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市民に愛されて40年!街なかの水族館

  • 2023年1月13日

こんにちは!「ほっとニュース道央いぶりDAYひだか」道央担当リポーター、坂井里紗です。私は、年明けすぐに今季初めて転びました。まさに「初すべり」。(なんとさい先の悪い…) トークでは滑らないように頑張りたいと思います。みなさん、冬の転倒は本当に危ないので十分に気を付けてくださいね!ということで、決まらないスタートとなってしまいましたが、ことしもたくさんの町の魅力あるスポットやすてきな人たちとの出会いを楽しみにしています!みなさんの街にも行くので楽しみに待っていてください!

ことし最初の「ななまるマップ」は、札幌市厚別区にある冬休みにぴったりなスポットです。地下鉄新さっぽろ駅のすぐそば、街なかにある水族館といえば「サンピアザ水族館」!いや~、私も小さいころよく連れて行ってもらっていました。サンピアザ水族館は、去年4月に開館40周年を迎えました。

コンパクトな館内には、人気のペンギンや「ウーパールーパー」として知られるメキシコサンショウウオなど、およそ200種類、1万の生き物が展示されています。


新たに仲間入りした生きものたち

節目となる去年、新たに人気の生き物たちも加わりました。まずは、3頭のコツメカワウソです。埼玉県の動物園からやってきた、ピースケ、カシラ、ボンジリの3兄弟。みんなおいしそうな名前…。食べて、走り回って、眠って。元気いっぱいの男の子たちです。

もう1匹、やってきた子がいます。去年生まれたゴマフアザラシのさいごうくんです。くりっとしたお目目が特徴で、まだ産毛。体重も大人の半分ほどです。一緒の水槽にいるすずちゃんとは大の仲良し。時には、鼻と鼻をくっつけてあいさつをする姿も見られるそうです。

サメの魅力を学べる!特別展

現在開催中の特別展『小さめのサメ、集めてみました』。ただのだじゃれ??いえいえ。名前の通り「小さめのサメ」を集めた展示会なんです。暖かい海に生息するサメなど9種類がならんでいます。

館長の福田利幸さんに特別に案内していただきました。

こちらは、卵からかえって2か月ほどの「イヌザメ」です。

サンピアザ水族館 福田利幸館長
「ちょっと見てください、縞々のサメちゃんの顔を。ワンちゃんみたく見えませんか?はいはいするワンちゃんに見えるというのがイヌザメの名前の由来になっているんです。ちょうど最初の黒い点が鼻だとして…。ビーグル系のわんちゃんに見えませんか?」

うーんどうでしょう…。見えるような、見えなくもないような…。言われてみればハンサム系のわんちゃんの顔に見えるかも…?みなさんは犬に見えましたか?

水槽の中には貴重なものも。それがイヌザメの卵です。小さいサメが泳いでいるのがはっきりと見えます。

さらに、イヌザメの卵の殻も触ることができます。卵の中がはっきり見えるくらいなので薄いのかと思っていましたが、かなり厚く、頑丈でした。

サンピアザ水族館 福田利幸館長
「およそ1年間、卵の中で育ってサメの形になって生まれてきます。その後、さらに1年で大体大きくなる。最長でおよそ1メートルくらいです。今はしましま模様ですけど、大人になるとだんだん薄くなって灰色っぽいサメになります。ほとんど成長しきって卵から出てくるので、ほかの魚みたくたくさんの子どもを産む必要がありません。なのでサメはすごく生む数が少ないんです。」

平べったいこちらの魚は「サカタザメ」です。でも「サメ」じゃないんです!

サンピアザ水族館 福田利幸館長
「実はサメって名前ついているんですけど、『エイ』なんですよ。サメとエイって分類上は同じグループの生き物なんです。」

サメとエイの違いは、「えら」の位置にあるそうです。展示されているアカエイ(エイ)とシマザメ(サメ)を例に見比べてみました。アカエイのおなかを見てみると、「えら穴」が口の下に並んでいます。

そしてシマザメを見てみると、顔の横にえら穴がありました!

サンピアザ水族館 福田利幸館長
「エイはおなか側にえら穴がある、サメは顔の横にえら穴が並ぶ。おおざっぱですけどそういう風に言われています。」

でも、どうしてエイなのに名前に「サメ」とつけられているんでしょうか?

サンピアザ水族館 福田利幸館長
「これはもう命名者がいらっしゃいまして、その法則を知ってか知らずか、サメに見えたのでサメってつけたんですよ。『どっちかっていうとエイだけどな』っていうのは多くのみなさんたちの考えなんですけど、『いやいやこれはサカタザメよ』って名前をつけた方がいらっしゃるので、『サカタザメ』なんです。ちょっとややこしくなっちゃいますけど。そういう生き物っていっぱいいますよ。」

この特別展、見て楽しむだけじゃないんです。みなさん「サメ肌」って聞いたことはありますか?では触ったことはありますか?ここでは触れちゃうんです!触ってみると…爪やすりのようなざらざら感で、指が全然滑っていきません。勢いよく触ってしまえば、けがをしてしまいそうです。

サンピアザ水族館 福田利幸館長
「実は、古くからサメの皮でおろしたわさびが最高だって言われている。もちろんおろし金の代わりにもなるし、昔は、刀の握るところにサメの皮が巻いてあって滑り止めになっていたんですよ。」

サンピアザ水族館 福田利幸館長
「サメは、世界に500種類もいて、ちっちゃいのもいれば大きいのもいるし、凶暴な人を襲うようなサメもいれば、おとなしいサメもいるので、サメのおもしろい特徴を紹介してみようと選んだのがひとつの理由です。お子さんたちにとっては多分物珍しかったり動きが面白かったりするだろうし、親御さんとかちょっと大きなお姉さんお兄さんとかは、いろんな豆知識が書いてあるパネルも展示しているので、ちょっとした自慢話に活用してもらいたいですね。」

40年を振り返って

オープンしたのは、1982年。「海のない札幌に水族館を作ろう」という思いから作られました。静岡県出身の福田利幸さんは、今から30年前、開館から10年目に入社しました。

サンピアザ水族館 福田利幸館長
「大学が静岡で、海洋学部に入学しました。子どものころ生きものとか大好きだったんですけど、4年生のときに大学が持っている水族館で研究したのがきっかけで『あ、そういえば自分こういうの好きだったな』とか『やりたいな』っていうのがまたわいてきて、巡り巡って北海道のこの水族館になりました。」

都心の水族館ならではの仕組みに驚いたこともあるそうです。

サンピアザ水族館 福田利幸館長
「水族館って『海の近くにある』というのが自分の頭の中であったので、街の中にある水族館はすごく新鮮でした。特に『どうやって海の水持ってきているのかな』って気になっていました。ほとんどは石狩湾でまかなっています。トラックで1回に10トン運んできて、水族館の横に深い水槽があって、そこに貯めて使っていく。1週間に1回、2往復します。海沿いにあれば使い放題ですけど、大事に使っていくっていう工夫が必要ですね。」

40年の中には、さまざまな苦労があったといいます。

サンピアザ水族館 福田利幸館長
「僕が入った年は本当にすごく活気があって、街がすごく生き生きしていた感じがあったんですけど、そのあとすぐに『バブルの崩壊』といわれる時期があって、お客さんも少しずつ減っていきました。その中でもやっぱりコロナ禍が一番厳しさを感じましたね。コロナ前までが12万とか13万人くらいいた年間のお客さんが一気に半分まで減っちゃって。今までそんなに減ったことなかったんです。その時はさすがに、『このままじゃ水族館つぶれちゃうんじゃないかな』とかってずーっと思ってました。」

そんなときに励みになったのが「たくさんのお客さんの声」でした。

サンピアザ水族館 福田利幸館長
「SNSを始めたのがきっかけで、それを見てくださったお客さんたちから応援メッセージとかをいただきました。『これからも水族館続けていってね』とか、『カワウソかわいいね』とか『これがよかったよ』って。もちろん、ありがたいですよ。やっぱり応援していただいている方がこれだけいるんだから自分たちもそれに応えられるように頑張っていこうっていうのは思いますよね。」

40周年を迎えた今も、多くの人たちに愛されているサンピアザ水族館。福田利幸館長は、「続けていくことこそが恩返し」と語ります。

サンピアザ水族館 福田利幸館長
「2年間コロナで苦しんでいた中で、40年を無事に迎えられたっていうのはまずひとつ大きなことですごく感謝しています、本当に。僕は、1年1年積み重ねていって、それが結果的に40年、50年先、100年先って続いてってくれればすごくいいと思います。これからも水族館、長く続けてお客さんたちに恩返ししていきたいと思います。よろしくお願いいたします!」

開館40年を迎えたサンピアザ水族館の魅力については、13日(金)午後6時40分からの「ほっとニュース道央いぶりDAYひだか」でご紹介する予定です。懐かしさを感じる方もまだ行ったことがないという方もぜひご覧ください!

取材後記「札幌市民の愛」

取材の日、子どもたちは冬休みの真っただ中で、開館時間からたくさんの子ども連れやカップルでにぎわっていました。小さいころ、「新さっぽろ駅にお出かけに行くよー!」と言われるのが大好きでした。きっと、共感してくれる札幌市に住む子どもや元子どもは多いんじゃないでしょうか。「サンピアザ劇場」で劇を見て、「札幌市青少年科学館」でいっぱい遊び、「サンピアザ水族館」で生きものたちに癒されるコース。特に「サンピアザ水族館」にはよく行っていて、よちよち歩くペンギンにくぎづけになったことや、海の生き物を触ることができるタッチングプールに心躍ったことなど、懐かしい思い出は尽きません。取材中、お客さんにもお話を伺いました。3歳の息子さんと来たお母さんは「息子が、ペンギンが好きなんです。年パスを買ってしょっちゅう来ているので、これからも応援しています」、2歳の孫と訪れたおじいちゃんは「いいところなのでいつまでもこのままあってくれたらなと思います」、自身も小さいころ来ていたというお父さんは「身近に何世代も来れるような水族館があるということはいいことだなと思います」と話してくれました。最後のお父さんが話してくれたように、小さいころ通っていて大きくなって自分の子どもを連れていくという方も少なくないと思います。福田利幸館長はインタビューの終わりに、「応援してくださっている気持ちがあると非常に頑張りに繋がります!本当に感謝ですね」と照れくさそうに答えてくれました。たくさんの人たちの思い出を乗せて、一市民としても、末永く続いていってほしいと心から応援しています。

道央いぶりDAYひだか
坂井里紗
2023年1月13日

昨年最後の「ななまるマップ」は、真狩村の高校生パティシエたちを特集しました!授業の一環で、自分たちで育てた野菜でお菓子を作って販売する活動を行っています。最後の販売会を控えた3年生たちの思いや心を込めて作ったお菓子の数々、ぜひご覧ください!

真狩高校発「ラミッカ」に行ってみっか!

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