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【解説】衆議院選挙 比例北海道ブロックで自民党が4議席獲得 出口調査で分析

  • 2021年11月1日

10月31日に投票が行われた第49回衆議院選挙。 比例代表の北海道ブロックでは、最後の議席を自民党が4議席目として獲得しました。 北海道ブロックの定員は8。その半数を自民党が得たことになります。
10の政党・政治団体が参戦した“乱立”構図のなか、1つの政党だけで半数の議席を独占した今回の状況はなぜ、起きたのかー。NHKの出口調査でみていきます。
 

出口調査は10月31日、道内168の投票所で投票を終えた有権者2万2197人を対象に行い、60.4%にあたる1万3405人から回答を得ました。 一方、10月30日までに有権者のおよそ19%が期日前投票を済ませていますが、これらの方々は調査結果に含まれていません。


比例北海道 “最後”の議席めぐり

まず、比例代表北海道ブロックで最後の議席をめぐる状況を振り返ります。
7議席目までは、自民党と立憲民主党が3議席ずつ、そして公明党が1議席を得ていました。
そして8議席目。自民党と日本維新の会が激しく争っていました。
結果をみると、日本維新の会はあと500票程度あれば、自民党の4議席目を抜いて議席獲得でした。それくらいの大接戦でした。NHKが当選確実を報じたのは日付が変わった11月1日、月曜日の午前4時半ごろでした。

過去の衆議院選挙では、旧・民主党が100万票を超える得票で4議席を獲得したことはありましたが、今回、自民党の得票は86万票余り。次点で3議席を得た立憲民主党は68万票余りでした。
自民党の4議席目は、まさに「すべりこんだ」状況でした。


出口調査でみると…

NHKの出口調査をみていきます。
出口調査では投票した人に、ふだん支持している政党を尋ねました。回答は各党の政党支持率をあらわします。道内全体では、政党支持率は自民党が39%、立憲民主党が21%、共産党が6%、公明党が5%、日本維新の会が3%、れいわ新選組、国民民主党、社民党がそれぞれ1%でした。とくに支持する政党のない、いわゆる無党派層は21%でした。
支持政党別に比例投票先をみますと、自民党支持層は76%が自民党に投票したと答え、ほかの政党を答えたのはそれぞれひと桁台でした。
立憲民主党支持層は85%が立憲民主党に投票したと答え、やはりほかの政党はひと桁台でした。共産党支持層は86%が共産党と答え、公明党支持層は89%が公明党でした。日本維新の会支持層は84%が日本維新の会と答えました。これらの政党は、みずからの支持層を手堅く固めた状況がみえてきます。
そこでカギを握るのが無党派層でした。
無党派層の投票先は立憲民主党が31%、自民党が21%、日本維新の会が13%、共産党が8%、公明党が6%でした。日本維新の会は無党派層からの得票で1議席を“つかみにかかって”いました。

続いて年代別にみます。
自民党は50代までは投票先で図抜けていました。10代・20代では37%、20代では40%が自民党に投票したと答えました。それぞれ次点の立憲民主党に20ポイント前後の差をつけています。
一方、60代では自民党と立憲民主党が33%ずつで並び、70歳以上では自民党が35%、立憲民主党が34%とほぼ互角でした。
政党支持は年代が上がるほど明確になります。逆に言えば、年代が若いほど無党派層が多くなります。とくに立憲民主党支持層は年代が上がるほど多くなっていて支持に年代差があり、そうした状況が高年層で立憲民主党への投票が相対的に多くなったと考えられます。
なお、日本維新の会は30代から50代の“現役世代”で10%台の票を得ていました。
自民党は今回、年代に偏りなく票を得ていました。いわば“弱点”がなかったことで、4議席獲得につながったともいえそうです。
 

野党票が分散して…

出口調査では岸田内閣について尋ねました。道内全体では「支持する」が57%、「支持しない」は43%と、支持が不支持を上回りました。

この「支持する」層の比例投票先は自民党が57%、公明党が12%で、与党側への投票は7割近くとなりました。そうしたなか、立憲民主党に12%、日本維新の会に8%が投票していました。内閣支持層でも一部は野党側に流れたわけです。
一方、「支持しない」層の比例投票先は49%が立憲民主党、16%が共産党、9%が日本維新の会でした。自民党も8%ありました。
内閣不支持層は、野党側への投票で分散しています。とくに日本維新の会は、内閣支持層、不支持層それぞれで一定の受け皿になっていました。
なお、かならずしも「支持」と「投票」は一致しません。「支持するけど投票しない(戒めの心理)」「支持しないけど投票する(期待の裏返し)」。有権者の投票心理はさまざまで、そうした状況は今回もみられました。

出口調査では、政府のコロナ対応について4段階の選択肢で尋ねました。
道内全体では「大いに評価する」が10%、「ある程度評価する」が54%、「あまり評価しない」が27%、「全く評価しない」が10%でした。(※四捨五入の関係で和は100になりません)

「大いに」と「ある程度」をあわせた「評価する」は64%、「あまり」と「全く」をあわせた「評価しない」は36%でした。
「評価する」と答えた層の比例投票先は自民党が47%、立憲民主党が20%、公明党が10%、日本維新の会が8%でした。
一方、「評価しない」と答えた層の比例投票先は立憲民主党が43%、共産党が15%、自民党が14%、日本維新の会が8%でした。
自民党は「評価しない」層でも共産党並みの票を得ていました。この点は、“底力”を発揮したところだといえそうです。
 

北海道での暮らしに…

出口調査では北海道での暮らしについて4段階の選択肢で尋ねました。
道内全体では「大いに満足している」が20%、「ある程度満足している」が65%、「あまり満足していない」が13%、「全く満足していない」が3%でした。(※四捨五入の関係で和は100になりません)

「大いに」と「ある程度」をあわせた「満足している」は84%、「あまり」と「全く」をあわせた「満足していない」は16%でした。
「満足している」と答えた層の比例投票先は自民党が38%、立憲民主党が27%、公明党と日本維新の会がそれぞれ9%でした。
「満足していない」と答えた層の比例投票先では立憲民主党が36%、自民党が22%、共産党が13%、公明党が9%でした。
全体の8割以上が北海道での暮らしに満足していて、そのうちの4割近くが自民党に投票していました。こうした傾向は、野党が強いとされる北海道で自民党が強さを見せた1つの要因ともいえそうです。
(札幌局選挙班)
 

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