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森林鉄道をいつまでも 遠軽町丸瀬布 雨宮21号

  • 2023年6月6日

「雨宮21号」は、このオホーツク地域で木材の運搬に活躍した蒸気機関車です。1928(昭和3)年、丸瀬布-武利意森林鉄道に配属され国有林から伐り出した丸太を搬送していました。しかし、1958(昭和33)年に廃止されました。地元の有志の強い要望で1976(昭和51)年復活。北見営林局から旧丸瀬布町に譲渡され、「森林公園いこいの森」で再び活躍しています。森林鉄道蒸気機関車の動態保存は全国で唯一です。

今年、30年ぶりに新しい機関士が採用されました。 千葉さんです。 祖父の正さんは雨宮21号の機関士でした。去年から千葉正義さんは機関士になるために修業してきました。車両の整備・線路の補修など運行に関わる全てを先輩から学んでいます。

現在は試験走行をするなど、乗客を乗せていないときに運転操作の練習をしています。いわば自動車の仮免許の状態です。独り立ちで運転ができるよう訓練を重ねます。

雨宮21号を支えている人がいます。 旭川市で鉄工所を営む早川裕朗さんです。 もう製造されていない部品の補修や制作を手がけています。 

18年前、赤色だった客車を森林鉄道時代の色に塗り替えました。 資料は白黒写真しかなく、農家の倉庫として使われていたかつての客車を探し出して再現しました。 

早川さん
「好きなんですね。仕事が好きで、役に立つことが、自分としてうれしいです」

早川さんは、町が制作するポスターの写真撮影も手がけています。雨宮21号が運行していない冬は、これまで撮影した写真を眺めたりしながら春になるのを待ちます。

4月29日、今年初の運行です。早川さんも旭川から遠軽町を訪れました。

この日、機関士のみなさんにプレゼントを贈りました。
旭川の鉄工所で制作したアルミ製のネームプレートです。3人の機関士、ひとりひとりに手渡しました。

早川さん
「感謝の気持ちで作りました。今年1年元気で走り続けてくれよという思いです。いつまでも雨宮21号が走り続けていけるよう、みんなで支えていきたいですね」

千葉さん
「うれしいです。先輩機関士の運転技術を学び、たくさんのお客さんを乗せて雨宮号を走らせられるよう努力していきたいです」

撮影:NHK北見放送局 畠澤 宏
取材:NHK旭川放送局 後藤 理

<放送予定>6月8日(木)午後6時40分~ 
「ほっとニュース 道北・オホーツク」
特集 「森林鉄道をいつまでも」でお伝えします。

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