って行かなきゃなぁと思っています」

浜の母ちゃん食堂は、あくまでも団体ツアー客向けで、一般のお客さんは利用できません。それでも、羅臼町の隠れたグルメスポットとして、これから注目の観光名所となるかもしれません。

(2023年8月31日)

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